今回は、先日電撃的に発表されたPC版『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』を取り上げます。押しも押されもせぬ問答無用の傑作が、日英対応でなんとお値段イチキュッパ!未プレイの方もクリア済みの方もマストバイの作品です。英語ローカライズの評判も良く、切り替えてプレイすれば、新鮮な感覚で楽しめるでしょう。
練習問題の解答
- 大きな脈(Mega/neura)
- 2本の細長い歯(Di/metro/don)
- 南に住む猿(Australo/pithecus)
言葉のアクセントを覚えるときには、構成する語がどこで区切られているのかを知るのが重要です。今回の「メガネウラ」などは、トンボだからとつい「メガネ・ウラ」と読んでしまいますが、本当は「メガ・ネウラ」なのです。このアクセントをマスターすると、マニアの方面からも「勉強しているな」と良い印象を与えられるので、『ARK: Survival Evolved』などの話題で使うとちょっと鼻が高くなります。
Let's Play in English:最早おなじみ にぎやかさ5割増しの日本的スクールライフ
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日本の漫画やアニメが海外でも浸透しているので、日本の学園生活がどういうものかは向こうでもかなり認知されています。「Senpai」「-San」などの敬称はそのまま通じますし、主人公もTeddieからずばり「Sensei」で呼ばれています。生徒の日常会話ということで「Yap」「Whaddya」といったスラングも比較的多めですが、会話の雰囲気でだいたい理解できるでしょう。吹き替えは日本版と比べると全体的にオーバーリアクションになっており、陽介や千枝はテンション高めの会話で盛り上げてくれます。
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『ペルソナ』シリーズに欠かせないのが学校の授業。基本的に雑学系の話題ですが、TOEFLの長文読解の練習にはもってこいです。日本でも2018年から英語科目でオールイングリッシュ授業が開始されており、いずれはこのレベルの英語習得が標準となるでしょう。毎回問題も出されるので、流すことなくしっかりと授業を受けてください。
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英語で開始すると日本語入力はできず、ローマ字で最大16字までとなります。なお、NEWGAME以外で言語切り替えを行うと、強制的にデフォルトネーム「Narukami Yu」に変更されてしまうのでご注意を。
ローカライズを味わう:ゲームマスターは誰? TRPG風のモノローグ
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『P4G』は英語ローカライズの評価も高く、日本版と統合されてリリースされたPC版はまさに本作の決定版と言えるでしょう。テレビ番組の演出は海外流に合わせて変更されており、番組ロゴの違いを見比べてみるのも面白いですね。
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日本版と違う大きな特徴としては、状況説明におけるナレーションの違いです。日本版では主人公のモノローグのような表現ですが、英語版では「You」の主語が明確に打ち出され、TRPGでゲームマスターから説明されている体裁です。TRPGの認知度も高くパラメータ表現なども近いので、このような演出になったのでしょう。そうなると、ナレーションをしているゲームマスターはいったい誰なのか……と、そんな想像も膨らみます。
未来を掌握するものが権力を手に入れる 暦と天気予報
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英語で天気予報は「forecast」 と言い、その語源はゲルマン系の「fore(予め)」「cast(投げる)」とされています。これは予言の意味で使われるラテン語由来の「predict」とほぼ同義で、天気予報というのは一昔前まで予言の範疇だったのです。現在のような精緻な天気予報が可能になったのは気象レーダー、気象衛星、スーパーコンピューターなどに依るところで、気象学が発展する以前は人知を超えた領域とされていました。
古くより気象を司る者は政治の中枢へアドバイスする立場にあり、常に強い権力を保持します。中国では諸葛孔明が軍略を指揮したり、日本では陰陽寮が組織されていました。「物忌み」や「方違」など人々は彼らに意見を求め、自分の行動の指針としていたのです。
『ペルソナ』シリーズではその役割を現代のシステムに見立て、テレビ、SNS、AIに当てはめました。わたしたちが行動を決めるとき何に頼っているのか、あるいは何に操られているのか、今一度自覚した上で付き合い方を考え直したいですね。
覚えておきたい英単語集:Everyday grace at your Junes! 日常と非日常を知る
- Forecast:天気予報、予言
- Customer Appreciation Day:お客様感謝デー
- Jungian psychology:ユング心理学
- Collective Unconscioius:集合的無意識
- Archetype:原型、アーキタイプ(ユング心理学)
- Bizarre:異様な、異常な
- Guardian:保護者
- Faculty room:職員室
- P.E.(physical education):体育
- Contemporary writing:現代文
今週のキーフレーズ:Palas anon azinomas...
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いきなり悪魔召喚から始めないでください、先生。今作にはご丁寧にも江戸川先生によるユング心理学講座が付いてきます。今作における「ペルソナ」「シャドウ」の概念を理解するためには必須なので、できればプレイ前に番組表からチェックしましょう。ですがこのキーフレーズはユングとは全く関係ない黒魔術における悪魔召喚の呪文なのです。英語版では正しいスペルが表示されるので、こういった変わった言葉の検索にはとても便利です。魔術、オカルト系に興味のある人はぜひ英語でプレイして見識を拡げてはいかがでしょうか。Xilka, Xilka, Besa, Besa...
練習問題:好きな召喚呪文を唱えなさい。(アルファベット表記に限る)
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今回は江戸川先生に倣い、趣向を変えて自由課題とします。バトル中でもペルソナ召喚をカッコよく叫んでいるように、皆さんも召喚呪文を唱えてみましょう。最近の作品から古典まで何でもOK。ただし、日本語訳、カタカナ表記は禁止です。英訳されたもの、ラテン語、エノク語、とにかくアルファベットの表記を探し出してみてください。
それでは皆さんご一緒に――Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn, Ia! Ia! Cthulhu fhtagn!