最新ゲームが集うSteamゲームフェスティバルが開催中!本イベントでは今後発売予定となっている多数の新作ゲームの体験版が、期間限定で日本時間の2月10日午前3時まで公開されています。
今回お届けするのは、Movie Games Lunariumより2021年2月26日リリース予定の『Lust from Beyond』のデモ版です。本作は2019年にKickstarterを行い10時間で目標金額に到達し、その後も順調にストレッチゴールを全て達成。ストレッチゴールの1つであるインタラクティブなセックスシーンの追加も決定し、胸を撫でおろした支援者も多かったことでしょう。
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また、長期の開発と延期により欲望がパンク寸前のプレイヤーへ向けて、『Lust from Beyond: Prologue』と『Lust from Beyond: Scarlet』の2つの異なるデモも配信。製品版では古物商であるVictor Hollowayの物語が語られますが、体験版では2人の異なる主人公の物語が楽しめます。いわゆるミニ・サイドストーリーといったところでしょうか。
既に多くのプレイヤーが体験していることかと思われるデモ版ですが、今回は最初に配信された『Lust from Beyond:Prologue』を発売目前だからこそ!そしてSteamゲームフェスのこの機会に、改めて紹介していきます。
『Lust from Beyond:Prologue』とは?
『Lust from Beyond』は、H・P・ラヴクラフトやH・R・ギーガー、ズジスワフ・ベクシンスキーの作品にインスパイアされた一人称視点のエロティック・オカルトホラーADVです。序章にあたる『Lust from Beyond:Prologue』では、プレイヤーはChristopher(以下クリストファー)となってプレイしていきます。
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本作は、グロテスクな描写と性的描写も多用されており、成人向けの作品となっています。
プレイ開始前に無修正版か修正版を選択できますが、修正版は基本的に局部のみにモザイクをかける仕様になっているため、セックス描写などがカットされている訳ではありません。プロローグ版が公開されたのは2019年後半で、パズルや探索部分にフォーカスされた体験版のため探索をメインに世界を散歩する感覚で楽しめます。それに対して体験版第2弾の『Scarlet』は、アクションにもフォーカスされているとのことです。
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操作方法はシンプルで、調べられる箇所は視点のポインターが手のアイコンに変わります。そのままマウスのボタンを押す又は押し続けると、「取る」「握る」動作ができ、イベントによっては連打が必要な場面もあります。
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それでは、エクスタシーと苦痛が隣り合わせの世界「Lusst’ghaa」に引き寄せられる人々の物語に飛び込んでいきましょう。
基本的にはホラーADVゲーム
ゲームをスタートすると、有機物と無機物が融合した奇妙な場所で目を覚まします。プレイヤーは裸で横になっており、股間に吸い付く様に取り付けられた奇妙な吸引機があるせいで動けません。
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その装置に視点を移すとポインターが手のアイコンに変化。クリックすると、マウスを連打するように促すアイコンに変わります。小気味良く連打し取り外すと、施術台の様な設備から解放されて探索開始です。
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周りを見回すと、奇妙な人型の像が2体とその間には意味ありげな台座、そして何故か巨大なツボミの様な物体が目に入ります。先ずは近くのツボミの様な物体を調べることに。近づくとポインターが手のアイコンになり、クリックすると掴むアイコンに変わります。
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そのままボタンを押した状態でマウスを動かすと……パカッと開きました。中を覗くと黒く大きなクルミの様な物体を発見。手に取ると調査モードになり、右下にできるアクションが表示されます。
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とりあえずその物体を手に入れ、次は台座を調べます。どうやら察しが良かった様で、明らかに先程手に入れた物体が置けそうです。
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近づくと調べることができ、所持アイテムが表示されました。先ほど入手した物体を台座に置くと、奥の壁がスッと消え奥へ続く通路が現れます。
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奥へ奥へと進んで行くと、いかにも怪しげな真っ直ぐ続く通路が目の前に。通路の照明がゆっくり点滅し、絶対に何かが出る雰囲気を出しています。
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それでもその先に何かいい事が待っているかも!という欲望が勝り、奥へ進んでいきます。すると、奥から人影がこちらに迫ってくるではありませんか。
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アッという間に奇妙な何かに襲われ、寝室のデスクで目が覚めます。夢だったのかと思いきや、手の平には襲われた時の引っ掻き傷が……。
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悪夢から覚めた主人公が何故この屋敷に来たのか初めは分かりませんが、屋敷内を探索しカルト集団の一員達と話をしていくことで、主人公の立場がおぼろげながら解明されていきます。
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クリストファーの素質に目をつけたカルト集団は、恍惚と苦痛の世界「Lusst’ghaa」の架橋となる「Seeing」の適合者として、彼をカルト集団の集会に引き入れたのでした。
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パズルと探索
プロローグ版で楽しめるパズル要素は多くはなく、渡される絵の通りに組み合わせるといった内容なので、解くのが難しくて進めない!ということはありません。
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またこの体験版では、探索要素は世界を見て周ることに焦点が当てられており、敵は登場するもののあくまでイベントの1つに過ぎないため、戦闘はお預け。その分、じっくり世界観と雰囲気を見て楽しむのに最適です。ただし、中盤辺りから突然出てくる怪物にはビックリさせられるので要注意です!
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一部のイベントでは、体力が減ったり精神的ダメージを負って、といったアクション部分に通ずる要素を垣間見られます。精神的苦痛を受けると動揺し、極度に精神ダメージを受けると真っ直ぐ歩くことすら不可能に。そんな時は探索時に手に入れた精神安定剤やファーストエイドキットを使用すれば、精神的ダメージと体力を回復できます。
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精神的ダメージが溜まると視点が広がったり縮んだりと常に動くので、3D酔いしやすいプレイヤーはご注意!
エクスタシーと苦痛の狭間で
ゲームの中盤に差し掛かると、遂に本作のエロティシズムが発揮されます。アダルト行為が行われている場面に遭遇すると、たとえモザイク修正されているゲーム内であっても精神的な高揚と得体のしれぬ感情が現れるのは本作ならでは、といったところでしょうか。
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少しだけですが、快楽の場面をご覧いただけたかと思います。さすがにこれより先は、実際にプレイして確かめて頂くほかありません……。
ここまで紹介してきた『Lust from Beyond』、いかがでしたでしょうか。今回修正版をプレイして気づいたことは「芸術としてエロティシズム」と「欲望から生まれるエロティシズム」の境界線とはどこからなのか....…という点です。というのも、ゲーム内に登場する男女の裸が描かれた絵画はほぼ全てモザイクが掛かっていますが、唯一そうでない絵画もあります。
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それはゲーム内で見ることができる、画家ヒエロニムス・ボスの作品『快楽の園』です。この絵画にも男性や女性の裸が描かれていますが、モザイクかけられていません。本作を体験し、ゲームを超えてエロティシズムに対する芸術とは何かを少し考えさせられました。
このプロローグ版は、本編とは違ったサイドストーリーが楽しめるデモ版となっており、2019年後半に配信された内容のため製品版とは大きく異なる点もあるかと思います。それでも発売目前に迫った『Lust from Beyond』の予習にピッタリ。興味のあるプレイヤーは是非体験してください。
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対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日: 2021年2月26日
記事執筆時の著者プレイ時間:1時間
価格:未定