2021年7月15日、『メトロ エクソダス』が次世代ハード用にパワーアップして帰ってきます!本プレイレポでは、本作のストーリーや魅力はもちろん、次世代機用にパワーアップされた映像表現や操作感といった点に注目して触れていきます。旧世代機と比較した画像も紹介しますので、そちらも是非参考にしてください。
なお、本記事ではPS5とPS4を使用しています。
『メトロ エクソダス』ってどんなゲーム?
『メトロ エクソダス』は、2019年2月15日にPC/PS4/Xbox oneにて発売されたシングルプレイ専用FPSゲームで『メトロ』シリーズの最新作です。前2作である『メトロ2033』『メトロ ラストライト』では核戦争で崩壊したロシアの地下鉄道「メトロ」を舞台にストーリーが展開しましたが、最新作である『メトロ エクソダス』では題名通り、地下からエクソダス(脱出)して、寒々しいヴォルガ川や環境変化によって灼熱の砂漠と化したカスピ海など様々な場所を旅していくことになります。
もちろん、地下鉄道の「鉄道」要素は続投。仲間と共に汽車へと乗り込み、崩壊後のロシアを冒険していくのです。
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『メトロ』シリーズで特筆すべきなのは世界観の素晴らしさ。完璧に構築された世界観の解像度は非常に高く、崩壊後の世界を描くポストアポカリプスの雰囲気やロシアの武骨な雰囲気に惹かれた方は楽しめること間違いありません。
また、スパイク・チュンソフトにより音声も含めた完全日本語化がされており、メインのセリフ以外にも周囲の雑談や喧騒といった背景音に関しても全て日本語で聞き取れます。もちろん、本場ロシア語で雰囲気を楽しみたい方はロシア語音声日本語字幕も可能です。
ゲームそのものの魅力に関して更に知りたい方は以前の記事を是非ご覧ください。
レイトレーシングでパワーアップした映像表現の美しさ
『メトロ エクソダス』では前述した通り地下世界から脱出して広大なフィールドを探索することになりますが、それでもやはり『メトロ』シリーズ。地下世界や閉ざされた環境での探索や戦闘も多くなっています。
そんな閉鎖環境の魅力を上げるのがレイトレーシング技術。前世代機版では暗い環境下では明度を上げた処理が施されており、暗いと漆黒になるはずの環境で妙に白っぽくなるという少し不自然な現象がありましたが、光の表現がよりリアルになったことで本物の暗さが再現されており、閉鎖環境での光の貴重さを感じます。
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もちろん、雲を突き抜ける柔らかな光や季節や昼夜に変わる光など、地上の開けた場所でも様々な光がリアルに再現されており、よりゲームの世界へと没入できるようになりました。
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また、画面全体の解像度に関しても大幅に向上しており、前世代機版ではボケたような画質だったのが次世代機版ではくっきりしています。画質の向上は大きな画面でプレイした際に顕著に恩恵を得られますが、本作のPS4版は他のソフトと比べても特に解像度が低く、筆者の使用している23型のモニターでもかなり大きな改善を感じました。
PS4版とPS5版の画像を見比べるとその違いは歴然です。以下では同じ場面での比較画像を添付しているので、是非見比べてみてください。その違いに驚くはずです。
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フレームレートが30FPSから60FPSにアップ!
PS4版『メトロ エクソダス』の明確な弱点はフレームレートの低さでした。フレームレート(FPS)とは簡単にいうと1秒間に画像を何回切り替えるかの数値、そのため、1秒間に切り替える画像の枚数が多いほど滑らかに見えます。
PS4版では場面によっては安定して30FPSが出ないこともあり、妙に目が疲れるといった違和感がありました。ですが、PS5版では安定して60FPSが維持されるようになり、映像の滑らかさが目に見えて向上しただけでなく、操作感も向上しています。PS4版では視点移動をすると「ぐにゃぁ」とした入力が遅延しているような感じがしたのですが、PS5版では安定した視点移動が可能です。
ちなみに、筆者はPS4で本作をプレイした際に酔ってしまったのですが、PS5版ではそうした肉体的なストレスを全く感じませんでした。これはフレームレートや安定性の向上で快適になった為と思われます。
テクスチャの解像度も向上
画面全体の解像度も上がっていますが、ゲーム内オブジェクトに張り付けられているテクスチャの解像度も向上しています。例えば、ヴォルガ川のステージで見られるクレーンの浮き出た錆は極限まで近づいても粗さが目立ちません。
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また、人物のテクスチャも解像度が上がっており、顔はもちろん、服の縫い目や毛糸の絡まりまでしっかりと確認できます。
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視野角とモーションブラーの調整が可能に!
視野角の変更は待望の要素と言っても過言ではありません。視野角を広げれば魅力的な世界観をより楽しめるだけでなく、かなり重めの操作感も少し向上したように感じました。視野角が狭すぎて酔うことも無くなります。
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また、モーションブラーを切ることもできます。前世代機では低いフレームレートを自然に見せる為、視点移動の際にかなりきついモーションブラーを効かせていましたが、次世代機ではフレームレートが高いのでモーションブラーを切っても不自然ではありません。
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コントローラーのアダプティブトリガーで銃を撃つ感触が伝わる
PS5の特徴でもあるコントローラーのアダプティブトリガーにも対応しています。トリガーを引く際の重さを再現しており、引くと銃の振動で少し押し戻される感じも体感できます。
PS4版で稀にあったトリガー入力の遅延も改善されているようです。
しかし、コントローラーの振動はPS4と比べてもそれほど発展していないように感じました。『ASTRO's PLAYROOM』のように水や雪の感触が再現出来ていれば更に楽しかったのですが、この点は少し残念です。
3Dオーディオで臨場感が更にアップ!
オーディオは更に奥行きのある表現が実装されています。PS5の純正ヘッドセット「PULSE 3D ワイヤレスヘッドセット」でPS4とPS5両者の音を聞き比べたところ、PS5版では明らかに音に広がりがあり、臨場感を感じました。
音に関しては媒体の性質上全てをお伝え出来ないのが残念ですが、音響効果の向上を明らかに体感できるレベルで進歩しています。
例えば、ヴォルガ川の教会に訪れた際には、周囲の信者が発する声の発生源が立体的に理解できました。
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ロード時間が大幅に短縮
ロード時間の短縮も嬉しい要素です。『メトロ エクソダス』では主にゲームの開始時と死亡によるリスタート時にロードがありましたが、PS5版では両者ともにロード時間が大幅に削減されています。
具体的な数字を述べると、最初のニューゲームの段階でPS4版では約2分かかっていたロード時間がPS5では35秒になっています。
また、冒頭で司令官を倒し、初めて兵士と戦った場面で死亡しリスタートした場合、PS4版では約30秒のロード時間がありましたが、PS5版ではロード時間が約2秒になっていました。
このロード時間の少なさはヴォルガ川やカスピ海に冒険の舞台が移っても同様で、どちらも5秒以内にはリスタート可能でした。PS4版では大きなストレス要素になっていた長いロード時間は完璧に解消されています。
前世代機版を持っている方は100円でアップグレード可!
これほど多くの改善がなされているのにも関わらず、前世代機版を所有(ディスク版・デジタル版どちらでも可)していれば100円でアップグレード可能です。
これは拡張DLCについても同様で、「2人の大佐」「サムの物語」両DLCに関しても各100円でアップグレードできます。
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これだけ多くの改善を100円で得ることができるのであれば、買わない選択肢はありません。実際、私はPS5版に慣れてからPS4版をプレイしたところ、あまりのクオリティの差にPS4版をプレイできなくなりました。
最近は対戦型のFPSゲームが人気ですが、ゲームの世界観へとどっぷりと浸れるストーリー主導のシングルプレイゲームはまさにゲーム界の王道。この夏はPS5向けにアップグレードされ、快適になった『メトロ エクソダス』の世界へと没入してみるのはいかがでしょうか。
アップグレード版『メトロ エクソダス』はPS5/Xbox series S|Xにて7月15日発売予定です。
- 【パッケージ版】
『メトロ エクソダス コンプリートエディション』
価格:4,840円(税込)
<収録内容>
■ゲーム本編
■DLC「2人の大佐」
■DLC「サムの物語」
【ダウンロード版】
『メトロ エクソダス(通常版)』
価格:3,520円(税込)
<収録内容>
■ゲーム本編
『メトロ エクソダス ゴールドエディション』
価格:4,840円(税込)
<収録内容>
■ゲーム本編
■DLC「2人の大佐」
■DLC「サムの物語」