ゲームサブスクリプションサービスは、月額を払ってゲームが遊び放題になったり、ゲームを受け取ることができるサービス。
Game*Sparkでは2018年に「ゲーム定額制サービスひとまとめ」という記事を公開しましたが、あれから3年、ゲームを取り巻くシーンの変化とともに、ゲームサブスクサービスも進化しています。
そこで今回は、Game*Spark読者のハードコアゲーマーの皆さんに向けて2021年現在国内で利用できるPC・ゲーム機向けのゲームサブスクサービスとおすすめタイトルを前・後編に分けてご紹介します。
それぞれのサービスで特色が異なるため、ラインナップを見比べて自分に合ったサービスを探してみましょう!
サブスクが気になるならまずはコレ!「Xbox Game Pass」
コンソール向け:月額850円
PC向け:月額850円
Ultimate:1,100円

PCでゲームサブスクを始めてみたい方は、Xbox Game Passに入っておけばまず間違いありません。『Halo』シリーズや『マインクラフト ダンジョンズ』といったマイクロソフトタイトルはもちろん、エレクトロニック・アーツのタイトルが遊び放題の「EA Play」も提供開始され、ますますラインナップの充実を見せています。
『Celeste』や『Dead Cells』といった不朽の名作、“人の不幸は蜜の味”シミュレーター『レインパレード:イタズラ雲の冒険!』やビッグバンノワールアドベンチャー『Genesis Noir』といった新作が発売日からプレイできるなど、インディーゲームを精力的に拾っていることも特徴的。
さらに、『ニーア オートマタ』『バイオハザード7』『龍が如く』シリーズといった国産タイトルまでカバーしており、幅広い層のユーザーが楽しめることでしょう。
また、コンソールユーザーはPeople Can Flyの新作ハクスラTPS『OUTRIDERS』やレアの名作が遊べる『Rare Replay』、廣田行生さんのシブい演技が光る初期『Gears of War』シリーズの日本語版をはじめとした、本記事執筆時点でコンソール向けにしか提供されていないタイトルもあり、Xboxコンソールで利用する価値も充分にあります。
Xbox Game Passについては、個別に解説記事を掲載していますので、そちらもご覧ください。
おすすめタイトル:『Carto』
主人公「Carto」が持つ不思議な力で、地図をパズルのピースのように組み替えてマップに場所を創り出すパズルアドベンチャーゲーム。
たとえば、「草原の西にぼくの家があるんだけど、連れていってくれない?」と言われたのにそんな家なんて無い……そんなときは、自分で「草原の西」を創り上げればOK! ピースを適切に配置することでそこに「草原の西にある家」ができあがっちゃいます!
文章での説明が難しいゲームですが、新感覚なゲームプレイはパズルゲームが好きなら触ってみるべきです!
EA新作も遊び放題!「EA Play(Origin)」
通常プラン:月額518円または年額3,002円
Proプラン: 月額1,644円または年額10,644円

主にエレクトロニック・アーツのタイトルがプレイできるようになるサブスクサービス。Xbox Game Passとも連携しており、Xbox Game Pass for PCおよびUltimateユーザーはEA Play通常プランを利用できます。
通常プランは安いですが、Xbox Game Passを利用したほうがお得。EA Playに入るならProプランがおすすめです。
Proプランには話題の高評価Co-opアクションアドベンチャーゲーム『It Takes Two』や5月25日発売予定のオープンワールドケモノアクションRPG『Biomutant』が遊び放題の対象に。
さらに『ソニックマニア』『LIMBO』『Bloodstained: Ritual of the Night』といったProプラン限定タイトルも揃っています。
おすすめタイトル:『It Takes Two』

離婚寸前の夫婦に悲しんだ娘の涙で2人が小さな姿になっちゃった!果たして2人は元の姿に戻れるのか……というお話のCo-opアクションゲームです。
『ブラザーズ:2人の息子の物語』『A Way Out』などを開発したジョセフ・ファレス氏率いるHazelight開発による作品。Hazelightの過去作よろしく、協力が重要なゲームです。基本部分は3Dプラットフォーマーですが、そこにTPSやフライトコンバットシム、格闘ゲームまでさまざまなジャンルの要素が盛り込まれ、チャプターごとに毎回違う遊びが提供されるため非常に満足感が高い作品となっており、評価の高さも含めて注目の1作です。
また、本作には「フレンドパス」という機能が存在しており、なんと片方のプレイヤーが所有していればもう片方は購入しなくてもプレイ可能。EA Play Proでプレイできる本作もフレンドパスが利用できちゃいます。
VR買ったらおすすめ!「VIVEPORT Infinity」
月額プラン:1,500円
月額払い年間契約プラン:月額1,000円

VR機器大手のHTCが運営するおそらく唯一のVRゲーム専用ゲームサブスクリプション。「VIVE」という名前が付いていますが、ほとんどのタイトルでOculus Quest 2やValve Indexなど他社製ヘッドセットも利用できます。
『Arizona Sunshine』『L.A.ノワール: VR事件簿』『Creed: Rise to Glory』『SUPERHOT VR』などVRゲームシーンで有名なタイトルの半分くらいはこの「VIVEPORT Infinity」で楽しむことができちゃうので、気になるVRゲームがたくさんある方はぜひライブラリを覗いてみてほしいです。
月額払い年間プランは月額単体で契約するよりも安く、『Phasmophobia』『The Walking Dead: Saints & Sinner』など少ないながらもこのプラン限定のタイトルが存在します。しかし、契約後は1年間契約するまで解約ができませんので、気になるタイトルの数や今後も利用するかをよく考えて契約する必要があります。
おすすめタイトル:『The Room VR: A Dark Matter』

1908年のロンドンを舞台にしたパズルアドベンチャーゲーム。高品質なグラフィックで描かれる怪しくも美しい魅力的な世界に、VRヘッドセットのおかげで没入できます。
各話ごとに用意された部屋の中を行き来し、用意されているパズルをVRゲーム特有の直感的な操作でパズルを解きますが、これがとても楽しい!不思議な力によってオブジェクトの中に小さくなって入るシーンなどもあり、この世界を存分に歩き回って味わうことができます。
VRでゆったりとしたペースで遊べるゲームを求めている方はぜひどうぞ!
Amazonプライム会員ならゲームもできるぞ!「Prime Gaming」
Amazonプライム会員の会員特典 (価格はプライム会員の会費)
月額プラン: 500円
年額プラン: 4,900円

「Prime Gaming」は、Amazonプライム会員ならアカウントを連携させることで月5本以上のPCゲームを受け取ることができます。元々はTwitchのサブスクリプションサービス「Twitch Prime」として2016年からサービスを展開していましたが、2020年から名称が変更されました。
受け取れるゲームは基本的に小規模から中規模の作品や『Apex Legends』や『レインボーシックスシージ』『Fall Guys』などの人気ゲームのアイテム。入手ボタンをクリックしておけば永久的にアカウントに残ります。
とにかくAmazonプライム会員ならば入っておいて損はありません。毎月初めに5本ほどもらえますが、不定期で突如配布されることもあるのでこまめにチェックしてみるのが吉。ちょっとマイナーな掘り出し物インディーが見つかるかも?
Amazonプライムはプライムビデオやプライムミュージックなども魅力的ですが、せっかくならゲームも楽しんじゃいましょう。
PCゲームの定期便!「Humble Choice」
Liteプラン: 月額4.99ドル
Basicプラン: 月額14.99ドル
Premiumプラン: 月額19.99ドル

月12本提供されるゲームの中から欲しい物をチョイスしてゲームキーが受け取れるサブスクサービス。
毎月12本のタイトルのアクティベートキーが用意され、3本から4本の目玉大作タイトルや小中規模のタイトルを選択して入手することができます。基本はSteamキーが入手できますが、Epic Gamesストアキーを選択できる場合もあります。
Basicプランは対象のタイトルから3本、Premiumプランは9本が選択できます。とはいえ、最近の傾向としてはPremiumおよび前身サービスHumble Monthlyからの継続加入者は対象タイトルの12本がすべて入手できるケースが多くなっています。なお、LiteプランはHumble Troveと10%の追加割引のみ利用でき毎月のゲーム選択はできませんのでご注意ください。
もしラインナップが気に入らなかったりすでに持っているタイトルが多かった場合には「Pause」することで解約の手間がなくその月は請求されないように設定できます。また、Humble Storeで適用されるメンバー向け追加割引や旧作小・中規模タイトルや他ストアで発売前のタイトルのDRMフリー版がゲットできる「Humble Trove」が用意されており、ディープに楽しむのにも向いているサービスです。
PCでもPS向けゲームをプレイ!「PlayStation Now」
7日間体験:100円
1ヶ月利用権:1,180円
3ヶ月:利用権2,980円
12ヶ月利用権:6,980円

PlayStation向けゲームがクラウドやダウンロードで遊べるサブスクサービス。PC版は有線でDualShock 4もしくはDualShock 3を接続すると最大限に楽しむことができますが、筆者の環境ではXbox Oneコントローラーでも動作することを確認しました。なお、タッチパッドなど一部機能は利用できなくなります。
『Bloodborne』『DOOM』などのPS4タイトルはもちろん、『AFRIKA』『アンチャーテッド』シリーズなどPS3タイトルも提供中で、なかなかPCには配信されないタイトルもクラウドストリーミングのみではありますがプレイ可能です。
『ドリームクラブ Complete Edipyon!』『夏色ハイスクル★青春白書』など他のサブスクにはないような作品や、『ゴミ箱 -GOMIBAKO-』『ぽっちゃり☆プリンセス ~メタ冒険~』などマイナーな作品も対象なのでラインナップの満足度はかなり高いです。
筆者の環境でプレイした際の主観としてですが、平日昼頃の時間帯ではPCでもPS4でも高画質でプレイでき、操作遅延もあまり気になりません。しかし、20時から22時頃の混雑する時間には低画質でのストリーミングになり、そもそもエラーによりプレイ開始ができないという現象が発生しやすく不安定です。
先日1080pでのストリーミングに対応したものの、その恩恵を受けられる時間帯は限られているというのが正直な印象。ですが、PS4にダウンロードしておくことで対策も可能ですし、充実のラインナップやPCへの対応など貴重なサブスクサービスであることは間違いありません。
おすすめタイトル:『スペランカーコレクション』

貧弱主人公で有名な『スペランカー』の作品群を一気に楽しめるコレクション作品。
皆さんがよく知っているであろうファミコン版『スペランカー』はもちろん、貫禄のあるグラフィックのAtari 8-bitコンピュータオリジナル版『Spelunker』、高いところから落ちても死なないアーケード版『スペランカー』『スペランカー II 23の鍵』が収録。
そのほか、1周のクリアタイムを競う「スペランカー 最速一周クリア」や残機0で挑む「サドンデスペランカー」などのやりこみモード、貴重な資料が閲覧できる「古代史料展示室」、ゲーム設定をいじったり途中セーブができたりするなど盛りだくさんで、『スペランカー』を触ってみたいという人はもちろん、ファミコン版をやり込んで極めた人も手に取るべき作品です。
本作はPS3向けに配信されていた作品ですが、ストリーミング配信でプレイできるためPS4やPCでも楽しめます。
ここからは加入している方も多いであろうプラットフォーマーの有料オンラインサービスについてもゲームサブスクという面で掘り下げていきます。導入当初こそオンライン有料化とも揶揄されましたが、もはや他のサブスクと並べても遜色ないサービスになってきています。改めてオススメのタイトルやどのような特典があるかなどをまとめていきます。
ファミコン・スーファミの名作をいつでもどこでも「Nintendo Switch Online」
1ヶ月: 306円
3ヶ月:815円
12ヶ月2,400円
ファミリープラン12ヶ月:4,500円

ニンテンドースイッチでオンラインゲームを遊ぶのに必要な「Nintendo Switch Online」に入会していれば、ファミリーコンピュータおよびスーパーファミコンで発売されていたタイトルのいくつかを楽しめます。タイトルは不定期に更新され、毎回3、4本が追加されるのですが既にそのボリュームは両方あわせて100本近くと、これだけでも十分なサブスクサービスに成長しているといえますね。
『スーパーマリオワールド』や『熱血高校ドッジボール部』といった定番タイトルから『すごいへべれけ』『ルート16ターボ』などのちょっとマイナーな作品、さらには当時発売中止となりその後「ミニ スーパーファミコン」に収録された幻のゲーム『スターフォックス2』など充実のラインナップ。このサービスのためだけに入会しても満足できそうです。
巻き戻し機能やどこでもセーブ機能など便利機能のほか、一部タイトルではクリア直前や有利な状態から遊べるスペシャルバージョンも完備されているので、昔クリアできなかったゲームや現代の基準だと少し不親切なゲームでもクリアできちゃうかも!?
おすすめタイトル:『スーパードンキーコング3 謎のクレミス島』

美麗なグラフィックや耳に残るBGM、特徴的なデザインのキャラクターが魅力的な『スーパードンキーコング』シリーズ3作目は探索要素が少し強化。1ステージに複数の隠し要素ややりこみチャレンジが用意されており、歯ごたえのあるプラットフォーマーが楽しめます。
また本作はワールドマップも非常に魅力的。『2』からより進化した探索や、ミニゲームやアイテムが手に入る隠しエリアなどが随所に散りばめられており、モーターボートでワールドマップを移動しているだけでもうっとりしてしまいそうです。
PS5で選りすぐりタイトルがプレイできる!「PlayStation Plusコレクション」
1ヶ月: 850円
3ヶ月: 2,150円
12ヶ月:5,143円

オンラインゲームをプレイする際などに必要な「PlayStation Plus」に加入しているPS5ユーザーは、追加費用なしで選りすぐりのPS4タイトルが楽しめちゃいます。
『The Last of Us Remastered』『ゴッド・オブ・ウォー』などSIEタイトルはもちろん『ペルソナ5』『Detroit: Become Human』などサードパーティタイトルも用意されたラインナップはなかなかのもの。
コレクション以外にも毎月数本フリープレイタイトルが配布されるため、それらとあわせて普段プレイしているオンラインゲームなどの合間に楽しんじゃいましょう。
『Bloodborne』
『Days Gone』
『Detroit: Become Human』
『ゴッド・オブ・ウォー』
『inFAMOUS Second Son』
『ラチェット&クランク THE GAME』
『人喰いの大鷲トリコ』
『The Last of Us Remastered』
『Until Dawn – 惨劇の山荘 –』
『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』
『バットマン:アーカム・ナイト』
『バトルフィールド 1』
『コール オブ デューティ ブラックオプス III ゲーム オブ ザ イヤー + ゾンビクロニクル同梱版』
『クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!』
『Fallout 4』
『ファイナルファンタジーXV ROYAL EDITION』
『モンスターハンター:ワールド』
『ペルソナ 5』
『バイオハザード7 レジデント イービル』
終わりに
本稿では比較的読者の中でも加入者の多いであろう8つのサービスを紹介しましたが、まだまだゲームサブスクサービスは存在します。本特集の後編ではちょっとマイナーなものや独特なラインナップが用意されたサブスクサービスを紹介します。
それぞれのサービスを比較して、自分に合ったゲームサブスクでガッツリゲームを楽しんじゃいましょう!