以前、当サイトでも爆速プレイレポにてご紹介した『Before Your Eyes』は、まばたきによって物語が進行する、これまでに無い自分探しのナラティブアドベンチャーとして、Steam/Epic Games Storeでも高い評価を受けています。今回、『弟切草』でシナリオ、『かまいたちの夜』でプロデューサーを担当したことでも有名な麻野一哉氏のプレイ感想と、Goodbye World Gamesのウィル・ヘルワース氏へのミニインタビューが新たに公開されました。
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麻野一哉氏の感想
プレイしているあいだじゅう、ずっと静かな感動に包まれていた。同時に、先行きがとても不安で恐ろしかった。こどもの頃は、ちょっとしたことでも恐れる。でも、完璧に楽観的になる瞬間もある。心から安心することもある。心の振れ幅が大きい。 自分はもう半世紀以上生きてきた。徐々に日々の生活が単調になり、若いときのように、色んなことに刺激を感じるということは、もうない。しかし、子供の頃はすべてが新鮮で、楽しく、寂しく、怖く、うれしい。このゲームをやると、そんな子供の頃の感覚が蘇ってくる。まばたきや目をつぶるといった原始的な行為や、限られた視野、ぼやけた輪郭がそれを強めるのかもしれない。そうして、自分が昔そうだった子供の感覚を取り戻した頃、物語は大きく転回する。
これ以上はネタバレになるので書きません。ぜひプレイしてみて下さい。わすれがたい体験になるでしょうウィル・ヘルワース氏へのミニインタビュー
――まばたきを入力方法にすることとストーリーと、どちらかが先に思いつきましたか?
ウィル氏ほとんど同時に、ストーリーとまばたきが思いつきました。幸福の絶頂と不幸のどん底に、人生で人が最も美しくいられるようなストーリーが良いと考えました。その時、それぞれの時間の短さを表現するには、まばたきを使うべきだと考えたのです。
――まばたきで入力することは、どういうきっかけで思いつきましたか?
ウィル氏僕の学生時代、モバイルアプリはカメラでの入力ができるという点で有利だと感じていました。そして、なぜウェブカメラでの入力がないのか考えました。その時、人の目に着目しました。まばたきであれば、とても自然に時間を進めることが可能だと考えたのです。
――ストーリーに元のネタはありますか?
ウィル氏2008年に『Before Your Eyes』を創作しました。その後色々な変化を経て、いくつかのバージョンを創作し、今のものにたどり着きました。僕はとてもGrahamとOliver、そしてGoodbye World Gameのチームに感謝しています。彼らの助言がオリジナルのアイディアをより良いものにしてくれたのです。
――VRの展開は考えていますか?
ウィル氏『Before Your Eyes』を他のプラットフォームにも出すというのは素晴らしいと思います。特にVRというのは素敵です!現在はVRにポートすることは考えていませんが「いつか」したいと考えています。
――世界観を深く知れるアートブックや設定資料集的なものが発売(公開)される予定はありますか?
ウィル氏「今」はありませんが、絶対ないとは言わないでおきましょう。
――開発において一番苦労したエピソードはなんでしょうか。
ウィル氏開発中に一番苦労した点は、ワークライフバランスですね。このゲーム制作という旅に出たのは大学時代のことでした。別の仕事をしながらも、常に『Before Your Eyes』の制作を続けてきました。そうです、これは僕らの「情熱」の塊だと考えています。最終的に、皆様にお届けできた事は本当に幸せだと思います。
――今後ゲームに組み込みたい人間の動作があれば教えて下さい。
ウィル氏秘密です!次回作をお楽しみに!
――今後どのようなゲームを開発する予定がありますか。
ウィル氏上記と同じく秘密です!
――日本のユーザーへのコメントをお願いします。
ウィル氏すでに『Before Your Eyes』を購入して下さった皆様、お買い上げありがとうございました。僕たちと共に旅に出てくれたことに感謝します。もしまだ購入されていないのであれば、一度プレイしてみてください。ネタバレはしたくないので多くは語りませんが、このゲームは人と人のつながりの大切さを物語っています。あなたの人生でも思い当たることがあるかもしれません。心に響く何かがあると思います。是非購入し、試してみてください。