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今回のゲーム系プラモデルレビューは、バンダイナムコエンターテインメントの『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』に登場するオリジナル機体をプラモデル化した、コトブキヤから2020年3月に発売された1/144「ADFX-10F」です。
「ADFX-10F」は、ゲーム中盤で登場する「ADFX-10」にRAWユニットを取り付けた機体で基本的にゲーム終盤に登場する「ADF-11」とデザインが同じです。ゲーム本編での「ADFX-10」は機首のノーズユニットのみが登場し、神秘的な音楽と合わせて鋭い機動と反撃から印象に残る機体です。
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今回キット化された「ADFX-10F」は、全長30mほどの大きさがあるために、1/144という航空機モデルに関して比較的小さいスケールになっても全長約20cmの大きさがあります(昨年制作した1/144「X-02S」は全長約15cm)。「ADFX-10F」がキット化された際に新しく設定が書き起こされ、組み立て説明書の裏面に記載されたことが大きな変更点です。
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「ADFX-10F」と「ADF-11F」のキットはどちらもデザインが同じですが、「ADF-11F」側にはUAVが、「ADFX-10F」にはUAVが付属しない代わりにコックピット部に「ADF-11F」パーツだけでなく「ADFX-10F」用の無地パーツが付きます。それではキットの全貌を見てみましょう。
巨大なRAW-Fパーツが目立つランナー
1/144「ADFX-10F」は、基本的にランナー7枚で構成され、展示ベースとミニフライングベース、そしてデカールが付属します。全体的に白の成形色で構成されおり、エンジンと着陸装置はメタリックです。
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組み立て順はノーズユニット→RAW-Fパーツ→武装など。組み立て説明書は一部カラーで構成され、裏表紙にADFX-10Fの設定が記載されています。外箱の大きさも今までコトブキヤから発売されていた『エースコンバット』プラモデルと大きな差は見られません。
ADFX-10の心臓部となるノーズユニットはシンプルな構成で、コックピット部と2枚の可変翼、そして下部パーツを挟み込むことで完成します。このノーズユニットは1パーツを挟んでRAW-Fユニットと接続します。
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次はRAW-Fユニットです。RAW-Fユニットは、下面にフィンが伸びる胴体やエンジン部を組み立てる必要があります。胴体部はフィンを追加するだけですが、エンジン部は推力偏向ノズルだけでなく吸引ファンやエアインテーク、排気ファンをそれぞれ1つのパーツとして組み立てる必要があり少し複雑です(各パーツの分割線が目立つ)。
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左右エンジン部とエアインテークを組み合わせ、前後脚とミサイル扉、パイロンなどを取り付けたらRAW-Fユニットの完成。最後にノーズユニットと組み合わせることで「ADFX-10F」が出来上がります。
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価格も満足度も高く巨大な「ADFX-10F」
素組みで完成した「ADFX-10F」を見てみましょう。手に持ってみると手全体から大きくはみ出るほど大きく存在感を強く感じます。同じスケールのXFA-27とF-22と並べて見てもそれより1.5倍以上大きく目立ちます。水平に置いてもそれなりに厚みがあることから、1/72スケールの航空機プラモデルを眺めているようです。
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ノーズユニットとRAW-Fパーツのディテールも余すところなく表現されており、素組みでも強い説得力と満足感がありますね。またミニフライングベースが付属しているため、RAW-Fユニットとノーズユニットをそれぞれ併走させられます。
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他にもRAW-F側のエアブレーキやノズルも可動させられることから、飛行状態でそれなりに表情をつけることもできます。しかしながらノーズユニットには着陸装置が実装されていないために、分離させていると駐機状態で飾ることができません。
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価格が6,000円(税抜)とフルプライスのゲーム1本に届きそうな価格ですが、ディテールが向上している他にもスペアやメビウス、ナゲッツ君などの各種エンブレムが揃ったデカールも付属しており、価格分の満足感は十分に得られるはずです。続いては「ADFX-10F」の完全塗装に挑戦してみます。
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