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Outstriveが開発するAim練習ソフト『Aimbeast』。人間ライクなAIを搭載、多数のゲームモードを備え、ウォームアップからトレーニングまで使用可能なソフトです。FPSプレイヤーから競技エイミングの選手まで、幅広いユーザーがプレイしていることでも知られている本作ですが、2020年5月14日についに正式リリースとなりました。本記事では、幅広いユーザーのニーズに対応した同作のプレイレポをお届けします。
非常に設定項目が豊富で、ワークショップにも対応
本作の特徴として、非常に数多くの項目が設定可能です。クロスヘアのサイズやカラーリング、FOVだけでなく、壁やオブジェクトのカラーリング、さらにはマウス感度の設定は、著名タイトル向けのスケールが別途用意されているほど。FOVタイプも垂直合わせと水平合わせの2種類(同じ数字であっても、どちらを基準にするかによって実際の視野は異なります)が用意されており、いつもプレイしているゲームに合わせて設定するだけで感度が合うようになっています。
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特に複数タイトルをプレイしている場合は、それぞれで垂直FOVだったり水平FOVだったりという場合もあり、筆者の身内でも違和感を覚えた末に「このタイトルのFOVってどっちだっけ?」というような話にもなることがたまにあります。調べれば済むものではありますが、そういった意味でもゲーム名が併記された上で、選びやすくなっているのは非常に良い点だと感じました。今回筆者は、Riot Gamesが開発する『VALORANT』を、5月上旬に担当したプレイレポ以降もずっとプレイしているため、同作準拠で設定してみました。
なお、本作はSteamワークショップに対応しており、ユーザーが作成した様々なものをプレイすることができます。デフォルトでもテストプレイするだけでどれぐらいの時間を要するかわからないほどの量が用意されていますが、より自分にあったものを探しに行くのも良いですし、備えられている機能を利用して、自分好みのものを作ってみても良いでしょう。
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遊んでいるのではなく、トレーニングをしているという感覚を植え付けられる
筆者は一時期ブームになった某Aim練習ソフトが全く肌に合わず、累計プレイ時間12分という記録を本稿の執筆に合わせて再度確認してきました。元々の考えとして「リコイルコントロールやその他諸々を含めたものがAimである」というものがあったため、興が乗らなかったという点も無きにしもあらずですが、本作はそういった既存のものとは一線を画しているという印象を受けました。
正直なところ、編集部から話が来た時点では本作のことを見聞きしてはいたものの「また新しいAim練習ソフトか……」という気持ちが大半だったのは否めませんでした。しかし、気付けば腕をブンブンと振りながら、マウスをひたすらポチポチすることになるとは思ってもいませんでした。本作は本当にしっかりとした、まさしく「Aimトレーニング」用のソフトだったのです。
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まずプレイしてみて感じたのが、非常にフィードバックがシンプルであるということ。画面の中心のレティクルを中心に、ぼやっと画面全体を見て次のターゲットを探しながら、ヒットしたかどうかの音を聞きながら、ひたすら無心でAimを合わせてクリックをする。より正確さとスピードを求め、もう1回プレイする……というような感覚です。マップによっては移動が必須なものもあり、単純なAim練習ソフトでないことが伺えます。1回プレイするごとにスコアだけでなく、Aimや移動に関して様々なデータが表示されるため、もしかすると自分の気付いていなかった癖などが見えてくることもありそうです。
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メインメニューのPROFILEからは、1週間や、最初にプレイした時から今までといった期間を選んでスコアを表示できます。自分の成長や不調のタイミングを見るといったことも可能ですが、本稿では感度調整でプレイした記録をスクリーンショットを撮る前に消してしまったのと、そこまで日数をかけてプレイできるわけではないため、結果として寂しめに。実際には、プレイすればするほどデータが蓄積されていき、もっと意味のある図が見られるようになるでしょう。
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CUSTOMからマップなどを作り、ROUTINEで複数を組み合わせることも
モードは、用意されたものでプレイできるNORMALのほか、既存の改変やオリジナルで自分好みのプレイが可能なCUSTOMもあります。武器の指定やターゲットの種類など、様々な項目を変更できますが、執筆時点ではSteamガイドにもカスタム関係のフルガイドは存在しておらず、1つ1つ試していかないとなりません。一方でカスタム機能自体は、内容の変更をした後、Escapeを押してAPPLY AND RELOADを選べば、新たな内容を即座に反映させることができるため、そこまで面倒な仕様にはなっていないのが便利でした。
そのほか、ROUTINEはCUSTOMで作成したものを組み合わせ、デイリールーチンのようにプレイができるもの。特に、本作を利用してウォーミングアップや特定のセットを使って実際に練習をしようと思っているのであれば、非常に有用な機能だと思います。ただし、前述の通り元々が非常に便利なため、Favorite機能を使いつつプレイすれば、無理にROUTINEなどを利用する必要もないと感じる部分もあります。
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銃を撃つのではなく、マウス操作の無駄を削ぐためにある
本作のオプションとして、ピストルやAR、LMGといった連射が可能な銃も用意されていますが、練習としての筆者のおすすめはやはりピストル。ただ連射していても上手くはならないため、1発できっちりと合わせて決められるようになる必要があります。特にヘッドショットが有利なタイトルでは、より重視される部分です。しかし、画面上には銃のモデルも表示されず、銃声の代わりにあるのは電子音。完全に銃を撃つゲームではなく、Aimを鍛えるソフトです。
銃を撃ち、エフェクトなどを楽しみながら練習したいというプレイヤーには向きませんが、Aimや反射速度の重要さを理解した中~上級者には、実際のタイトルのプレイ前に腕を温めたり、弱点を洗い出すという意味でも非常におすすめできるソフトだと思います。
『Aimbeast』は、620円(税込)でSteamでPC向けに販売中です。