最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回は2021年7月28日にパブリッシャーDear VillagersおよびデベロッパーModern Storytellerlより、PC(Steam, GOG.com, Epic Gamesストア)およびPS5/PS4(海外)、Xbox Series X|S/Xbox Oneを対象に配信された『The Forgotten City』の爆速プレイレポをお届けします。なお、2021年Q3にはニンテンドースイッチ版も登場するとのことです。
『The Forgotten City』とは
本作は、2000年前の古代ローマ帝国における秘密の地下都市を舞台に、タイムループを利用して同じ時を繰り返しながら、会話や探索、パズルを解いて街にうごめく陰謀を解き明かしていくミステリーアドベンチャーゲームです。
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ひょんなことから、2000年前の地下都市に飛ばされたプレイヤーは、「黄金律」と呼ばれる呪で統制された都市に閉じ込められてしまいます。個性豊かな住人達の悩みの解決には、論理的な選択が迫られることも。マルチエンディングを採用し、どの様なエンディングを迎えるかはプレイヤーの行動次第です。
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原作は2015年にリリースされた『The Elder Scrolls V: Skyrim』の大型MODで、本作はそれを元に原作の制作者達が4年を掛けてリメイクし、製品化した作品です。原作MODの魅力はそのままに脚本は約2倍、新たなエンディングや美しいグラフィックと音楽、プロの声優による演技などが一新されています。
アドベンチャーゲームなだけに、本稿はトレイラーで出てこないネタは避けてレポをしていきたいと思います。
言語設定は変更しない!
本稿は、Steam版を使用している為、他機種に関しては未確認ですのでご了承ください。記事執筆時点のバージョンでは、日本語未対応の表記ながら、日本語でゲームを楽しむことが可能でした。(修正され、日本語は削除された模様です。後の正式実装に期待しましょう)
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特別な設定も必要なく日本語版を遊べましたが、実際のオプション画面では言語設定ではロシア語として表示されています。さらに、もし言語の設定を操作してしまうと、オプションに日本語の選択肢がないため日本語表示にもう戻せません。これはおそらく、正式な日本語版の配信がまだ行われていないための状況であり、今後正式な日本語実装に伴い修正されると思いますが、注意しましょう。
『The Forgotten City』の実内容に迫る!
時代は「現代」、川岸で目を覚ます場面からゲームは始まります。どうやら意識を失ったまま川で流されていたところを、見知らぬ女性に助けてもらったようです。まずは、プレイヤーの性別、人種、職業の選択をします。
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職業は「考古学者」「軍人」「逃亡者」「記憶喪失」の4つ。考古学者であれば「時折専門的な考察」ができ、「軍人」は10発だけ撃てる銃を携帯、「逃亡者」は逃げ足が25%早く、「記憶喪失」は許容ダメージが50%上がるといった特徴があります。
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今回は、考古学者を選択。カレンと名乗る女性と会話を続けると、どうやらアルという知り合いが遺跡の探索に出たきり戻ってこないらしく、懐中電灯を手渡され探しに行くことに......。
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アルを見つける過程で落とし穴に落ち、きらびやかな黄金の像が立ち並ぶ、古代ローマの地下都市が目の前に現れます。古代遺跡の奥にポータルを見つけ入ると、都市がまだ栄えていた2000年前の過去に迷い込んでしまいます。
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架空の都市を舞台にした本作ですが、建築物やアート、衣装や風俗習慣は古代ローマ時代の資料を基に美しく再現されており、謎解きの合間に観光気分に浸ることも。また、一部のオブジェは手に取って見れます。
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「ひとりが罪を犯せば、全ての人が死ぬさだめとなっている」黄金律と呼ばれるこの言葉が本作のキーポイント。都市の至る所この言葉を見つけることができ、このルールによって街が統制されているため、黄金の像が輝く街の情景とは裏腹に、街の住人は恐怖を抱きながら暮らしています。街を統制する政務官センティウスが、この言葉は真実と人々に説いたものの、この話は嘘で恐怖を与えて支配するために広めた作り話と疑う者もおり、選挙によって政権交代を目論む住人も。
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「盗み」や「殺害」を行い、黄金律を破ると「ひとりが罪を犯せば、全ての人が死ぬさだめとなっている」と天からの声が響き渡り、画面は一転モノクロに。点在する黄金のガーディアン像が動きプレイヤーや住人を弓矢で襲い、人々を黄金の像へと変えていきます。
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黄金律が破られると、スタート地点に再度ポータルが開くので、黄金の像にされてしまう前に向かいましょう。ポータルに入ると時間が戻り全てがリセット。このタイムループを使って、何度も同じ時間を巡りながら探索を繰り返し謎を解いていきます。
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アクションも一部ありますが、武器を手に取り攻撃したり、アイテムを盗んだりしているだけではクリアできません。本作の最大の魅力は街の住人達。個々のキャラクターにはバックグランドがあり、さまざま悩みを抱えながら日々暮らしています。各キャラクターから話を聞いて、彼らの悩みや共通点を見つけていくことで次第に謎が明らかに。トラブルに巻き込まれる場面もあり、会話の選択次第で黄金律を破ってしまうことも。論理的な思考と経験が重要です。
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街全体はそれほど広くはないものの、高低差と入り組んだ地形によりあまり狭さは感じません。住人から受けた依頼は同時進行でき、自由に切り替え可能です。目的地はフィールド上に表示されるので、次行くべき場所が分かりやすくなっています。
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原作がスカイリムのMODだけに、プレイヤーの行動にあまり制限はないようです。初プレイ時にポータル入口で出会う「ガレリウス」が、街の案内をしようと買って出てくれたものの、それを無視して反対側へ。
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そのまま探索している内に、最初に会って依頼を受けるはずのNPCを飛ばしてしまった様で、他のNPCと会話をすると聞いたことがない人物の名前や言葉が出てくるので、会話の内容に付いていけない場面も......。それでもタイムループを繰り返している内に、自分の中で情報が消化され、最初に感じた訳が分からないという感覚が無くなり、いつの間にか次の展開が気になってしまいます。
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アクション面では、FPSの要素はありますが先に述べた様に敵と戦う場面は多くはありません。どちらかというと、進行不可能だった場所に辿りつく為に必要な要素といったところです。また、フォトモードもありいつでも観光気分で古代都市を写真に納められます。残念な部分としては、NPCとの会話がゲームの大半を占めるため、もう少しキャラクターの表情や動きにもこだわってくれていたら、より演出も含めて楽しめたのではと思います。
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ここまで紹介してきた『The Forgotten City』ですが、本作をプレイしていて、この感覚に似ている映画をふと思い出しました。ビル・マーレイ主演の「恋はデジャ・ブ」。本作と同様に1つの街に閉じ込められ、主人公だけが記憶を覚えていて同じ日を何度も繰り返す恋愛物です。
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本作の初回プレイではあまりNPCの悩みや依頼を掘り下げずに進めたため、謎は謎なままにエンディングを迎えることになってしまいました。映画同様に、真のエンディングを観る為には、何度も試行錯誤を繰り返さないと辿りつけないことでしょう。多くの個性的なキャラクターとの物語がどういう結末を迎えるのか、アドベンチャーゲーム好きは一度是非プレイしてみてはいかがでしょうか。
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対応機種:PC(Steam, GOG.com, Epic Gamesストア)PS5/PS4(海外)、Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日: 2021年7月28日
記事執筆時の著者プレイ時間:4時間
価格:2,570円