気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Ishtar Games開発、PC向けに6月3日に早期アクセスが開始されたターン制ストラテジーRPG『The Last Spell』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、マップを覆うような圧倒的物量のモンスターとの戦いが特徴のターン制ストラテジーRPG。直接的な戦闘の他、稼いだゴールドやマテリアルを使用してバリケードやステータスアップ効果の建物を建設し、人類最後の要塞を護ります。記事執筆時点では日本語未対応。
『The Last Spell』は、2,050円(6月18日までは10%オフの1,845円)で早期アクセス配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。
Matthieu Richez氏(以下Matthieu)こんにちは。Ishtar Gamesの創設者であり、クリエイティブ・ディレクターのMatthieu Richezです。弊社を設立したのは15年以上前になりますが、インディーゲームを作り始めたのはここ数年です。過去の作品である『Dead In Bermuda』と『Dead In Vinland』ではゲームデザイナーを担当しました。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Matthieu本作の開発は3年前にスタートしました。私たちはちょうど一つ前の作品の最後のDLC開発が終わり、次に何をしようかと考えていたのです。私は、敵の大群から街を守るというターン制SRPGというものを思いつき、それが本作開発の起点となりました!すぐにわずか3人のチームで本作の中心となるゲームプレイのプロトタイプ開発を始め、そこから本作の規模も徐々に大きくなっていったのです。
――本作の特徴を教えてください。
Matthieu本作一番のアピールポイントは、非対称のゲームプレイだと思います。プレイヤーはわずか数人のヒーローを操作し、何百もの敵を相手にするのです。通常、SRPGにおいて相手の勢力は同じぐらいの規模ですので、そういう意味では斬新ではないでしょうか。
また、本作では異なるジャンルをミックスさせているのも特徴です。SRPGと基地建設、タワーディフェンス、ローグライクのシステムを組み合わせているのです。プレイヤーはまず、本作の少々難しいシステムを理解しなくてはいけませんし、それから自分で攻略法を見つけなくてはいけません。プレイヤーはヒーローたちと街を好きなように成長させることができるので、様々な戦略を試してみることができ、それが本作の面白い点だと思います。
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――早期アクセスはどれぐらいの期間を予定していますか?今後どのような要素が追加されるのでしょうか?
Matthieu少なくとも1年間の早期アクセスを予定していますが、もしかしたらもうちょっと長引くかもしれません…。すでに搭載されている要素よりも多くのものを期待していただいて大丈夫です。新しいボス、新しい敵、新しいアイテム、新しい建物、新しいスキル…そして新たな挑戦となる新しいマップも追加されます。私たちは本作のリプレイ性をとても高めたいと思っているのです。また、現時点で期待していたように機能していない要素については、時間をかけて改善していきたいとも思っています。また、メタ的な要素も膨らませて、クールなものがアンロックできるようにもしていきたいです。
――早期アクセスとしてリリースしてみた感想を聞かせてください。
Matthieu(これに回答している時点で)まだ一週間しか経ってませんが、素晴らしいです!すでにすごい量のフィードバックをいただいています。「Feature Upvote」システムを搭載しているので、「こういう要素が欲しいんだよ!」という声が直に届くようになっています。私たちは自分たちのアイデアでプレイヤーを驚かせたいとは思っていますが、プレイヤーと一緒に本作の最終版を作り上げたいとも思っています。そのため、早期アクセスはぴったりです。(すでにクローズドベータも行っており、それも大変役立ちました!)
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Matthieuうーん、特に特定のものから影響を受けたということはありませんが、「ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)/二つの塔」の角笛城の合戦といったシーンや、『ファイナルファンタジータクティクス』や『ファイアーエムブレム』シリーズといったSRPGからは影響を受けていると言えるでしょう。何百もの敵を相手にする、というゲームプレイで言えば、『無双』シリーズからも少しだけ影響を受けています。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能でしょうか?
Matthieuまだ対応していませんが、ぜひ対応させたいと思っています!有志翻訳を導入するためのシステムを搭載したいと思っているので、興味がありましたらDiscordにお越しいただき、担当のBrunoと話してみてください。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Matthieuそれほどありませんでした。コロナ禍の前から開発は始まっていましたし、パブリッシング契約についてもすでに締結されており、すべてが軌道に乗っていました。ツールやプロセスもすべてリモートワークに対応していたので、開発チームも楽に自宅からの作業に切り替えられたのです。同じ部屋でコーヒーを片手にアイデアを出し合う、という楽しみはなくなってしまいましたが…最終的には上手くいったと思います。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫でしょうか?
Matthieuもちろんです!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Matthieu本作を楽しんでいただけると嬉しいです!本作は、日本がパイオニアであり得意とするSRPGというジャンルを、私たちなりにアレンジしたものになります。自らを誇りに思っていただけると嬉しいです!
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に400を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。