人気アクションゲーム『シャンティ』シリーズの最新作、『シャンティと7人のセイレーン』のPlayStation 4/ニンテンドースイッチ版が10月29日に発売されました。
これを記念し、なんと音楽ユニットEvery Little Thing(ELT)のギタリスト「いっくん」こと伊藤一朗さんが本作を生配信でプレイ。配信にはバーチャルアイドルユニット「まりなす(仮)」も助っ人として登場し、なんと伊藤さんにとっては初生配信&初ゲーム実況&初VTuberコラボと初めて尽くしの取り組みです。
そんなある意味で不安いっぱいなチャレンジと、ちょっと懐かしさ漂うレトロインスパイア系アクションゲームのハーモニーはいかに!?配信を終えたばかりの伊藤さんを直撃し、ゲームの感想やあまり知られていないゲーマーとしての一面に迫りました。
緊張の初ゲーム配信
──2時間に渡る初めての配信が終わったばかりですが、まずご感想はいかがですか。
伊藤一朗さん(以下、伊藤)初めてのことなので、本当に緊張しましたね。どれくらい緊張したかと言うと、実は目の前に大きなデジタル時計を用意してくださっていたのですが、それを一回も見られないという(笑)。
でも楽しかったですね。見に来てくださった方にも僕のプレイの、そのポンコツぶりを面白おかしく堪能していただけたんじゃないかなと思います。
──“ライブで何かに出演する”というのは何度も経験されたことがあると思いますが、YouTubeでの生配信は他の媒体とは違いましたか?
伊藤YouTubeは配信している方のカラーとか個性が出やすい場所だと思います。音楽の生放送番組に出るのとは全く違う時間の流れ方があるんだなぁ……と感じましたね。それとコメントもねぇ……。要所要所でコメントを拾う配信者さんはスゴイですよね。僕はパッとしか見られなかったんですが、温かいコメントばかりで「あっ、たくさん応援してくれているな」と本当に励まされましたね。
──初めて尽くしで余裕がない面もあったのかなと思いますが……。
伊藤そういうね、あたふたしている様子も楽しんでいただけたらなと(笑)。
ゲーマー「いっくん」のツボはハードウェアとストレス解消ゲー!?
──ゲーム実況は初めてとのことですが、これまでのゲーム遍歴はどのようなものでしたか?
伊藤“家にゲーム機が初めてやってきた”という昭和時代を体感している人間ですので、もちろん遊んできましたよ。最近のソフトウェアには詳しくないんですが、ゲーム機を弄ったりするのは今も好きですね。子どもが携帯型のゲーム機に夢中になっていますので、そのコントローラーを修理したりもしています。
──具体的に好きなゲームタイトルやジャンルはあったりするんでしょうか?
伊藤定番のRPGやアクションも遊んできましたが、特に好きなのは、ストレス発散になるので敵をドンドンと薙ぎ倒していくゲームですね。
──ストレス発散といえば、今回プレイした『シャンティ』も軽快なアクションゲームですので好みにフィットしていたのでは?
伊藤外見からもっと可愛らしいゲームかなと想像していたんですが、プレイしてみると歯ごたえのあるゲームでしたね(笑)。
──これまで触れてきたハードウェアについても是非教えてください。
伊藤家庭用ゲーム機もそうなんですが、喫茶店にあったテーブル型の筐体が思い出にありますね。僕が高校生の頃だから1980年代ですかねぇ。チャーハンを食べながらテニスゲームやインベーダーゲームをやっていましたし、それが家庭に持ち込めるようになったことは相当革新的でしたよね。
──マニアックな思い出ですね(笑)。
伊藤一番使い倒したのはPlayStation 2ですかね。壊しては買い直してを繰り返し……、4台くらい買ったと思います。あの頃はカセットからCDになって「読み込みが速いなぁ」と感動していたんですが、今やゲームハードでBlu-rayも観られるなんて良い時代ですよね。
それこそ昔は娯楽が少なかったので、メジャーなゲームソフトが発売されると皆こぞって遊んでいましたね。音楽で言えば「あのアーティストのニューアルバムが出るぞ!」となれば、もう全員で聴くようなイメージですよ。バンドをやっていたのでお金はそちらに使っていたんですけど、3歳年上の姉が持っていたソフトを、それこそ寝ないで遊んでいましたよ。
──本作『シャンティ』は、その時代の日本的エッセンスがふんだんに盛り込まれたタイトルとも言えますが、それは感じられましたか?
伊藤その印象は受けましたね。さらに言えば、子どもが詰まると「お父さんやって!」と持ってくる『星のカービィ』を思い起こすこともありました。最近のゲームは、もうエンターテインメントとして完成されていますよね。音楽も素晴らしく映像もキレイで、ストーリーもしっかりしている。昔はムービーを見ながら「将来こんなキャラをゲーム内で動かせるようになるんだろうな」と思ったりもしましたが、本当にそうなっていますよねぇ。
ライトなゲームに見えて、かなり歯ごたえのある『シャンティ』
──今回の生配信でのプレイを振り返って、改めて『シャンティ』というタイトルをどう捉えられましたか?
伊藤最初のボス「スイレンセイレーン」が強くて……、体力ゲージが出ないことに焦りましたね。回復アイテムをもっと拾っておけば良かったなと思いました。僕は全然ダメだったんですが、まりなす(仮)の奏天まひろちゃんが見事にフィニッシュしてくれましたね。
──『シャンティ』は海外のデベロッパーが手掛ける作品ではありますが、日本のサブカルチャーへのリスペクトに溢れているのが特徴とも言えます。
伊藤キャラクターは可愛いですし、一見ライトなゲームに見えるんですが実際遊んでみると歯ごたえもあって、その辺のバランスが流石ですよね。先述の通り、僕がゲームに求めるのは“ストレス発散”なんですが、そういう意味ではマップを見ずにガンガン突き進んでも成立しますし、とっつきやすいなと。
──また、ミュージシャンとしてのご意見を是非お伺いしたいのですが、ゲームをプレイしながらでもBGMは気になりますか?
伊藤昔は「それらしい音が鳴っていれば良い」という程度だった時代もあると思いますが、今ではゲームのサウンドトラックが独立して聴けるようになっていますよね。これはスゴイことだと思いますし、映画などと変わらないエンターテイメントになっていますね。
──そんななかで『シャンティ』は昔ながらのアニメロック調を取り入れています。
伊藤本当に独特ですよね。アニメや特撮作品のテーマには特有の感性がありますが、それは一般的な海外の人々にはあまり浮かばないものなんじゃないかなぁ……。
──その他にゲームシステムで気になった点はございますか?
伊藤途中から主人公のシャンティが変身できるようになって、行けるところが増えたのですが、そのパターンをもっと見たかったですね。アニメーションムービーで流れましたが、物語のきっかけとなった出来事が今後どう解決されるのかも気になります。
──日本のアニメ・マンガの影響が特に強いキャラクターデザインについてはいかがでしょうか?最近では、同作のような“萌え”デザインも広く受け入れられつつありますよね。
伊藤音楽で言えば、街中でヘビメタっぽい服装をしていても受け入れられているような感じなのかなと。本当はもっとアンダーグラウンドであるはずのものが、表に出ても「マニアックなものが好きなんだ」という個性として受け入れられるのは、良い傾向なんじゃないかなと思いますね。
僕は昔、ハードロックが好きだったので髪の毛が長かったんですよ。当時は「うわなんだ、スゲーのが来た」という目で見られがちだったのですが、今は「バンドとかしているのかな?」という程度じゃないですか。オタク文化もそういうものだと認知され始めていて、それに対してリスペクトをもって魅力ある作品を作り出すのも素晴らしいなと思います。
──そういう意味では今回お取り組みいただいた“ゲーム実況”。かつては「大人が積極的に遊ぶものじゃない」という感覚がゲームにもありましたが、お茶の間でも馴染み深い芸能人によるゲーム実況も今では当たり前になってきていますね。
伊藤20年前だと、スーツを着たサラリーマンが少年向け漫画雑誌を読んでいるのは恥ずかしいな、みたいな感覚があったと思うんです。それが自然な形で「大人なりの楽しみ方」「子どもなりの楽しみ方」と世代を超えて理解される時代になっていますよね。
──それでは最後に、『シャンティ』の魅力を振り返って読者の皆さんにメッセージをお願いします。
伊藤「ジワジワとメジャーになっていたタイトル」とは訊いていましたが、ミュージシャンなら「今はこの曲を出すのは違うな」と感じたものは温存できますけど、ゲームはもっと長期的なプランを必要とするからそうはいきませんよね。色んなものを考慮しながら作られているんだなと。
今回は全く予備知識なしでスタートしたのですが、昭和のオヤジからすると懐かしさもありましたね。横スクロールというのもオツですよね。このテイストが海外の方のフィルタを通してどのように楽しまれているのか想像し、ほくそ笑みながらプレイしました(笑)。そういう背景が好きで掘り下げられる人には興味深い要素だと思いますし、良い意味で「既視感がある」ようなホッとする要素とワクワクする要素が同居しています。市民権を得ている理由が実感できましたね。
今回インタビューに応えてくれたELTのギタリスト・伊藤一朗さんがプレイした『シャンティと7人のセイレーン』は、オーイズミ・アミュージオよりPlayStation 4/ニンテンドースイッチ版が好評発売中です!
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