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ベンキュージャパンが販売するゲーミングモニター「BenQ MOBIUZ EX2710Q」。ゲーミングモニターでは大きめの部類である27インチに165Hzのリフレッシュレートを備え、HDRiで臨場感のある映像を楽しめる本製品をお借りすることができたため、レビューをお届けします。
24インチからの移行は大きく感じられるが、デスクトップが広くなるのは最高
まず筆者の環境について説明すると、現在プライベートで利用しているモニターが、BenQ XL2430、144Hz駆動のモデル。本製品はそれより一回り大きい27インチで、対応解像度もWQHD、2560x1440と27インチならではの広々としたデスクトップが体感できるだけでなく、パネルはIPSとゲーミングモニターの中でも群を抜く仕様。応答速度も1ms MPRT(Moving Picture Response Time)/2ms GtGと高速です。入力はHDMI 2.0x2、DisplayPort 1.4x1を搭載。USB 3.0のハブとしても利用することができ、仕事用としても快適だなと思うほどのスペックを誇ります。
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従来のディスプレイと同じ位置に設置するとなかなか大きく感じます。ベゼルが非常に薄く、スピーカー搭載部があるため、余計にそう感じるのかもしれません。筆者は元々近めにディスプレイを設置しているため、このサイズ感だと少し離した方が画面全体を見やすいなと思いますが、ここに関してはユーザーによって感覚が大きく異なる部分でしょう。なお、色味に関してはカスタムのデフォルト設定で利用してみましたが、概ね問題はなく、他のディスプレイと同様、自身で軽く調整してあげるとよりバランスが良くなるかな、という印象でした。
そのほか、本製品にはフリッカーフリーやブルーライトカット、ブライトネスインテリジェンスプラス(色温度や輝度を自動調整機能)など、BenQお馴染みの技術が搭載されており、目にも優しい設計です。
電源のON/OFFやモード変更等の操作は背面にあるスティックとボタン2つで行います。正面右側にあるボタンはHDRiのショートカットとして利用し、簡単に切り替えが可能。背面側に関しては、液晶部分ではないところを押さえて操作しようとすると若干操作がしにくく、惜しいと感じました。
高品質スピーカーを搭載し、リスニングにも耐えうる
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本製品に搭載されているオーディオモードをまず説明すると、FPSモード/レーシングモード/スポーツモード/シネマモード/ポップ・ライブの5モードが搭載されており、それぞれ特徴に合わせたチューニングがなされています。正直なところを言うと、筆者はTVやモニターに搭載されているスピーカーは基本的におまけと思っていますし、プライベートでも使用することはありません。搭載可能なサイズや価格帯の都合上、どうやっても良いサウンドは出しにくいからです。
といった偏見を踏まえた上で本製品のサウンドをレビューしてみます。FPSモードは少し腰高な(ドン)シャリといった感じで、確かに銃声や足音などは聴きやすそうな出音。次にレーシングモードですが、車でカーステレオのBASSをめちゃくちゃ上げた感じ、と言えば良いでしょうか。かなり重低音がブンブンしています。
スポーツモードはFPSモードよりも更にドンシャリにした感じです。シネマはFPSモードの重低音を強化した出音になっており、まさにこれで洋画を見たいといった気分にさせてくれます。最後にポップ/ライブモードですが、最もヘッドホンに近い出音をしている印象を受けました。
個人的にはスピーカーで迫力のある音を楽しみながらゲームをするのであれば、ポップ/ライブモードやシネマが間違いなくおすすめ。ちょっと低音が大きくて気になるな……という方はFPSモードだとしっくり来るかもしれません。
気になる定位感ですが、きっちりと左右もわかりやすく、まさに「そこに音がいる」といった印象。流石に奥行きの表現はそこまで高くないですがステレオ感は高く、その辺から鳴っているという印象は全くなく、鳴っている場所が見えるよう。ゲーミング用途としては十分すぎる音質ですし、音楽鑑賞用としても十分な性能を発揮してくれるでしょう。
BenQ独自のHDRiが実力を発揮する
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本製品にはHDRiという独自技術が搭載されており、公式サイトによると「HDRiは、明瞭さ、ディテール、色のHDR効果を大幅に強化するインテリジェントなテクノロジー」とのこと。また、HDRiは通常のHDRとGame HDRi、Cinema HDRiの3モードと、HDRオフの合計4種類から選ぶことができます。実際にPS5でゲームをプレイしてみて、どの程度違うのか確認をしてみましょう。
『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』
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まずプレイしてみたのは『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』。色鮮やかな画面が特徴とも言える本作ですが、PS5を接続しているHDMIに切り替えると、自動的にGame HDRiモードに切り替わります。ゲームを起動して色鮮やかなシーンや明暗の差が大きいシーンで、各モードを切り替えて確認してみましたが、Game HDRiが群を抜いて鮮やかに表示されていました。Cinema HDRiも悪くはないのですが、映画向けといった、少しだけ色鮮やかさを抑えた雰囲気の良い色味になり、通常のHDRでは彩度やコントラストが低いというか、色に深みがありません。
Game HDRi、Cinema HDRiのどちらも、表示自体は色鮮やかであるものの、目が疲れるような状態にはなっておらず、また色飛びも発生していません。こういった点は、やはりIPSパネルだからこその色表現というのもあるのかもしれません。
『Apex Legends』
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次にプレイしたのはApex Legends。やはり『ラチェット&クランク』同様、色味がPCでプレイしたよりもかなり深いです。また、PS5でプレイしていますが60FPSまでしか出ないものの、十分に滑らかな動作を得られており、かなり快適にプレイできます。また写真ではわかりづらいかもしれませんが、PCでプレイしている時と比較してもより高品質さを感じます。とはいえ、ゲーミングモニターである本製品の実力は60FPSでは測ることはできません。
というわけで、本来予定にはありませんでしたが、筆者の独断でPC環境でもプレイしてみました。画面の滑らかさに関しては数字通り。165Hzというリフレッシュレートは高FPSを出せる環境であればアドバンテージになりますし、大きな画面も若干敵が見やすくなり、想像以上の快適さでした。
特筆しておきたい点として、一般的なゲーミングモニターとは異なりIPSパネルを採用していることで視野角が広くなり、角度を大きくつけても色が変わりにくく美しいこと。筆者はゲーミングモニターを正面に置いていても、端の方では多少色変してしまうのが気になっていましたが、本製品では全く気になりませんでした。こういった点が気になるユーザーにとっては、マストバイであると言えるでしょう。
液晶・スピーカー部としては良いものの、操作性は難あり
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しばらく使用してみても液晶部、スピーカー部ともに不満はなく、非常に快適と思えるほど。しかし、筆者のようにHDMI・DPポートをフルに利用しており、頻繁に切り替えを行うようなユーザーにとっては、やはり背面にスティックが配置されているため、操作しにくいといった点では不便を感じることも。操作も人差し指と薬指をボタンに当て、中指でスティックを操作する感じになりますが、凹みなどのガイドもなく、そういった点が改善されればユーザービリティも上がりそうです。
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EX2710Qは、現在家電量販店やオンライン通販サイトで販売中です。なお、BenQは9月30日から開催される東京ゲームショウ2021で、本稿でご紹介した「MOBIUZ」ブランドのモニターや「ZOWIE」ブランド、さらに日本初の4Kゲーミングプロジェクターがプレス・ストリーマー向けに試遊・展示予定。詳細は後日アナウンスされるとのことです。
製品ページリンクTGS2021 ベンキュージャパン特設サイト