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Redhill Gamesが開発・運営する3v3v3FPSタイトル『Nine to Five』。5v5や6v6といった人数での対戦が一般的FPSタイトルの中、3v3v3という少人数での3チーム制を採用した本作ですが、一体どのような仕上がりとなっているのか。本稿では、そのプレイフィールや特徴などをお届けします。
あまり親切ではないチュートリアル
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まずゲームを起動した直後にはチュートリアルをプレイでき、ゲーム中の操作を一通り知ることができます。ここで「知ることができる」としたところがポイントで、本作はゲームの目標もラウンドごとに変更されるため、チュートリアルには「操作方法がわかる」以上の内容がなく、ゲームルールが変わっていくという現実に即したものではない印象でした。実際、いくつか不親切な点もあり、まさに習うより慣れろが最も近道だと感じました。
ゲームルールは少し複雑
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本作のルールは1ラウンド約5分で、ラウンドごとにゲームの目標が変更されるのが特徴。最終ラウンドの3ラウンド目は、敗北したチームが勝利したチームを食い止めるという設定になっているため、6v3の非対称協力マッチという形式に突如変更されます。筆者も、当初はなぜチームメイト以外のプレイヤーがハイライトされており、攻撃しても倒せないのか理解するのに時間がかかりました。
また、ラウンドごとに勝敗が判定され、最終的に勝利したとされるチームは第3ラウンドを勝利したチームになっています。インゲームで利用できるクレジットなどの計算はマッチごとにされているため、たとえ第3ラウンドで敗北してしまっても、大損するようなことはなさそうです。また、キルについてはダウンを挟む形で、確キルを取ったプレイヤーが1Killとカウントされる仕様。ダウンから回復させてもらった後は、再度ダウンを挟むことなくそのままデスになります。
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プレイヤーのロードアウトはかなり選択肢が多く、アーマーセットによって持ち込めるグレネードや回復アイテム、アーマー性能など異なるようですが、序盤では初期の1セットしか選べないため、あまり気にしなくても良さそうです。基本的に回復薬は3つ、グレネードが1種類2つ利用できると覚えておけば大丈夫です。
マップは複数用意されているようですが、ほとんどのマッチを同じマップで戦うことになってしまっており、実質1マップでプレイしているような印象を受けました。
対戦型FPSらしからぬ動作
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動作は全体的に、一般的なタイトルから比べると遅め。良い言い方をすればリアル寄りではあるものの、リロードはかなり遅く、本当にリロードされているのかを疑ってしまうほど。このタイプのタイトルとしては異例と言っても過言ではないほどで、敵と撃ち合っている最中には「実はリロードがキャンセルされているんじゃ……?」と疑いたくなってしまいます。
足音も聞こえますが、範囲はそこまで広くなく、射撃音や爆発音もかなり小さいため、近くの味方が無音で倒れていくことも稀ではありません。足音の音量と比べてもあまりにバランスが悪く、音を聞いて敵の位置を探るようなタイプのゲームではないと感じました。
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アタッチメントなどの武器MODは解除条件が不明。最初にMicro Red Dotが開放されますが、武器のMODはLoadoutからではなくArms Depotからでしか変更できない点もかなり不便……というよりは、なぜ統合しないのかという気分になります。
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また一定Lvになると、「キャリア」と呼ばれるフリーランスとして所属する組織を選び、時間制限付きのクエストをこなしていく機能も開放されますが、任意のタイミングで変更が可能なため、どれを選んでも問題ありません。ゲームをプレイして経験値を稼ぎレベルを上げると、武器の設計図やクレジットなど、様々なものを入手できます。
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クエストを兼ねた「マイルストーン」は、6種類のジャンルから好みのものを3つ選び、そのジャンルのクエストを1つずつこなしていくというもので、アーマーを破壊したりステージで勝利、アシスト数を一定数稼ぐといったものがあります。
改善しなければならない点は盛りだくさん
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アーリーアクセス中であり、開発がまだまだ進んでいないという点も踏まえたうえで評するのであれば、全体的にユーザーフレンドリーとは程遠い出来になっていると思います。ゲームルールが変更され、他チームと協力プレイをすることになるといった要素は非常に面白く感じますが、それを楽しむには慣れが必要であり、さらに直感的に理解しにくい部分が多数ある点が、本作における最も急を要する改善点だと感じました。
筆者の趣向もあるかもしれませんが、本作は基本的に敵に弾を当てている感覚が薄く、撃っていたら敵がダウンしていた、というようなシーンが非常に多く見られました。前述の通り音をあまり重視していないせいか、なんとなくでプレイせざるを得ない状況が多いように思います。
また、オプション画面で接続先のサーバーの選択とpingを確認することはできますが、インゲームではpingを確認できないという点も含め、早急に一般的なタイトルと同様の最低限レベルまで開発を進める必要があるように思います。
筆者としては、本作はプレイするには時期尚早であり、楽しみたいのであれば1~2年経ってある程度熟すまで待ち、減ったユーザーが再流入するタイミングでのプレイが最も良い選択だと考えます。
『Nine to Five』は、日本時間2月15日午後5時までオープンベータテストを実施中です。