DiscordライクなのはUIだけだった。チーム管理特化の多機能性
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さて、サーバーを立ち上げたところで各機能について見ていきます。驚くべき機能の多さで、もしかすると漏れがあるかもしれませんが、本稿ではざっとDiscordと比較していきたいと思います。テキストチャットとボイスチャットは基本として、それ以外の要素で比較してみました。
Guildedでしかできないこと
- 会話のスレッド化
- アナウンス用チャンネルの設定
- リッチテキストの編集・送信(テキストへのURLリンク挿入も可)
- サーバー内に複数の「グループ」を設定
- 下記機能のチャンネル化
- Scheduling:スケジュール共有
- Calendar:カレンダー・スケジュール共有
- List:タスクリスト共有
- Docs:ドキュメント共有
- Forums:フォーラム設置
- SNSのようなプロフィールページ
- 質問やアンケートの投稿・回答
- ボイスチャンネルでのテキスト投稿
- 各チャンネルのアーカイブ
- 主要なe-Sportsタイトルのスクリム自動調整・各スタッツの確認
Discordでしかできないこと
- 配信まわりの細やかな設定
- サーバー内でのビデオチャット・画面共有
- 画像以外のファイル共有
正直なところこうして機能を眺める限りでは、Discordとは大きく異なる印象を受けました。もちろんDiscordが劣っているというわけでもなく、そもそもコンセプトや志向しているものが違うのかもしれません。ゲーマーなら気になる音声の遅延ですが、筆者の環境で確認したところでは100ms~200msの間を示していました。
続いて、Guildedの各機能についてもう少し詳しく紹介していきます。
サーバーとグループの関係
機能の前に、サーバーとグループについて紹介しておきましょう。Discordではサーバーに各テキスト・ボイスチャンネルが紐付いており、同一アカウントで複数のサーバーに参加することができます。一方Guildedでは、サーバーの概念は同じものの、同一サーバーに「グループ」というものが設定できます。
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どのように使うのかあまりピンとこないところでもありますが、例えば公開されているサーバーならホームサーバーは全体で公開しつつ、管理者だけの非公開グループを別途用意することもできますし、もちろんトピック(ゲーム)ごとにグループを分けても使えそうです。
冒頭のサーバー立ち上げ時にゲームを選択する場面がありましたが、グループごとにもゲームを紐付けられるので、ある程度規模の大きいe-Sportsのチームやグループであれば、各専門ごとにグループを分けて管理するといった使い方になるのかもしれません。
もちろん各グループも細かくロール設定は可能で、詳細は割愛しますが、Discordで設定できるのと同じ要領と細かさで各チャンネルのアクセス権限を設定できます。
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グループウェア的な機能も必要十分
さて、Discordと比較して一番差を感じるのが、スケジュールやタスク管理機能が豊富だということです。例えばカレンダーをサーバー(グループ)で共有することもできますし、予定の設定から参加可否をまとめるところまで簡単に行えます。
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いずれもチャンネル化して使うので、あっちにいったりこっちにいったり複数のサービスをまたぐ必要はありません。タスク管理も複数人が集まると意外と煩雑になりがちですが、同じくチャンネル化すれば、ちょっとしたグループウェアと比較しても必要十分だと言えそうです。
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個人的には「Scheduling」という機能に惹かれました。個々人が空いている時間を共有できるというシンプルなものなのですが、ここから空いている時間を確認して予定を入れることもできますし、全体がどのように動いているのかも把握でき、かなり使い勝手がよさそうです。
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ドキュメントの管理も簡単にできる
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そのほか、簡単なWikiページを作成する「Docs」という機能もあります。もちろん必要最低限といった印象はありますが、チームの決まり事やサーバーのルールなどをテキストで留め置くには最適。現在編集部で利用しているDiscordサーバーにはGoogleドキュメントのリンクを置いているのですが、もはやそれすらも不要になりそうです。
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ただし、前述の通り、画像ファイル以外が共有できないため、PDFで送られてきたレギュレーションをパッと共有したり、原稿をWordファイルでシェアしたり……といった使い方はできません。この辺まで可能になると実用度は相当高まりそうです。
アンケートや投票もチャット内で完結
さらに驚いたのは、アンケートや投票をGuilded内でリッチにカスタマイズし、募集~集計まで行えるということです。こうした細かな点でもDiscordとの違いを感じられます。
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細やかなロール設定、Discord Webhook APIも利用可能
多機能ではあるものの、各サーバー、グループ、チャンネルごとでロールと権限を設定できるので、例えばドキュメントを編集できるのは管理者だけ、カレンダーにアクセスできるのは●●の人だけ、といった設定が可能です。この辺りもかゆいところに手が届く設計になっています。
また、チャットツールには欠かせないWebhookにも対応。Discordからのユーザー取り込みも意識しており、Discord Webhook APIに対応しています。Discordで使っていたBotなどがあれば、指定URLの変更だけですぐに利用できます。
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e-Sports特化のスクリム調整機能
Guildedの大きな特徴は、『フォートナイト』や『レインボーシックス シージ』『リーグ・オブ・レジェンド』といったe-Sportsタイトルのスクリムを自動でマッチングしてくれるところです。
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サーバー内にメンバーさえいれば、プレイするゲームと時間を選択するだけ。さらにスタッツも残っていき、ある程度スキルも判別してくれるようなので、自動マッチングとは言え初心者が上級者に痛めつけられるばかり……ということにもならなさそうです。残念ながら数時間でサーバーに人を集める人望が筆者になかったので、この機能については後日検証してお伝えします。
GuildedはDiscordの牙城を崩せるか?
一通り触ってみた印象としては、Discordとは明確に差別化されていて、Discordでは満たせていないニーズに応えるツールだと感じました。ただ、最低限ボイスチャットだけ使えればいいといったユーザーからすると、この機能の多さは邪魔になってしまうのではないか?という懸念もあります。現状は日本語にも対応していないので、特に日本においてさっとコミュニケーションを取る分にはまだDiscordに分があるといえるでしょう。
しかし、e-Sportsのチーム管理をしたり、丁寧なコミュニティ運営をしたり、あまり多くはないと思いますが、Game*Spark/インサイド編集部のようにDiscordで日常の業務を行っていたり……という人たちが乗り換えて使ってみる、という可能性はかなり高いと感じています。
Discordがフロー(留め置かなくてもいい)の情報を扱うことに長けているとすれば、Guildedは情報のストックに長けていると言えます。タスク管理やスケジュール調整、各アンケートなどを外部ツールを使わずに行えるのは、最たる例です。こうした多機能性がどこまでユーザーに浸透するのか、真にユーザー(ゲーマー)が求めているものなのかは、現時点では判断しづらい部分でもありますが、求めていた機能があると感じる方は少なくないのではないでしょうか。
さらに今後はサーバー同士のトーナメント作成機能やビデオ関連の機能追加も予定されているということで、もしDiscordでできることが全部Guildedでできるようになれば……今の状況はまた変わるのかもしれません。今後も新たな動きがあれば随時ご紹介していきます。