最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回はドイツのデベロッパーであるEgosoftが、2021年03月17日にSteamにてPC(Windows/Linux)向けにリリースした宇宙シミュレーション『X4: Foundations』の大型DLC『X4: Cradle of Humanity』について生の内容をお届けしたいと思います。もともとのゲームは、2018年12月にリリースされていますが、DLCに合わせて、新機能追加のため全体でバージョン4.00へアップデート。全体的な内容については、Steamストアページから下記に引用します。
- 新たな派閥が登場する『X4: Foundations』の大型拡張版
- テランが独自の経済、艦船、武器、ステーションを携えて派閥として帰還
- スリリングなストーリーミッションと探検
- 『X4: Foundations』の物語を新たな視点で描きだすゲームスタート
- エンドゲームを進化させる新たなテラフォーミングの導入
- ボリュームフォグなどによってXユニバースのグラフィックはかつてない美しさへ
装いを新たにした銀河では一体何が見えるのか。早速やってまいりましょう。
『X4: Foundations』ならびに『X4: Cradle of Humanity』とは?
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『X4: Foundations』は、どこまでも無限に続く銀河で、宇宙船のいちパイロットとして生活していくオープンワールドSFシミュレーション『X』シリーズの最新作。1999年から続く本シリーズは、同じ「宇宙SFシム」ジャンルの開拓者である『Elite Dangerous』とは、また違ったプレイを体験できます。
プレイヤーが楽しむ自由なロールプレイ……それを支える探索や戦闘といった要素の作りこみの深さもさることながら、特に交易などの経済活動については、文字通り、ゲーム内において宇宙規模で市場価格が変動する、というのが最大の特徴。このダイナミックなシミュレートは、シリーズを通して大きな支持を集めています。
筆者は、シリーズ作品では『X3: Terran Conflict』をプレイ済み。初めて宇宙船を駆り、違う宇宙ステーションへドッキングした時のワクワク感。そして苦労して資金を集めて、大型船へ乗り換えた時の感動は、とても良いものでしたね。
しかしながら、経済活動よりも操縦して銀河を飛び回る性分なので、途中から『Elite Dangerous』に浮気してしまい、天の川銀河を粋にあらし回るJ9……じゃなかった運び屋を営んでしまいましたが……!
ともあれ本作は、この記事だけではとても全てを紹介しきれない、とんでもない密度の濃さを持ったタイトルです。そのため、今回はあくまで最新DLC『X4: Cradle of Humanity』の新規ストーリーに沿って、紹介していきたいと思います。基本的なゲームプレイの様子については、こちらの開発者インタビューの記事から伝わることと思います。宜しければ、こちらもあわせて是非読んでみてください。また、Game*Sparkでは近日、さらなるインタビュー記事の公開も予定しております。
本編開始
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本作は、「自由度が高いオープンワールドが故に、何をどうしたらよいのかわからない!」という初心者に対しても手厚いサポートがあります。タイトル画面から新規ゲームに進むと、「宇宙船の操縦」や「戦闘方法」など充実のチュートリアルが選択可能。楽しく遊びながら、『X』シリーズの世界観に浸り、また同時にこの世界における操作系を学んでいくと良いでしょう。
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またDLCごとに追加シナリオも選択できます。今回は、せっかく「Cradle of Humanity」をプレイするのですから、新しいシナリオである「テラン士官候補生」を遊びましょう。
チュートリアルはもちろんスキップ。なぜなら筆者は過去作経験者、多少操作方法が変わっていても問題なく遊べまs……
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……少しは、チュートリアルをプレイしましょうか……。
チュートリアル編
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チュートリアルは3つのシナリオベースで行われます。本作は経済活動が柱のひとつではありますが、銀河を股にかけて商売するには、やはり宇宙船は呼吸レベルで操縦できてなんぼです。
先ほど、操縦不能に陥って宇宙をさまよう士官候補生(金持ちボンボンで鼻持ちならないライバルキャラ、後に悪落ちする系のやつ。具体的にはキングスマンで主人公エグジーのライバル)ロールプレイを楽しんでいた筆者。
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ここでは心を入れ替えて、真面目一徹に教官殿からご指導ご鞭撻を賜りましょう。目の前にいる男性が教官です。はじめまして、とあいさつと共に……、
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そんなこんなで機体の操縦を楽しく学ぶことができます。
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本当に手取り足取り、メニュー画面から各アイコンの役割、操縦の細かな設定などを、実際に操作しながら学んでいくことができます。まさに習うより、慣れろ。良いチュートリアルですね。
本編再開
さて、チュートリアルを行う前に、一度本編のよくわからない場所でセーブしてしまったので、こうして再開しても、やっぱりよくわからない状況は据え置きのままでした。
たしか、それまでは「うだつの上がらない士官候補生」として火星あたりを飛んで、ちょっとした景気付けに人工衛星を破壊して回っていたら、レーダーに何も映らなくなり迷子になった……というところでチュートリアルに入ったはず。「何も映らなくなり」の部分は、恐らく適切な操作をしていないためだと筆者は判断。そういう経緯でも、一度中断してチュートリアルを開始したわけです。
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さてロードすると、何故かすぐそばで目標の人工衛星を発見。
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首を傾げながら破壊したところで救難信号が入ってきました。こいつは事件だぜ!退屈な毎日に舞い込んだ非日常だぜ!と現場に急行する相棒と筆者。
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ところがその救難信号は偽物で、敵対勢力ゼノンから発せられていたものでした。彼らはもともと、かつての地球人が惑星テラフォーミングを行う際に生み出した高度なAIでしたが、案の定暴走し、いまも自己進化と増殖を繰り返しながら、周囲の環境何もかもをテラフォーミングしようとする厄介な勢力。ここらへんの下りは、SF小説「われらはレギオン(邦題)」シリーズを思い出します。あの作品も非常に面白い内容でした。
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とにもかくにも叩き潰す筆者。先ほどのチュートリアルで学んだ戦闘方法をいかんなく発揮して敵を一掃します。……おや、司令部から通信が。此度の働き誠に大儀である系のお褒めでしょうか。昇進でしょうか。
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言い渡されたのはクビでした。いきなりクビかー……って、音声(英語)ではdismissと言っているから……これあれだ「通信終了」の意味ですね。
本作は日本語完全対応ですが、やはり量が膨大なので、新規追加コンテンツではまれに意味のズレる箇所が出てきてしまうようです。ただしアップデートで随時修正されている(編集部注:適応時期は未定ながら、上記も既に修正済みだそうです)のは嬉しいところですね。
ステーションを見て回る
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次のミッションが受注可能になる前に、試してみたいことがあったので、ジャンプゲートで火星を経由して「ゲツフネ」星系へやってきました。
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そこで見つけたとあるステーションに船をドッキングさせる筆者。
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実はチュートリアルで船外活動のやり方を学んだ際、座席を立って宇宙遊泳を楽しんだのです。船外活動は『X3』にも実装されていましたが、ともあれ本作はステーションの中を歩けたりなんてことは……?
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ふぉおおう……歩ける……外に出て歩けるよぉ……!自分の船を外から眺めることができるよぉ……!
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火星だよぉ……!
火星と言えばバフラムですが、なんとなくこの構図はウーレンベックカタパルト発射を彷彿とさせます。こんな真面目に働いて、クビ(誤解)を言い渡されるブラックな地球系職場よりも、火星へ飛んでネオヴェネツィアの世界で、ステキな奇跡をそういえば最新映画は素晴らしい仕上がりで、私はアテナ様をもう一度拝めることができて泣いておりました(世界線の混線)
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泣きながら動く歩道に乗って移動する筆者。いや感動の涙ですよ。これすごく楽しい。わかりますか。心の中に住む14歳男子はSF的デザインのでっかい構造物の中にポツン……と佇み、これまた大きな機械を見上げるのが好きなんですよ。本作は自分で艦隊を持つことができますが、将来的には、こういうドックに船を並べて、それを下から見上げてみたいものです。
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歩いていると、時たまこういうNPCを見かけることがあります。話しかけることで、何か仕事(ミッション)を受諾できたり、情報を聞き出したり、さらには雇用することができます。船の操縦などを任せることができるので、なかなか夢の広がる話です。
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ステーションの隅から隅まで探索してしまったがゆえに、戻るのが面倒……そんな時はこの転送装置を使うと良いでしょう。概念的にはエレベーターと表現しても良いでしょう、なかに乗り込んで行先を選びボタンを押すと、その場所へ転送されます。
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こうしてドックの一番端っこにいても、すぐに自分の船まで戻ることができます。便利ですね。
意外としぶとい主人公
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さてストーリーミッションを進めます。先ほどクビを言い渡された(編集部注:誤解では……)ハズですが、改めて仕事の依頼が舞い込んできました。今度はとある艦隊を護衛しろとのこと。
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これは願ってもない名誉挽回のチャンス。さっそくワープゲートを駆使しつつ目的地で合流。
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道中に現れる敵を蹴散らしながら獅子奮迅の活躍をする主人公。
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とも思ったら、機体から突然放り出されてしまいました。親切に表示されるチュートリアルを確認すると、なるほど自船が撃墜されたのですね。なんてこった、もう助からないぞ。
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とはいえ、他の艦船に拾ってもらえば済む話。丁度目の前に護衛対象の船があるので、ドッキング申請を出します。
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離れていく相手の船。待ってください、置いていかないで!……どうやらストーリー進行による動きが優先されるようで、ドッキングガイドを出しながら亀の歩みで宙を漕いでいた私は放置プレイされることと相成りました。
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残り酸素がじわじわとい減っていき焦り始める私。相棒の船に助けを求めますが、やつは300m程度の距離を維持するので、ドッキングができません。絶対に助けてやらないからな、という強い意志を感じます。
数十分後
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クソが!酸素がもう残り少ない!今すぐ助けてくれ!
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死にたくないでござる!絶対に死にたくないでござる!
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死にt……!
おわりに
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今回の記事で触れることができたのは、まさに銀河系においてほんのわずかな部分です。本当に遊べば遊ぶほど、その世界観の深さにぐいぐいと引き込まれて、より一層ロールプレイを楽しむことができると思います。
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個人的に、本作の大好きな部分のひとつは、ゲーム内エンサイクロペディア。内容が非常に充実しており、それらを読むだけで肩までどっぷりとSF宇宙に浸ることができます。この世界の歴史を紐解きながら、現在何が進行しているのか……種族や派閥問題も絡まったスケールの大きな話にワクワクが止まりません。
対応機種:PC(Windows/Linux)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
DLCリリース日:2021年03月17日
記事執筆時の著者プレイ時間:5.2時間
DLC価格:通常価格 1,540円(起動には本体ソフトが必要です)