『ENLISTED(エンリステッド)』は、『War Thunder』などで知られるGaijin Entertainmentがパブリッシングを、Darkflow Softwareが開発を手掛ける、第二次世界大戦を舞台とした対戦型MMOシューター。日本ではPC版がDMM GAMESより2021年7月20日に配信予定です。本稿では、そんな本作PC版の先行プレイの機会に恵まれたので、概要とインプレッションをお届けします。
本作は「ノルマンディー侵攻」を始めとした第二次世界大戦の実在する戦場をモチーフしたマップで、「連合」と「枢軸」に分かれて戦うFPS。最大20人(10vs10)のプレイヤーが参加し、AIを含むと最大180人による大規模な戦闘が楽しめます。いわゆるお祭り感が味わえるような、言ってしまえばそこまで死の責任が重くないカジュアルなデザイン。しかし戦場に立っている時間は、とても濃密で臨場感に包まれていると言えます。
分隊を動かす独特なシステム
2~9人で編成された分隊の1人を操作することが戦いの基本となります。特筆すべきは、たとえ操作しているキャラクターが倒されてしまっても、別の分隊員が生きていれば操作を切り替えて戦闘を続けられる点でしょう。また、戦場で分隊員を切り替えて戦うことも可能。操作していない分隊員はAIによって自動で戦い、プレイヤーが大まかな指示を出すこともできます。
ただ、指示を出しても闇雲に飛び込めば死んでしまうので、プレイヤー自身の行動に気を配る必要があります。先走ってプレイヤーだけ前線へ出てしまい、キャラクターを切り替えたらはるか遠くにいた……なんてことも。分隊をどのようにコントロールするか、RTSのような思考を持って戦略的に立ち回るのも楽しいでしょう。また、多くのAI兵士が存在するゆえキルが取りやすく、活躍している感覚を得られます。
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本作の大きな要素として、分隊のカスタム機能が挙げられます。分隊の人数を増やすほか、分隊員の持つ武器をはじめとした装備や兵種をカスタマイズできます。足の速度や武器の切り替え速度向上といったパーク要素も、兵士ごとに設定が可能。様々な戦局に対応できる汎用性の高い分隊を作り上げるも良し、積極的に前線で戦うためのカスタムをしても良し。プレイヤーの個性の発揮しどころです。
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また、これは育成要素も兼ねているもので、分隊のレベルを上げると徐々にカスタムの幅が広がっていくのもモチベーションの一つになるでしょう。ここは追加費用を支払えばスキップも可能です。その他にも「1回のバトルで10拠点を奪取する」といったゲーム内でリワードを達成すると、新たな分隊や兵士を開放できるアイテムが手に入る要素も用意されています。また、「連合」と「枢軸」それぞれにレベルが定められており、このレベルを上げると新しい分隊や銃、ビークルの開放もできます。
迫力に圧倒される“戦場感”
出撃してまず驚いたのが、“戦場感”でした。本作の環境表現はかなり高いレベルにあります。戦場に降り立つと、まずグラフィックの美しさに驚くでしょう。道端の草や、燃え盛る戦車の炎といった細かい部分がリアリティを持っています。まじまじと眺めても耐えうるクオリティです。
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なお、筆者がプレビューで使用したPCは、GTX 1660 SUPER・Core i5 10400Fと、決してハイエンドなスペックではないにも関わらず、ほぼ全て設定を最高にしても100fps前後で安定して動作していました。もちろん、環境やマップによって大きく変わる可能性がある点はご留意ください。
更に、戦場への没入感を高めてくれるのが、迫力のあるサウンドです。敵兵が撃った弾が耳元をかすめる感覚や、付近でグレネードが爆発した際の耳鳴り、低空飛行する航空機の轟音などがしっかりとメリハリを持って表現されています。それに合わせて適度なカメラ揺れやモーションブラーなどもあり、一つ一つの他プレイヤーの起こしたアクションがダイレクトに伝わり、臨場感が高まっていきます。
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また、敵兵士を視界にとらえてもハイライト表示や、瞬時にスポットされることはありません。完全に目視での索敵が求められる点も、敵を見つけても「あれは敵か?」から始まる撃ち合いは、戦場体験に緊張感をもたらしています。
操作感覚としてはキャラクターコントロールの容易さや、無いに等しいリコイルは、数多くの兵士が一つの戦場を共有しているという点でも、近年の『バトルフィールド』シリーズに近い印象。ここ数年、FPS界隈では少人数でのタクティカルシューターが主流となりつつありますが、やはり一人ひとりの責任が軽いFPSというのは、カジュアルに遊ぶことができます。
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大きな力を持ちつつも癖の強いビークル
乗り物の操作は忙しく感じました。というのも、戦車分隊の分隊員が、銃手・指揮官・通信兵・運転手といった役割を持って戦うことになるからです。役割ごとの視点(つまり砲手であれば実際に戦車から観る視点)を強制されるため、戦場を広く観るにはキューポラ(戦車の天面にある出入り口のこと)から顔を出す指揮官を選択する必要があり、これらを切り替えながら進軍しているとかなり忙しい。戦車を主としているわけではないのにこのこだわりには驚かされます。
操るのは少々難しい分、大きな威力を持った重火器をぶっ放せるので、戦場では大きな存在感を示せるでしょう。この他にも、航空機や移動に使用できる小さなビークルも用意されています。
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ハードコアな一匹狼モード
分隊にフィーチャーしたゲームモードが主体になると感じましたが、一人でのみ出撃するモードも用意されています。その名も「一匹狼」。分隊から一人のみ出撃するモードで、キャラクター切り替えなどはありません。また、基本となるインターフェイスが簡略化されていて、マップやキルログなどは表示されません(Mキーでマップは開くことは可能。)。さらに着弾時の表示と、キルを取った際の表記もないため、視覚から得られる情報のみで全てを理解する必要のある、ハードコアな戦場体験が楽しめます。
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一人の兵士としてだけではなく一つの分隊として出撃する感覚は対戦型FPSとして新しく、美しいグラフィックと迫力のあるサウンドに彩られた、臨場感あふれる戦争体験は魅力的でした。新鋭MMOシューター『ENLISTED(エンリステッド)』は7月20日にDMM GAMESよりリリース予定。現在公式サイトでは事前登録を受付中です。