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Orbital Speed Studioより、2020年7月29日についにSteam早期アクセスが開始された巨大ロボSRPG『DUAL GEAR』。本記事では重厚なメカや雰囲気が特徴の同作のディレクター、Pongpat Pongsakorntorn氏に、2017年のBitSummit以来に再びインタビューを敢行。発売後の同作や今後の予定についてを伺いました。
――まず初めに自己紹介をお願いします。
Pongpat Pongsakorntorn(以下Pongsakorntorn)こんにちは。サワディークラップ(タイ語の挨拶)。私は、Orbital Speed Studioの設立者でリードデベロッパーとメカデザインのPongpat Pongsakorntornと申します。『DUAL GEAR』のSteam早期アクセス開始までの間支援していただいたことを心より感謝しています。
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――ゲームの開発のきっかけは?
Pongsakorntornおよそ6年前にさかのぼります。私はCorecell Technology(『DUAL GEAR』の海外パブリッシャーも務めている)と共に3DS/PS Vita向けのアクションゲーム『タイムアベンジャー(Aeternoblade)』を完成させた後、弟と共にモバイルゲームの開発や各種アートの提供をする会社を立ち上げました。その際はまだ『DUAL GEAR』は余暇のプロジェクトで、ゲームにするのか、おもちゃを作るのか、それともただのアートブックプロジェクトとして終わらせるのかを探っていました。そんな中、Unreal Engine 4が公開され、本格的にゲームプロジェクトが進行することになったのです。
――ゲームのユニークな点を教えて下さい。
Pongsakorntorn私はいままで多数のRPGとターン制SLG、特に90年代のものをプレイしてきました。ガンプラや軍事もののプラモデルも大好物です。これらへの思いを上手く組み合わせたのが本作『DUAL GEAR』となります。また、ターン制SLGにおいて、プレイヤーが自機を直接操作する余地を与えることが、どのような影響をゲームに与えるのかに興味がありました。それが本作においてアクション要素が導入された背景です。
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――ゲームに影響を与えた作品について教えて下さい。
Pongsakorntorn殆どのプレイヤーが『フロントミッション』や『戦場のヴァルキュリア』からの影響を指摘していますが、実はそれ以外にもあります。最初のプロトタイプは『エンド オブ エタニティ』と『フロントミッション』を組み合わせたようなものだったのです。ターン制SLGの仕組みに、敵とドッグファイトをしながらアクションスキルを発動するような内容を組み合わせたものと想像してもらうと良いでしょう。まあ、その後に現在の『DUAL GEAR』の形式に変更されたのですが。
――どんなロボットゲームをプレイしてきましたか?
Pongsakorntorn幅広く多くのタイトルを遊んできました。例えば『フロントミッション オルタナティヴ』、『フロントミッション3』、初代PS時代の『スパロボ』、『アーマード・コア3』に『アーマード・コア フォーアンサー』。古めのタイトルばかり言及していますが、直近でプレイした今世代機向けのタイトルでは『タイタンフォール2』がありますね。
――どんなロボット作品に影響を受けてきましたか?
Pongsakorntorn沢山です。どれか一つお気に入りを選ぶことが難しいほどに。ですが、強い影響を受けたアーティストの名前を挙げることはできます。近藤和久氏ですね。子供のときに見た「MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝」にやられました。超リアルに描かれた「ガンダム」の姿。何があっても大好きです!同作の物語やメカデザインは私にハードSFや「ガンダム」というものを深く教えてくれました。ただの「アニメじゃない」ってことですね。それは私のメカデザインに多大な影響を及ぼしています。
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――『DUAL GEAR』のメカデザインはどのように行われていますか?
Pongsakorntorn本作のメカデザインではクラシックな“箱っぽさ”を意識しています。おおよそ80~90年代の日本メカの系統ですが、スーパーロボット風になりすぎないようにバランスは取っています。これは本作のメカの動きが、スムーズな操作が可能なレベルであっても多少鈍重に設定されている理由でもありますね。
もう少しだけ言うと、本作の物語においてデュアルギアは軍事用として直接生まれたものではなく、近未来の宇宙開発用途から発展したものです。そのため6~8mの比較的小柄な設定で、白が基調色となっています。
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――『DUAL GEAR』の物語のポイントを教えて下さい。
Pongsakorntorn本作の物語は、熟練パイロットのニールと天才少女パイロットのアリヤとの関係性に主軸をおいています。11年前の事件で妻と娘を亡くした父親と、その娘に良く似た面影の少女。彼らの戦いから物語は始まり、その後2人は特殊部隊「NEMOS」の第7小隊に参加することとなります。
本作ではこのNEMOS第7小隊のメンバーの物語をお送りします。部隊を構成する、過去の“ある事件”の被害者だった特別な少年少女たち。兵士ではなく、しかし普通の生活を送ることもできない彼らにできる唯一のことは、デュアルギアを操縦することだけ。敵「ウォッチメーカー」と戦うためにも、地球を護るためにも。本作は世界的な紛争のさなかのロボット戦を背景に、彼らの行く末をプレイヤーに伝えるでしょう。
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――ところでプロローグの難易度が高いように見えますが、いかがでしょうか?
Pongsakorntorn私達が直面した最初の致命的な問題は「最初のボスの能力値が間違っていた」ことで、これは発売から5時間以内に修正し、今のところは問題ありません。とは言え、難易度が乱高下しまっているなど、ゲーム自体まだまだバランス調整を要しており、我々が多くの作業を行うべき主要な部分でもあります。
――メインストーリー以外のサブミッションや自動生成ミッションは予定されていますか?
Pongsakorntornはい。ただ、ストーリーではなく、「シミュレーション」や「インベード」などのモードとしてアンロックされる形です。すでにゲーム中に用意されたモード選択部分だけは見られますね。すべての将来のモードは様々な異なるゲーム要素の開放などのアンロック要素を含むチャレンジとなる予定です。とは言え、これは長期的な目標なので、詳細の発表は来年度になると思います。
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――ところで……本作の現状の日本語は相当不自然な部分が目立つのですが、早期アクセス中に改善はされるのでしょうか?UI部分もですね。
Pongsakorntornもちろん改善中です!日本語に限らず英語や全体に渡って作業を必要としています。これはコミュニティから受けた重要なフィードバックであり、全言語を改善し洗練させていくことは早期アクセスにおける主な目的の一つです。
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――COVID-19が開発に影響を与えた部分はありますか?
Pongsakorntornいまのところ問題ないです。皆が自宅で仕事をしているような小さいスタジオですので直接の影響はありません。また少し運もあり、タイ政府は感染の制御にある程度成功しています。しかし、COVID-19はあらゆるビジネスやエコシステムを変えてしまうでしょう。我々は近い将来に起こるかもしれない次の大不況に備えて、集中する必要があります。そうならないことは願っていますが、準備し注視する必要があります。
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――日本のユーザーにコメントをお願いします。
Pongsakorntorn最初に言わなくてはなりませんが、4年間もお待たせしてしまいすみませんでした。スタジオの規模の大小は関係なく、多くのことがあったのです。しかし、我々はついに早期アクセスを開始することができました。これは『DUAL GEAR』にとって非常に重要な道筋です。
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我々はまだゲーム開発の経験に乏しく、コミュニティを必要としています。だからこそ早期アクセスとしてゲームを発売したのです。すべてのプレイヤー、レビュワー、そしてストリーマー(ストリーマーの皆様には、収益化など含め、望むように配信をして頂いて問題ありません)の意見を求めています。
本作はコミュニティからの多くの指摘がある通り、まだ多くの作業を必要としています。バランス、問題、翻訳、これらについては次のストーリーミッションの公開前に改善すべき最初の目標です。全力を尽くします!
『DUAL GEAR』はSteamにて早期アクセス実施中。後日、国内を含めPS4/Xbox One/ニンテンドースイッチでも配信予定です。