今回は、スクウェア・エニックスが贈る『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』のニンテンドースイッチ版。1988年にファミコン向けソフトとして発売された『ドラクエIII』は、1996年にSFC向けソフトとしてリメイクされ、後に様々なプラットフォームに移植されました。ニンテンドースイッチ版もそのひとつです。
仲間の職業や性別を自由にメイキング可能で、ゲーム開始直後からフルメンバーで冒険出来るのが印象的ですね。
先日、再リメイク作品『HD-2D版 ドラゴンクエストIII』の制作開始が発表されたことを受け、今回、本作をプレイすることになりました。『オクトパストラベラー』で表現された、昔ながらの2Dドット絵と美しい3D背景を融合させたグラフィック「HD-2D」が『ドラクエ3』で体験できるなんて……早くプレイしたいですね!
それはそうと、本作のプレイ前に編集担当から「仲間の名前、小学生の時好きだった子のものにしましょうよ」と言われたのですが……
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少年時代は、生活の全てをゲームや漫画に全振りしていたので、好きな子はいなかった……。
そういう「RPGあるある」は僕にはない。
勇者てるかずと3人の仲間たち
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アリアハンの勇敢なる戦士オルテガは、「魔王バラモス」を倒すために旅立つが、その後消息を絶ってしまう。
そして時は流れ、16歳になったオルテガの息子は、消息を絶った父の跡を継ぎ、バラモスを倒すために旅立つのだった……。
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旅立ちの前に性格診断が行われる。質問の回答などによって性格・能力値が決まるぞ。
例えば「ずのうめいせき」な性格と判断されると「かしこさ」が変動する。「ねっけつかん」なら「ちから」が変動するのだ。
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僕は、本作を他のハードで何度もプレイしており、どの回答でどの性格になるのか把握しているので、ちからに補正がかかる「ごうけつ」の性格に決めた!
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性格診断が終わると主人公が目を覚ます。そしてすぐに城に向かい、王様に謁見することになった。
王に支度金としていくばくかのお金と装備を渡されるのだが……僕は知っているぞ。この城にもっと上等な装備や潤沢な資金が保管されていることを……!
まあいい。次は仲間集めだ。
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ルイーダの酒場で最大3人までの仲間を連れていける。最初からフルメンバーで冒険できるのは嬉しいね。
仲間の名前や職業は自由に決められる。せっかくなので僕の数少ないリアル友人と、編集担当の名前を借りよう。
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プレイ絵日記にも登場している安倍くんは、背が高くてガッチリしているので戦士だ。おなじくプレイ絵日記に登場している大原くんは、リアルで妻子持ちの無職なので遊び人。編集担当は、ライターとして数多くのバズリ記事の執筆や本連載の編集を手掛けており、かなりの知識(主にFAN◯Aのセール情報)を有していると思われる。魔法使いかな……。
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こうして、勇者、戦士、魔法使い、遊び人の、むさ苦しい男4人旅が始まるのだった。
遊び人の大原くん、もうちょっと働いて……
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まずはアリアハン周辺をくるくる回ってレベル上げだ。
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戦闘時の仲間の行動はAIに任せる。
これだと命令できないが、それぞれの仲間の行動に個性が出て面白そうだ。
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てるかずとあべが物理で弱らせ、まげまが呪文で殲滅する。
おおはらは……
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こら、おおはら!逃げるな、働け!
遊び人は、コマンド指示を出した場合でも、踊りだしたり逃げ出したりしてこちらの言うことを聞かない。自主性に任せている今は輪をかけて言うことを聞かない。
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いわばお荷物的な職業なのだが、そんな遊び人にも利点がある。
通常、賢者に転職するには「さとりのしょ」が必要なのだが、遊び人の場合はレベルが20になれば賢者に転職出来ちゃうのだ。
賢者は、魔法使いと僧侶の呪文を覚えるオールマイティーな職だ。とはいえ、転職可能なダーマ神殿にたどり着くにはゲームを3分の1ほど進めなければならない。
勇者、戦士、魔法使い、僧侶の組み合わせがバランスが良いのだが、回復魔法が繰り出せる僧侶が居ない現状では勇者のホイミと薬草が頼りだ。回復が追いつかなくてピンチになることもしばしば。
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あべは強固な守りで敵の攻撃を引き受け、まげまは圧倒的火力の呪文で敵を一掃する。てるかずはまあ、ぼちぼちの火力とホイミでサポートし、おおはらは3回中2回は戦わずに遊んでいる。働け……。
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そんな苦労の末、とうとうダーマ神殿にたどり着き、おおはらのレベルも20を超えた。
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神官に煽られているけど、とうとう遊び人から賢者に転職したおおはら!
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調子こいてるところ悪いんだけど、すでに「さとりのしょ」を手に入れているんだけどね。
現実の方の就職も頑張って!
お宝漁りは勇者の特権!
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今までお荷物だったおおはらが賢者に覚醒した結果、パーティーの一番のお荷物は勇者てるかずになってしまった。
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攻撃・防御力は戦士に負け、賢者と比べてMPも低いので回復役としても心もとない。そもそも「さとりのしょ」でまげまも魔法使いから賢者に転職したので、回復役は間に合っている。
そんな中途半端な立ち位置のてるかずを救ったのは、ちいさなメダルの交換品である「やいばのブーメラン」だった。
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ブーメランは全体攻撃が可能なので、全体攻撃呪文のイオラと合わせて使用すると大抵の敵は1ターンで倒せるようになった。ちいさなメダルさまさまだ。
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ちいさなメダルはダンジョンの宝箱、民家のツボ、花壇の中なんかに落ちている。
もちろん拾えるアイテムはちいさなメダルだけではなく、回復アイテムやステータスアップの種、装備品など様々だ。
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『ドラクエ』シリーズに初めて触れた子供の頃は「人んちのタンスやツボを漁るなんて……」と気が引けていたが……
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そんな感覚は麻痺し、何もかも図々しいおじさんになってしまった。
これまで様々なバージョンで本作を何十周もクリアしていたこともあってサクサク進んでいく。ただ、あまりにもサクサク進め過ぎたせいで、レベルがちょっと低すぎるな……。レベル上げ作業が必要だ。
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ゲーム終盤には、莫大な経験値が得られるはぐれメタルが出現するレベル上げスポットが存在するのだが……はぐれメタルは逃げる。とにかく逃げる。
会心率が高い武器や2回攻撃が出来る武器を使ったり、敵の攻撃を跳ね返す鎧を装備したりと万全の体制で挑んだとしても……逃げる時は逃げる。「あと1ダメージ与えれば倒せる!」といった状況でも逃げるのだ。
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もう諦めた……。
莫大な経験値といっても、たかだか雑魚戦10回程度の経験値だ。僕は、逃げられるたびにストレスを蓄積させないよう、「どうぞ、逃げて」と言わんばかりにはぐれメタルを無視して他の敵から倒すようにしている。
『ドラクエ』シリーズでレベル上げを楽しくするための、悲しき自分ルールなのだ……。
オリジナル版、スーパーファミコン版、ゲームボーイカラー版、携帯アプリ版……これまでに何十周もプレイしたゲームなのですが、今回も飽きることなく一気にクリアしちゃいました。
プレイ時間は35時間。終盤になって取り逃したアイテムを回収したりレベル上げをしたりとウロチョロしていたので、クリアするだけなら20時間ほどで出来ると思います。
僕がプレイしたニンテンドースイッチ版は、SFC版より画質は綺麗なのですが、キャラクターやモンスターのグラフィックがドット絵のような味わい深いものではなく、悪い意味で綺麗に描写され安っぽくなっていました。フィールドのグラフィックはSFC版に近いのに残念です。また、どこでもセーブ出来る機能はありがたかったのですが、コントローラーのボタン配置の設定や、バトル速度の調整など、僕が欲しい機能は実装されてなかったのがちょっと惜しいところでした。
ただ、そんな惜しいポイントがあっても名作であることには変わりません。『HD-2D版 ドラゴンクエストIII』は、制作開始が発表されたばかりでまだ発売は先ですし、すでに『ドラクエ3』をクリアした方も予習復習の意味を込めてプレイしてみてはいかがでしょうか。
吉田輝和のプロフィール:自画像の絵日記を20年以上書き続けている謎のおじさん。近年、「ちおちゃんの通学路(KADOKAWA)」や「お稲荷JKたまもちゃん(一迅社)」、「からかい上手の高木さん(小学館)」などの人気漫画のモブキャラとして登場しており、これまでアニメ作品に3回登場した。何故こんなに漫画に登場しているのか、描いた漫画家も吉田本人もよくわからないらしい。 最近、『スカイリム』を二人でプレイする絵日記企画「スカイリム二重人格ロールプレイの旅」をはじめた。同企画の最新話通知用Twitterはこちら。吉田輝和個人のTwitterはこちら。