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スターウォーズのシューティングゲームと言えば2017年に発売されたPS4用ソフト『バトルフロント2』がファンの方々にとっては記憶に新しいはず。約3年を経て発売された本作は、スターファイターでの戦闘に絞ってそのゲーム性を突き詰めた作品となっています。
本記事では、実際にプレイした『スコードロン』の特徴を紹介。過去の「スターウォーズ」ゲーム作品と少し異なるアプローチを見せている本作の魅力と、おススメしたいポイントを述べていきます。
「ジェダイの帰還」のその後を描く 新共和国と帝国の戦い
『スターウォーズ:スコードロン』は映画「ジェダイの帰還」から「フォースの覚醒」までの間を舞台にした物語です。ストーリーモードでは、映画では語られなかった新共和国と帝国の戦いをそれぞれの軍のパイロットの視点を通して見ていくことになります。
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「新共和国が帝国の残党を滅ぼすべく、超兵器の開発を進める」というちょっと驚きのストーリーも見どころですが、注目すべきは登場する機体。「ジェダイの帰還」直後の舞台なので、「Xウィング」や「TIEファイター」といった旧シリーズで活躍した戦闘機たちが中心となっています。
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また、「Uウイング」や「タイ/rpリーパー」といった戦闘機も登場。これらは映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」で登場した機体です。旧シリーズファンだけでなく、ディズニー傘下に入って以降のシリーズとそのファンを大切にしたチョイスとなっています。ちなみにこの手の作品で、反乱軍側の戦闘機「Bウイング」はなぜかいつも仲間外れ。今後のアップデートでの登板を個人的には非常に楽しみにしています。
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機体は両陣営4種類ずつあり、役割もそれぞれ異なっています。万能型の「ファイター」、鈍足だが防御と攻撃力に優れた「ボマー」、低耐久ながら抜群の機動力をほこる「インターセプター」、味方への補給や修理などのサポート能力を備えた「サポート」。状況を見て使い分けることが必要です。ストーリーモードでは、チュートリアルを兼ねて全てを一通り使用することになるので、自分に合った機体を見極め、それぞれの立ち回り方を覚えておくと今後の戦いが楽になります。
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コクピットからの景色はリアリティ満点ですが、特筆すべきは手元の機器の作り込み。速度調整の機器に、敵の位置を把握できるモニター、機体の耐久力を表示した画面などちゃんとそれぞれがゲーム内でも実用的な機能を持っています。ルーク達もこれらの機器を駆使して戦ったのだろうと思うと、感慨深いものがありますね。コクピットの臨場感、没入度は過去に類を見ないレベルになっていると言えるでしょう。
多様な機能が加わった戦闘システム
『スコードロン』が過去のスターウォーズ作品と大きく異なるポイントは主に2つ。そのうちの一つがシステム面です。過去作と比べてスターファイターの操作が複雑かつ多様性に富んだものになっています。
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基本的な操作は、右スティックで方向転換、左スティックを左右に倒して旋回、前後に倒すと速度調整する、などこれまでのシリーズ作品のものとほぼ同様。そのほかに、エネルギーを「エンジン」、「ブラスター」、「シールド」のいずれかに振り分ける機能が搭載されています。
例えば、エンジンにエネルギーを振り分けて敵に急速接近し、ブラスターに振り分けて集中砲火、その後再度エンジンに切り替えて一気に離脱するなどといった戦い方が可能に。他にも補給船から物資を補給したり、シールドを前方や後方に集中させるなどのシステムも実装されています。
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周囲に注意を払いながら、敵をしっかり狙いつつ、適宜システムを切り替えて戦う。いくつもの動作を同時並行して行う必要があり、本当に戦闘機のパイロットになった気分になれること請け合いです。一方で、他のプレイヤーたちも各種機能を駆使してくるため、戦場で生き残るには臨機応変な戦い方を身に着ける必要があります。
そしてなんといっても本作の醍醐味は、操縦機能「計器のみ」の設定によるプレイングです。
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初期設定ではコクピットの画面上に、目標の位置、ターゲットまでの距離、攻撃受けているときの敵の方向などが映るようになっています。しかし、「計器のみ」の設定に変更した場合、これらの画面上の情報は全て解除され、わずかな情報のみで戦いに挑むことになります。
ターゲットの位置は手元左側のモニタをもとに把握せねばならず、攻撃してくる敵の位置などは自分の感覚で判断することも必要になってきます。現実の戦闘機の搭乗感に近づけた設定のようです。
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ミサイルの接近時だけは、アラートが出るようになっています。
正面を見て実際の状況を把握し、手元のモニタで細かい情報を得る。視線を細かく配りながらのプレイは通常時以上に複雑でかなりの動体視力と瞬発力、そしてマルチタスクのセンスが要求されます。特に初めのころは、敵の位置を把握するのにすら苦労することでしょう。
全体的に難易度が跳ね上がるため、初心者にはおススメできません。しかし、計器のみを駆使して敵の撃墜に成功したときの達成感はかなりのもの。映画の中のパイロットたちにより近づいた気持ちになれます。
この設定でプレイしなければならない、という局面は存在しないため、無理して使用する必要はありません。先述の通り難易度が非常に高くなり、人によってはプレイのモチベーションにかかわる可能性もあります。むしろ、パイロットになりきるロールプレイの一環として気軽に試してみるくらいがちょうどよいでしょう。
しかし、もし「計器のみ」の設定でオンラインのトップランカーになれたら、かっこいいですよね。腕に自信のある人、フォースの加護を身に着けている自負がある人は挑戦してみてはいかがでしょうか。
充実のカスタマイズ要素で自分だけのスターファイターを
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本作のもう一つのポイントは「カスタマイズ要素の豊富さ」です。戦闘機の武装を変更することはもちろんですが、機体の外装の塗り替えや、コクピット内の飾り付けを行うことも可能。ルークの木彫りの人形や、イウォークのぬいぐるみなどを飾ることができるようになっており、「自分だけのスターファイター」を演出することができます。
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これらのカスタマイズには「グローリー」とよばれるポイントを消費する必要があります。「グローリー」はレベルアップや、ミッションの達成により獲得することが可能。デイリーミッションなどのソーシャルゲーム的な要素もあり、日々ノルマをこなしてポイントを入手し、自分だけのファイターを作り上げましょう。
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飾り付けのデザインは、「旧三部作」、「新三部作」、「続三部作」のそれぞれの要素が詰め込まれているため、どの世代のファンも楽しめるものに。「最後のジェダイ」の「ポーグ」の木彫りの置物などは、好きな人にはうれしい要素でしょう。ちなみに筆者は「ファントムメナス」の「ナブー・スターファイター」の模型が欲しくて頑張っているところです。ポイント1200なので、先は非常に長い。
VRによってより高まる臨場感
本作はVRにも対応。ここまでのカスタマイズ要素やコクピット内の作り込みはおそらくこのVRのためにあると言っても過言ではないでしょう。
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手元のコクピット機器の作り込みは言うまでもありませんが、後ろに乗っているアストロメクドロイドなども確認でき、本当にスターファイターに搭乗している気分に。現在VR対応のスターウォーズ作品は、本作以外にないため、PSVR等の機器を所持している人ならば一度はプレイして見ることをおススメします。
『バトルフロント2』と『スコードロン』を比較
ではここで、過去作である『バトルフロント2』との違いをまとめます。両者は全く異なる作品ではあるのですが、PVなどの情報を見ている限り、似ている面が多いのも事実。ここで改めて違いを比較し、『スコードロン』が新作としてどのような作りになっているかを見ていきたいと思います。
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まず一つはコクピットからの視界の広さ。『バトルフロント2』は視点の切り替えが可能であり、広い視野のある三人称視点と、コクピットからしっかり狙える一人称視点を切り替える仕様になっています。一方で、『スコードロン』は一人称視点のみ。その代わりコクピットから非常に広い範囲を見ることができるため、実際に搭乗している没入感と快適なプレイ感が両立されています。
次に戦闘のスピード感の比較。個人的な感想ではありますが、『バトルフロント2』の方が全体的にスピーディ。『スコードロン』は、機体の動きや戦況の展開がゆったりしている印象です。しかし、後者はプレイヤーが処理しなければならない情報量が圧倒的に多いため、集中しているプレイしているときの体感スピードは適正、むしろ早いくらいに感じました。めまぐるしさや臨場感は『バトルフロント2』以上のものとなっています。
そして戦闘機の耐久度にも違いが。特に衝突に対する耐久力が全く異なります。『バトルフロント2』はほかの船や障害物にぶつかると一発で機体が破壊されて「死亡」扱いになります。しかし「スコードロン」は数回の衝突には耐えられるようになっており、多少荒っぽく危険な操作をしても、十分対応できるようになっています。
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総括すると、『バトルフロント2』は手軽にスピーディに遊ぶことができ、『スコードロン』はじっくり遊べる作りになっているという感想です。そもそも前者は地上戦のシューティングの方が主体です。後者はスターファイターによるシューティングを主眼にし、より戦略性や長時間のプレイに耐えられる構成になった作品となっていると感じました。
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また、「スターウォーズ」のキャラゲーという視点では、『バトルフロント2』はスターウォーズ世界のほぼ全ての世代を網羅しているため、ジェダイのスターファイター、ミレニアムファルコンやダースベイダーのTIEファイターなど様々なタイプの乗り物を扱うことができます。一方で『スコードロン』は機体が限定されている反面、カスタマイズ性が豊富でスターウォーズ世界の一人のパイロットとしてロールプレイするには最適な環境が整えられています。
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昨年発売した『Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー』も、カスタマイズ要素が豊富で、「自分だけのライトセーバー」を持っている感覚が味わえる作品となっていました。昨今の「スターウォーズ」ゲーム作品は、ゲームとして楽しめるだけでなく、その世界に入り込んでいるような体験を提供することに注力しているのかもしれません。
しっかりとしたプレイ感がある本作は、これまでのスターファイターを舞台にしたゲームの集大成とも言える作品になっています。過去作をプレイし続けてきた「スターウォーズ」ファンはぜひプレイして、細かくも間違いない進化の姿を体験してみてください。
また、ロールプレイの観点からも非常によくできていることは間違いありません。少年の頃、デススターを破壊したルーク・スカイウォーカーに憧れていたすべての人に、一度はプレイしていただきたい作品となっています。