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Game*Spark読者からも大注目のNVIDIAの最新グラフィックチップGeForce RTX 3080。その性能はもちろん、実際のサイズや使用時の温度など気になる点も多く、まだ購入には踏み切れていないという方も少なくないのではないでしょうか?
今回、MSI製グラフィックボード「GeForce RTX 3080 GAMING X TRIO 10G」をお借りすることができたため、実際のゲームプレイやベンチマークの結果などを含めた詳細なレポートをお届けします。RTX 2080 SUPERとの比較も盛り込んでいるのでぜひ参考にしてみてください。
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様々な点が考慮された最新製品
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MSIから発売されるRTX 3080搭載グラフィックボードは、GAMING・VENTUSの2モデルが設定されており、本稿で扱うのは最上位であるGAMINGグレードです。基盤での冷却を補助するバックプレートも備え、GPUクーラーも他グレードと比較するとよりパワフルになっています。そんな本製品ですが、カード長は323mmと、やはり前世代のフラッグシップモデルのGeForce 2080 Tiのリファレンスモデルの267mmと比較すると長めな仕上がり。しかし、大口径のTORX FAN 4.0を3基備え、冷却効率と静音性を両立した、サイレントヒートシンクデザインなど、様々な独自機能を有しています。
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また、大型のグラフィックボードで気になるのはカードの重量によるたわみですが、剛性の高い反り曲げ防止ストラップで強化されており、さらに製品の下段スロットに取り付けるサポートブラケットで、さらに剛性を高められます。端子はHDMI 2.1が1つと、DisplayPort(v1.4a)が3つで、合計4画面のマルチモニターに対応。消費電力は340Wで、推奨電源ユニット容量は750W、補助電源コネクタは8pinを3本必要とします。
ブラケット部の専有スロットは2スロットなものの、大型ファンがブラケット部からさらに張り出しています。そのため実質的に3スロットを占有するという点は、グラフィックボード付近に拡張カードを装着しているユーザーは特に注意が必要でしょう。
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本製品のレビューにあたり、あわせてお借りしたマザーボードが、同じくMSI社製の「MEG X570 ACE」。GeForce RTX 3080で対応したPCI Express Gen.4にも対応した製品で、強力な電源回路に加え、静音性と耐久性に優れたチップセットファンなどを搭載したモデルです。Gen.4は後方互換性を有しているため、Gen.3などの対応製品も動作しますが、今後普及してくるであろうGen.4対応SSDなどの導入を考える際には、良い選択肢となるでしょう。
※Gen.4とGen.3を比較すると帯域が2倍になる。現時点でゲームプレイ目的と考えるとやや先取りしすぎたスペックではあるが、今後の各パーツの普及や対応を考えると今乗り換えるという判断も決して時期尚早ではない。
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今回のレビューで用いる環境は以下のスペックで、ケースには収納しない状態でテストを実施しました。
- CPU: AMD Ryzen 9 3900XT
- RAM: G.SKILL F4-3200C16D-32GIS
- M/B: MSI MEG X570 ACE
- GPU: MSI GeForce RTX 3080 GAMING X TRIO 10G
- SSD: CFD CSSD-M2M1TEG1VNE
- PSU: CoolerMaster V850 ※GeForceのドライバは、NVIDIAよりレビュー用に提供された456.16 DCHを使用
ゲームの動作状況とベンチマークやいかに……?
GeForce RTX 3080を各種タイトルで実際にプレイしてレビューするだけでなく、今回は3DMarkを用いて、GeForce 2080 SUPERとの比較を、同環境で行いました。
『DEATH STRANDING』
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最高設定、DLSSオンで、描画負荷が低いところから高いところまでを満遍なくプレイしてみたところ、悪くても85~90fpsが安定して出ており、概ね100FPS前後とグラフィックとFPSのバランスが高く保たれている印象。場面によって大きくFPSが落ち込むといったこともなく、このタイミングで最適化されているのか……?といった不安もすぐに解消されました。本作ならではの美麗なグラフィックを楽しみつつ、快適にプレイすることができます。
『Minecraft for RTX』
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デフォルト設定、DLSSオンの設定で一通りプレイしてみた上で、ピックアップしたのはNeon District RTX。スクリーンショットのタイミングで148FPS出ていますが、屋内などでもほぼ120FPS以上は出ていると言っても過言ではありません。一方、DLSSをオフにすると100FPSまで落ち、DLSSオン+Ray Tracing Render Distanceを24チャンクにすると、一気に43FPSと、プレイするにも厳しい状況に。表示チャンク数はある程度に留めた上で、DLSSはオンの方が良さそうです。
『VALORANT』
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射撃場外の空中ターゲットを見た状態だと520FPS、Botを出現させていないスタート直後の射撃場で640FPSを叩き出し、その恩恵にあずかるモニタが地球上に存在しないレベルの数値を叩き出しています。射撃場でBotを出現させても360FPSと、通常のプレイ時には常時高FPSでプレイできることは間違いありません。また、NVIDIAによると遅延を軽減するNVIDIA Reflexが本作で対応しており、従来製品よりさらに軽快なプレイが楽しめそうです。
「3DMark」
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GeForce RTX 3080とGeForce 2080 SUPERを比較。3DMarkはTime Spyを使用し、温度やファンスピードなどはMSI Afterburnerで計測しました。
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3DMarkのスコアは、3080が16,523、2080 SUPERが11,820と、約1.5倍の性能を発揮。後述しますが、FPS値や動作画面を見ていても、本当にその程度の違いしかないの?と思ってしまう程度の違いを有しています。
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FPS値は、Test1で3080が120FPS、2080 SUPERが75FPSと、圧倒的な差を記録。同様にTest2も3080が104FPS、2080 SUPERが69FPSと、1.5倍以上のFPS値を出しています。実際に画面を見ていても、2080 SUPERではかなりカクついていたものの、3080ではほぼスムーズに動作しており、FPS値では読み取れない部分も大きな差がありました。
また、温度は3080が75度、2080 SUPERが65度と性能なりの温度差はありますが、3080の方はテスト中にゆったりと温度があがるも、75度張り付きまでには至らず。ファンスピードは製品の違いもありますが、3080は1,250rpmで回っており、予想以上の静かさです。クロックは3080のスペックシート上は1,815MHzですが、実測で2,040MHzと、かなり上目に出ていました。
その他に気になった点としては、2080 SUPERでは動作中に気になる程度の鳴きが発生することもありますが、3080では鳴きもなく、ファンの回る音が聞こえるのみと、製品としての仕上がりはかなり良いといっても過言ではないでしょう。
大きいが静か、性能も高いGeForce RTX 3080
意外だった点としては、今回ケースなしの状態でのテストを実施したものの、予想より遥かに作動音が小さかったということ。推奨電源容量もTDPも高いことから、それなりの騒音というより爆音を覚悟していましたが、予想に反してかなり静音性が高いように感じました。一方、ケースに組み込んだ際には多少のエアフローを考慮する必要はありそうですが、通常のゲーミングPCと同様の考え方で問題なく組むことができそうです。
正直なところ、そのサイズや推奨電源容量などのカタログ値を見て、気になるポイントもいくつかありましたが、実際に起動しゲームをプレイしてみるとそうした不安も払拭されました。PCゲームの“次世代”を感じたい方は間違いなく買いでしょう。
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