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様々なジャンルのサンドボックスゲームが発売されてきましたが、自然公園を舞台に生態系を維持するサンドボックスは珍しいのではないでしょうか。
今回、2021年7月2日にSteamにて配信が予定されているDreamStorm StudiosとGames Operatorsによる『Natural Instincts』のクローズドβに参加する機会を得たので、本稿ではその模様をお届けします。公園内の生物を繁栄させるのも、絶滅に導くのもあなた次第……ということで、ゲーム内容を紹介していきましょう。なお、本作はテスト版で製品版と内容が変更になる可能性があります。
あなただけの自然保護公園を運営しよう!
ゲームを開始するとまずはチュートリアル画面へ。本作は日本語対応しておらず、操作説明やアナウンスは英語のみ、また字幕も表示されないため少々わかりにくいですが、画面左上には、「行動履歴」、「達成すべき目標」、「ヒント」がそれぞれ表示されます。どれも平易な英語をベースとしているので安心です。
さて、実際のゲームへ目を向けましょう。この心地よさそうな草原に生息しているウサギさんへ様々な指示を飛ばして操作方法を学ぶようです。WASDでカメラを移動させマウスで動物への行動指示を行いますが……
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え……どこ……?
探せど探せどウサギさんは見当たらないのでVキーを押して「Detective Mode」へ切り替えます。
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「Detective Mode」では動物の場所がハイライトされるだけでなく、巣穴や餌場がハイライトされます。それぞれ動物の種ごとに固有で、ある程度のコロニーやテリトリーを形成しているようです。
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ウサギさんをやっとの思いで発見しました。4羽のウサギさんたちが元気に原っぱを駆け回っていましたが「Detective Mode」なしでは見つけるのは少々骨が折れます。また、かわいらしいウサギさんの模様をお送りしたかったのですがズームインの倍率はこの程度が限界。こういった点は少々物足りないですが、クローズドβの改善点ということで開発者へ伝えました。改善を心待ちにしましょう。
各動物にはステータスが存在し画面左上に表示されます。それぞれ「Fullness(空腹)」「Hydration(渇き)」「Energy(疲労)」「Mating Readiness(交尾)」となっていますが、これらは一匹ずつ固有に設定されるため多くの動物に対し細やかな気配りが要求されます。
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動物への行動指示は、対象とする動物をクリックして選択し、目標をクリックすることで対応した行動を取ります。適当な地点を目標にするとその地点まで移動し、餌場や川などであればそこで食事や給水を行い「Fullness」や「Hydration」を回復、でき巣穴に戻れば「Energy」が回復します。
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行動指示は範囲選択することで複数に指示を飛ばすことも可能です。またその際、選択した中に「Fullness」、「Hydration」、「Energy」の低下した生き物がいればその旨をアナウンスしてくれます。
ウサギさんたちのお腹も満たされたところで、何羽かの「Mating Readiness」ゲージがたまりました。これによりウサギさんたちは発情期に入ります。ハートマークの出ているウサギさんのオスメスを引き合わせて新しい家族を迎えましょう。
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生物多様性を保ちながら国立公園を維持させよう
ここまでは本作の基本的なゲームプレイを説明してきましたがこの後は、イノシシ、オオカミ、クマ、シカなどの動物が登場します。ここで難しいのが生物多様性の維持です。クマさんは雑食なので問題ありませんが、オオカミさんは肉食動物なので狩りをする必要があります。ウサギさんの管理をサボってしまうと個体数が減り、オオカミさんの個体数維持にも影響が出てきてしまいます。ここで問題となるのが、「一度減った個体数を回復するのは困難を極める」という点です。筆者は一度、クマさんの個体数が3まで減ってしまったことがあります。オス、メス、メスという組み合わせの中、発情期のタイミングがなかなか合わず、そのまま唯一のオスが死んでしまったことで筆者の公園からクマさんの持続可能性は潰えてしまいました。
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不法投棄、ダメ、絶対。
また、本作には人間の活動も動物へ多大な影響を与えます。車道が公園を横断するように通っており、動物たちが車に轢かれないよう誘導する必要があります。
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そのほか、ごみを公園内に不法投棄していくトラックも……。廃棄されたごみを動物たちが食べないように指示しなければなりません。
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しかし、人間は悪さしかしないわけではありません。ゲーム中には自然保護活動家の方々が不法投棄されたゴミをボランティアで回収してくれます。管理しているプレイヤーからするとまさしく救いの手。本作はこういった自然保護活動の啓蒙的側面があり、プレイヤーに自然の大切さ、保護活動の重要性を伝えています。
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そのほかにも密猟者が入ってきて動物を逃がしたり、筆者はまだ遭遇していませんがどうやら山火事などのアクシデントも起こったりするそう。人的災害や自然災害に対処しながら、生物多様性を維持する本作。なかなかに多くの気づきがあり、何よりも「ゴミの不法投棄だけは絶対にするものか」と思わせる一作でした。
Kickstarterによるプロジェクト進行中
なお、本作は現在Kickstarterによる支援を受け付けています。ストレッチゴールとして新しい環境の追加が予告されており、現在、ヨーロッパの森林や、北極の実装が決定しています。そのほか達成額に応じてサバンナや熱帯地域なども実装されるようです。
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20カナダドルの支援で本作の製品版が送られるほか、30カナダドルでα版を先行体験できる支援など、様々なドネーションが設定されています。また先着限定500セットで20カナダドルの支援内容を15カナダドルで同等のリワードが受けられるプランも。本記事執筆時点で残り75セットとなっているため、気になった読者はぜひKickstarterページを確認してみてください。