気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Binogure Studio開発、PC/Mac/Linux向けに8月25日に正式リリースされたゲーム会社運営シミュレーション『City Game Studio: a tycoon about game dev(以下City Game Studio)』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、ゲーム会社を設立し運営するシミュレーション。人を雇ってゲームを作るだけでなく、オンラインストアを開設し運営したり、競合他社にスパイ工作をしたり、ゲームショウに出展したり、ゲームを他の機種に移植したりなど、ゲームに関する様々なことを行えるのが特徴です。記事執筆時点では日本語未対応。
『City Game Studio』は、1,640円(8月31日までは25%オフの1,230円)で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Xavier10年ほどゲーム開発をしているXavierです。Binogureとも呼ばれています。フランスに引っ越してくる以前はモントリオールに住んでおり、ユービーアイソフトで働いていました。日本が大好きなので、将来は日本にも住んでみたいと思っています。
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
Xavier難しい質問ですね。本作はまさに賭けでした。1人でゲームを作るというのは難しいことだと聞いていましたので、自分にできるかどうかわからなかったのです。めちゃくちゃすごいゲームや素晴らしいグラフィックのゲームを作れるとは思っていませんでしたが、それでも、自分1人で何か一つのものを作り上げてみたいと思ったのです。
――本作の特徴を教えてください。
XavierAAAタイトルを作るには100人が必要です。そしてそのためにはいくつかのスタジオが共同で作業をする必要があります。本作の特徴は、いくつかのスタジオを同時にマネジメントし、一つのプロジェクトに打ち込めるという点にあると思います。それは大規模タイトルかもしれませんし、デジタルストア、独自開発のゲーム機、もしくは最先端のゲームエンジンかもしれませんよ。
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――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Xavier本作は好奇心旺盛な人に向けたゲームです。細かなことに気が回る人は、本作をプレイし始めればすぐに遊び方がわかるでしょう。しかし何より、本作は自分の身の回りで起きていることをもっと知りたい、という人にぴったりなゲームです。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Xavier本作は『Game Dev Tycoon』『シムシティ2000』そして少しだけ『The Sims』からも影響を受けています。本作に登場するミニゲームは、米国のテレビドラマから影響を受けていますね。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能でしょうか?
Xavier日本語にはぜひ対応させたいと思っていたのですが、本作は一切の資金援助を受けずに作られましたので、予算がありませんでした。しかし、誰でも日本語訳を本作に追加することが可能です。そのためにはこちらにあるファイルのどれかを日本語に翻訳し、私に直接メールでお送りください。それか、直接Githubにアップロードしていただいても結構です。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Xavierマーケティング面でいくつか問題が生じました。私が本作のプロモーションをしようと思っていたほとんどのゲームショウがキャンセルになってしまったのです。逆に言えば、本作の開発に集中できたとも言えます。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Xavierはい、配信、動画作成、そしてそれを販売するのも自由です。本作に使われている音楽はsoundcloudで無料で公開されています。一番重要なのは、プレイヤーの方に本作を楽しんでいただくということです。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Xavier皆さんに謝らなくてはいけません。日本の家庭用ゲーム機向けのゲーム開発のためのライセンス交渉をする際に出てくるキャラクター…どう見てもカートゥーンに出てくる悪者ですよね…でも写真を見ながら一生懸命描いたんです…本当に申し訳ありません。
――…ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。