Steamにて、2月4日から2月10日午前3時(日本時間)までの期間中「Steamゲームフェスティバル」が開催中です。近日発売予定のさまざまなジャンルのゲームが集まり、体験版配信やライブストリーミング、開発者のライブチャットなどの催しが行われます。
しかし、30種類を超えるゲームの体験版が一部期間限定で配信されるこのイベント。すべてのゲームをプレイしている余裕はないのではないでしょうか。そこでGame*Sparkでは、今回のイベントで登場した体験版から気になる作品をピックアップして紹介しています。
今回は、ワイン造りを体験できる『Hundred Days - Winemaking Simulator』体験版のプレイレポートをお届け。ぶどうの種類を選んだ栽培から収穫はもちろん、発酵段階まで詳細に設定しながら「自分だけのオリジナルワイン」を造り出せる本作の魅力を紹介していきます。
なお、本作の体験版は昨年3月の「Steamゲームフェスティバル」でも配信されていますが、今回は新たなバージョンが用意されているようです。
『Hundred Days - Winemaking Simulator』とは
イタリアのインディーデベロッパーBroken Arms Gamesが制作しているワイン制作シミュレーター。プレイヤーは、小さなワイナリーの醸造家兼経営者として、ブドウの栽培からマーケティングまで行いながら会社を発展させていくのが目的です。
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同社の共同開発者のひとりYves Hohler氏は、ゲーム開発者とワイン醸造家を兼業しているユニークな経歴の持ち主。実家がイタリアでワイナリーを経営しており、自身も醸造学の専門学校を卒業してワイン造りの専門家としても活動しています。
本作は、そのHohler氏が実際に行っているワイン造りの体験を基にしている詳細なデータ管理が特徴。経営ゲームとして難しくなりすぎないようにカジュアルな要素を取り入れながら、ワイン造りに関する細かい設定や自然との戦いを楽しめる作品です。
ちなみに、本作のタイトルになっている「Hundred Days」は、一般的なブドウの開花から収穫時期まで100日間ほどかかることに由来しています。
小さなワイナリーから物語は始まる!
本作の主人公は、イタリアの小さなワイナリーへと到着したばかりの若き女性ワイン醸造家。経験がなくほとんど素人同然ですが、どうやら海外で出会った「Old Man」の紹介で、このワイナリーでの仕事を始めることになったようです。
ワイナリーには「Old Man」からの醸造メモを管理している女性「アンナ」と、10年以上ワイナリーでの経験を持つ「テオ」がおり、主人公をサポートしてくれます。まずはテオの指示に従いながらワイン造りを行うチュートリアルの開始です。
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体験版では細かなストーリーに関してはほとんど語られていません。アンナが時期を見て「Old Man」からの手紙を主人公に渡すと言っているため、ストーリーに関しての詳細は少しずつ明かされていくのかもしれません。
ワイン造りの第一歩はブドウ栽培から!
いよいよ始まったワイン造りへの道ですが、季節は2021年の春。まだブドウの果実は実っていません。そのため、最初に行う作業はブドウの品質を上げるための「枝透かし」と「草取り」です。本作では、ワイン造りに関するすべての作業がカードとして手元に配布されます。
作業カードにはそれぞれ「パネルの形」「作業ターン数」「必要な天気」「作業コスト」が記されています。プレイヤーは作業カードを適切にワイナリーの持つ「作業パネル」に当てはめル必要があります。なお、パネルは回転させることが可能です。配置後はターンを進めて作業終了を待ちましょう。
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2つの作業が終わった頃、ちょうどワインの果実が収穫時期を迎えますが、運が悪いことに収穫開始日には雨が降り始めてしまいます。「収穫」カードは雨の日に配置できないため、作業は翌週を待つことに。本作では、天気や気候など自然との戦いが非常に重要です。
さて、無事にブドウの収穫を終えた頃には冬を迎えます。ここからが本格的なワイン造りのスタートです。
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オリジナルワインを造り出そう!
ここで簡単にワイン造りの工程を簡単に紹介しておきます。収穫したブドウはまず「破砕」して果汁を出し、酵母を入れることで「発酵」します。発酵が終わったブドウを「圧搾」して液体のみを絞り出すことでワインが完成します。
しかし、出来たてワインは酸味が強すぎたり個性が弱かったりする場合も。そのため「マロラクティック発酵」や「樽熟成」などの工程を経て味わいを調整することもあります。その後、完成したワインを「ボトリング」して家庭で楽しまれる製品が完成します(実際はワイナリーごとにさまざまな工夫がくわえられることも)。
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なぜここでワイン造りを紹介したのか。それは「」で括っている部分をすべてプレイヤーが行う必要があるからです。
本作では「破砕」以外の工程で、プレイヤー自身が細かな調整を行いワインの方向性を定めなければなりません。例えば発酵であれば「どの酵母を使い」「どれだけ発酵させるか」を決める必要があります。一般的に発酵とは「糖分を分解してアルコール(と炭酸ガス)を生み出す」作業なので、発酵期間を長引かせると甘くないワインが完成するといった形式です。
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その後も各作業で細かな設定を行い必要があります。本作にはなにかと専門用語が多いですが、基本的にはワインの味わいの方向性がグラフでわかりやすく表示されています。そのため、設定項目を選びながら「甘くないほうが良いかな」「タンニンを強くしよう」など決めるくらいの気軽さでも問題ありません。
最後に完成したワインをボトリングしてワインが完成。ボトルデザインは瓶の形式やキャップ(コルクやスクリューキャップ)のほか、ラベルなどさまざま設定可能です。
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完成ワインの出来栄えは?ワイナリー経営は続く……。
長い工程を経ていよいよ完成した最初のワイン。完成後は「ワインテイスティング」でその品質が評価されます。これまでのブドウ栽培や醸造工程のほか、その年の気候など"神様の気まぐれ"すべての結果が出る緊張の瞬間です。
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今後はボディをもう少ししっかりさせたい。
完成したワインには、ターンごとに業者や酒屋からワイン仕入れ依頼が届くようになります。基本的に買付業者はこちらの設定よりも安く仕入れようとするため、依頼を受けるかどうかはプレイヤー次第です。また、一定の条件を満たしたワインの場合「スペシャルオーダー」としてまとめて売ることも可能。条件はランダムなので狙いづらいですが、運が良ければ一気に資金を得るチャンスです。
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稼いだ資金は翌年のワイン製造はもちろん、テクノロジー開発や土地購入にも使用。テクノロジーでは、新たなぶどう品種の導入やマーケティング拡大などさまざまなアップグレード要素が用意されています。最終的にはオリジナル酵母開発も可能で、より一層個性豊かなワイン造りが可能となるようです。
なお、ワイン造りの最中にもブドウ栽培に関するさまざまなメンテナンスを行っています。良いブドウ栽培は極上のワイン醸造に繋がる大切な工程。すべての作業は繋がっているのです。
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ここまで紹介してきた『Hundred Days - Winemaking Simulator』。複雑で奥が深いワイン醸造の世界を、カジュアルな操作でわかりやすく遊べるように作られています。設定項目やデータ類が非常に細かく、学べば学ぶほど”完璧な一本”を造り出すための工程を工夫する楽しみも生まれそうです。
ワイン造りに必要な作業工程を、パネルにはめていくという要素はわかりやすく面白いシステム。しかし、シーズンごとに行う工程を覚えていないと配布カードを消化するためのパネルが足りなくなることも。ゲーム内の一年を通して比較的覚えることが多いゲームではあるなという印象です。
なお、体験版は2023年の夏で終了。熟成なしのタイプのワインならギリギリ2回作れますが、長期熟成や他のブドウを使用したワイン造りをするのはほぼ不可能です。「シャルドネ」などおなじみのブドウもアンロック可能なため、いずれは白ワイン醸造なども行えると思います。
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テオは「経験を積めば彼女はやってくれる」と返答して体験版は終了。
本作は2021年5月14日(日本時間)のリリース。日本語を含む多言語対応予定です。体験版は「Steamゲームフェスティバル」開催期間中に公開されています。
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タイトル:Hundred Days - Winemaking Simulator
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売予定日:2021年5月14日(日本時間)
記事執筆時の著者プレイ時間:2時間
価格:未定
※UPDATE(2021/02/7 21:00):誤字を修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございました。