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「デジボで遊ぼ!」ではボードゲーム要素やカードゲーム要素、テーブルトークRPG(TRPG)要素のある魅力のデジタルボードゲームを特集。今回は可愛いメイドさんたちをテーマにしたデッキビルド型カードゲーム『たんとくおーれ(Tanto Cuore)』をお届けします。
本作はJapanime Digital, Wedontknow Gamesが開発し、Japanime Gamesとアークライトによって2021年5月12日にSteamで配信されました。2008年にアメリカで発売されたデッキビルド型カードゲーム「ドミニオン」以来、様々なフォロワー作品が登場しました。本作もそのフォロワー作品の一つです。
本作のようなデッキビルド型カードゲームは、課金の差で優劣が決まってしまうということはなく、ゲーム開始時に用意されたカードのみでゲームをプレイするのが特徴です。すべてのプレイヤーが公平な条件で競い合えるというのが、このタイプのカードゲームの良い点ですね。
本作のオリジナル版カードゲームは2009年に発売されました。2011年には英語版が発売され、海外でも好調な売れ行きとなり、全世界合わせた累計生産数は1万個を超えました。
筆者は「ドミニオン」や「アセンション」「ハート・オブ・クラウン」などデッキビルド型カードゲームはよく遊んでいましたが、本作は初プレイになります。いったいどんなゲームなのか、さっそくプレイしていきましょう。
屋敷にメイドを雇おう!
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本作の目的ですが、「メイドをたくさん雇って、一番立派な屋敷にした者の勝ち」というものです。ゲームモードは、対戦条件を設定してCPUと戦う「クイックプレイ」、チュートリアル的な「シングルプレイ」、オンラインで競い合う「マルチプレイ」が用意されています。今回はシングルプレイでルールを見ていきます。
ちなみに本作は日本語がサポートされていますが、筆者の環境では初回起動時に英語表示されていました。その場合、メニューの「Settings」内の「Gameplay」から「Language」を「Japanese」に変更してください。
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シングルプレイにおいては、「メイドを10回雇用する」など、条件付きでの対戦がプレイ出来ます。基本的には「ドミニオン」などのデッキビルド型カードゲームなので、それらをプレイした事のある方なら、使われている用語の違いが分かればすぐにプレイできるでしょう。
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ざっくりとゲーム内容を説明します。上部に並んでいる2列のカードが、全プレイヤーが共通して利用(購入)できるデッキカード置き場です。
画面左上でハイライトされている3枚のカードが、「ドミニオン」で言うところの「コインカード」に当たります。本作ではコインではなく「はあと」と表現されます。左から「1はあと」「2はあと」「3はあと」ですね(カード右上の「1」「4」「7」の数字はカード購入コスト)。
ゲーム開始時、各プレイヤーは10枚のカード(「1はあと」カード7枚、勝利点カード3枚)が配布されます。シャッフルし、その内の5枚を手札に加えます。自分のターンに、はあとカードの合計金額分、場にあるカードを購入して自分のデッキに加えることができます。
買い物が終わったら、手札と購入したカードをすべて捨て札にし、山札からまた5枚取ります。山札が無くなったら、捨て札をシャッフルして山札に戻します。この辺のルールは「ドミニオン」とまったく同じですね。
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画面上部中央にある青いカード「一般メイド」は、「ドミニオン」などで言うところの「アクションカード」です。カードドローや「はあと」を増やしたり、対戦相手を妨害したりなど、様々な効果があります。
ただ、ゲームの目的は勝利点を多く獲得する事なので、アクションカードの取り過ぎには注意しましょう。無駄にデッキを太らせてしまうだけです。この手のデッキビルド型カードゲームでは気を付けなければならない点ですね。
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画面右側の緑色のカードですが、いわゆる「勝利点カード」です。本作では勝利点が一番多いプレイヤーの勝ちなので、このカードをいかに多く取るかが重要になってきます。特にコスト9の勝利点カードは6点も入るので、手札に合計9はあとあったら購入しておきたいところです。
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一番右端のカード「イベントカード」ですが、「ドミニオン」で言うところの「呪いカード」ですね。購入して対戦相手にこのカードを送り込めば、相手の勝利点を減らすことができます。この押し付け合いが本作の醍醐味ともなっていたりします。
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最後に、左側の黒いカードは「専属メイド」です。ドローや「はあと」を増やしたりなど、場に出すことで永続効果をもたらします。ただし各プレイヤーは1枚だけしか使うことができません。新たに1枚出した場合、以前の専属メイドカードは破棄されます。
実際にプレイしてみよう!
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それでは「クイックプレイ」の方で、3人プレイで実際に遊んでいきましょう。ゲームは、購入できるメイドカードの山が2カ所無くなった時に終了します。その時に一番点数が多いプレイヤーの勝ちです。
まずは、とにかく自分のデッキを強化しなければなりません。手札には「1はあと」が3枚あるので、これでコスト3の買い物ができます。ただ「ドミニオン」だと2コインはコスト3なのですが、本作の「2はあと」はコスト4なので、コイン戦略(ひたすら高価なコインを買う戦略)が使いにくい。この辺りは「ドミニオン」と勝手が違いますね。
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そこで一般メイドの中にある、コスト3の「サフラン」を購入。「はあと+2」の効果に加え、「そば仕え」させると勝利点にもなります(「そば仕え」については後述)。ちなみに本作では、カード購入のことを「雇用」と言います。雇用は手番で1回だけしか行えませんが、カード効果で回数を増やすこともできます。
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デッキカード10枚の内、「1はあと」のカードは7枚。先程3枚出たと言うことは、次の手番では4枚が手札に来ます。普通にコスト4の「2はあと」を雇用しておきましょう。毎回手札に配られるカードは5枚なので、できるだけ高価な「はあとカード」を持っておくと、以降の買い物がスムーズになります。
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次のターン、「1はあと」3枚と、先程雇用した「2はあと」1枚が来ました。合計5はあとなので、コスト5の「セインズベリー」を雇用。「1はあとを2はあとにする。もしくはコスト4以下のメイドと交換可能」という能力です。デッキ圧縮に利用しましょう。
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次のターン、先程雇用した「サフラン」が手札に来ました。一般メイドのアクションは、雇用をする前に行わなければなりません。本作ではアクションの事を「ご奉仕」と言います。ご奉仕は手番に1度しか行えませんが、カード効果で増やすことが可能。上手く組み合わせればカードコンボになります。
「サフラン」は、ご奉仕させれば「はあと+2」になりますが、手札から「家に送る(ご奉仕1消費)」ことで「そば仕え」となり、勝利点にすることができます。「サフラン」1枚に付き2点、2枚だと4点、3枚だと8点、4枚だと12点と増えていくので、狙って集めていきたいところ。また家に送れば、デッキカードを減らせるので、デッキ圧縮にもなります。
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それと最初のデッキカードに3枚入っている勝利点カード「コレット」ですが、家に送るにはご奉仕2が必要です。このカード自体は何の効果も無いので、デッキ圧縮のためにも、ご奉仕増加効果のあるカードを使って、早めに家に送りたいですね。ちなみにコレットは1勝利点ですが、ゲーム終了時に一番多く家送りにしたプレイヤーには5勝利点が与えられます。
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4ターン目に「セインズベリー」が手札に来ましたので、さっそくカード効果で「1はあと」を「2はあと」に入れ替え。デッキ圧縮とカード強化を同時に行えるのがいいですね。
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カードコンボのパーツになるコスト4の「ジュヌヴィエーヴ」。「はあと+1、ご奉仕+1、ドロー+1」なので、何枚あってもデッキの邪魔になりません。買う物が無い時には、とりあえずこのカードを買っておいてもいいでしょう。
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コスト4の「病気カード」は、他のプレイヤーが家送りしたメイドの上に重ねて置くと「病気状態」になり、カード効果をすべて失わせます。病気状態を解除するためには、「3はあと」カードを捨て札にする必要があります。対戦相手とはいえ、メイドが可哀想な気も……。
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コスト6の「ラランド」を雇用。場に常駐し、毎ターン「ドロー+1」の効果を発揮します。他のカードゲームからすると、常駐でドローを増やしてしまうのは、かなりの強カードと言えますね。
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9はあと以上が手札に来たので、本作の高コストカード(コスト9)の「マリアン」を雇用。6勝利点を得られますが、家送りに出来ないので、デッキ内の無駄カードにもなってしまいます。ゲーム終盤で、一気に決着を付けたい時に、どんどん購入していきたいカードです。
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ひたすら「サフラン」を家に送り込みつつ、9はあと以上あるときに「マリアン」を雇用するという方法で1位勝利!無駄なカードを取らず、方針を決めてプレイすると勝ちやすくなるかと思います。あとやっぱり、「ドロー+1」の常駐カードは強いですね。
勝ち筋の多いデッキビルド型カードゲーム
本作は「ドミニオン」をベースとしつつも、「家送り」にしないと勝利点が取れなかったり、カードの組み合わせで点数が変わるなど、単純に勝利点カードを集めていくだけでなく、どう勝つかも考えながらプレイする必要があります。「病気カード」も上手く使い、敵の勝利点コンボを防ぎつつ、自分の点数を伸ばしていくのがいいでしょう。
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最後に、気になるカードを紹介。今回は使いませんでしたが、相手の家に送り込むことの出来るコスト2の嫌がらせカード「悪癖」。家に4枚以上送り込まれると、1枚に付き-2勝利点になります。つまり4枚送った時点で、-8勝利点という大ダメージです。
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クレセント3姉妹の内の一人、「アスール」。ほかに「ルージュ」「ヴィオーラ」がいます。単体だと1勝利点ですが、2枚の異なる姉妹がいれば+3勝利点、3枚だと+7勝利点になります。コスト2と安いですし、家送りすることでデッキの邪魔にもなりませんので、場に3枚揃っていたら、積極的に雇用していきたいカードです。
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「クレール」は対戦相手からの攻撃を防いでくれる上に、手番で場に出すと、自分の家に置かれた「悪癖」や「病気」を1枚取り除く事ができます。「ご奉仕+1」もあるので邪魔になりにくいですし、しかも雇用コストはたったの3。嫌がらせの応酬になった時には威力を発揮するでしょう。
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「ジュヌヴィエーヴ」の上位互換である「オフィリア」。「はあと+1、ご奉仕+1、雇用+1、ドロー+1」とデッキの邪魔にならない上、奇数枚持っていると、1枚に付き2勝利点が得られます。ただし偶数枚だと1枚に付き-2勝利点。自分が何枚持っているかを把握しておきましょう。他にも魅力的なカードが多数揃っていますので、ゲーム中のカード一覧でチェックしてみてください。
本作の問題としては、AIがあまり強くないという点です。シングルプレイとしては物足りなさがありますね。対人戦をしたいところですが、オンラインは人はいなかったので、フレンドがいる方はフレンドと遊ぶと良いかと思います。
それとやはり、基本セットなのでカードの種類は少なめですね。DLCで拡張カードセットが配信される予定があるようなので、今後の展開を期待しています。
製品情報
開発・販売:Japanime Digital、Wedontknow Games、アークライト
対象OS:Windows、MacOS通常価格:1,010円
サポート言語:日本語、英語、フランス語
ストアページ:https://store.steampowered.com/app/1441230/Tanto_Cuore/