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主観視点による迷宮探索の冒険を描く、いわゆる「ダンジョンRPG」というジャンルは、その黎明期から今日に至るまで根強い人気を集めており、近年でも独創的な作品がゲーム業界をたびたび賑わせています。
先日早期アクセスが開始された『ウィザードリィ外伝 五つの試練』も、ダンジョンRPGに分類される作品のひとつ。キャラクターメイキングから始まる自由なパーティ編成や、クラシカルで骨太なバトルなどが存分に楽しめる1作です。
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本作は、死と隣り合わせの戦闘を含めたハック&スラッシュ要素が特徴的ですが、あらかじめ複数のシナリオが用意されており、多彩な物語とそのシチュエーションを広く味わえる点も見逃せません。冒険者にとって、どんな冒険にチャレンジできるのかは、非常に大切な問題です。
今回は、収録されているシナリオのひとつ「ガルヴァンの酢漬け男」のプレイを通して、本作で展開する冒険の魅力を、そして歯ごたえをお届けします。「ガルヴァンの酢漬け男」で待ち受け得る意外なギミックや、死が交錯する危険な地下迷宮探索を垣間見てください。
■「ガルヴァンの酢漬け男」は、タイトルに負けないユニークさで冒険者を迷宮に誘う……その先に待ち受けるのは、栄光か死か
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筆者は、本シリーズを含めて様々なダンジョンRPGに挑んできましたが、ここしばらくは迷宮探索から遠ざかる日々を送っていました。久しぶりの復帰なので、新たな冒険への期待に胸を膨らませると共に、カンが鈍っていないか一抹の不安を抱えつつ、いざプレイ開始。
早速冒険に行きたいところですが、まずはキャラクターの作成から。冒険者がいなければダンジョン探索は始まりません。それどころか物語の導入にも入れないので、逸る気持ちを抑えてパーティメンバーを揃えます。
酒場には作成済みのキャラクターが何人かいますが、編成も攻略の要になりますし、自分で作成した方が愛着も湧くので、個人的にもキャラメイクがお勧めです。
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フルメンバーの6人分を作成・編成し、街の中にあるルテフィスク城へ。その広間には、傷ついた多くの冒険者たちが横たわる寝台が並んでおり、まるで野戦病院のような有様。冒険者たちは酸の息を食らって身体が腐食しており、想像するだけでもかなりハードな状況です。
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「この国を救うため」といった壮大ながらふわっとした目的ではなく、「治癒の見通しも立たない冒険者たちのため」という、現実的な重みが伴うミッションに挑むべく、作成したばかりのパーティで「ガルヴァンの迷宮」へと足を踏み込みます。
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画面全体に広がるダンジョンの景観は、暗闇の先に何が待ち受けているのかと、想像力を刺激する不気味さに満ちています。この迷宮の先に、今も看護を受ける冒険者たちを救う希望が果たして眠っているのか。いざ、冒険の始まりです。
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未確定の敵と戦いながら、まずは地下1階を探索。初期状態で購入できる装備は貧弱ですし、キャラクターたちも弱いため、無理をせず1歩ずつ進めていきます。
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昇降機を発見するも、“停電のため使用不能”。現時点では進展がなさそうですが、こうした手探りの探索をひとつひとつ積み重ねていくのも、ダンジョン系RPGの醍醐味でしょう。
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引き続き探索を続けると、気になる扉を発見。どうやらこの先で、酒盛りが行われているようです。そのためか、この扉を通り抜けるには「ビール持参」という条件が。試してみましたが、今はまだ入れませんでした。
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どこかでビールを入手すれば先に進めるに違いないと予測し、探索続行。しかし、現段階で動ける範囲はB1Fの半分ほど。さほど労せず、行けるところは行き尽くしてしまいます。
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レベルは上がるも、探索の糸口は見えず。やはり「ビール持参」の扉が怪しいのですが、ダンジョン内でビールが見つかる気配はありません。ランダムドロップという可能性に賭け、ひたすらバトルに励みます。
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しかし、ダンジョン探索は死と隣り合わせ。戦闘で命を落とすこともあれば、宝箱のトラップに引っかかることも。罠の種類を読み間違えて爆弾が暴発し、6人中4人が死亡というピンチに立たされます。まだ2人残ってるので、ここから立て直しを図れば!
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意気込み空しく、帰還できずに全滅……序盤からまさかの展開です。さすがの骨太ぶり。
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久々のダンジョン探索だったため、甘くみていたのかもしれません。気合いを入れ直してキャラメイクからリスタートし、今度はボーナスポイント高めを狙って試行錯誤。その結果、最高でボーナスポイント49の良引きもあり、出だしのいい再スタートとなりました。
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着実にバトルを重ね、LV3まで順調に成長。B1Fを回る分には、かなり安定した状況に。ですが、相変わらずあの扉から先に進む道が見えません。
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八方塞がりな中、なんとなく商店でアイテムを眺めたところ……そこには「ピルスナーの瓶」が! そのほかにも、スタウトやランピックなど、いわゆる「ビール」が並んでいます。
そうか、買ってくればよかったのか! こんなシンプルな手段が思いつかないなんて、どうかしてました。しばらく冒険から離れると、カンが鈍っていけません。ともあれ、これで先に進めそうです。
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そこで早速購入しようと思ったら、まさかの「未成年には売れませんよ」のメッセージ。キャラメイクしたばかりなので、確かにこちらの年齢は14~15歳ですが、ファンタジー世界にも厳しいコンプライアンスがある模様です。
キーアイテムがなくて先に進めないのは、ゲームでよくある展開です。が、まさか年齢制限が壁になるとは……。「ガルヴァンの酢漬け男」、序盤から意外な切り口で惑わせてくれます。
とはいえ、年齢を上げる方法が思いつかないわけではありません。宿屋で馬小屋以外に泊まれば時間が経過するので、いずれ歳もとるでしょう。また、これまでの経験上、蘇生や転職などで年齢が上がったりもするはず。
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しかし、お金はなくて装備も貧弱、LVも低い序盤の状態では、どの選択も非常に実質的に不可能です。蘇生の呪文も当然覚えていませんし、まともな転職もまだまだ視野に入れる段階ではありません。
他に何か方法があるかもしれない……そんなわずかな希望に縋る思いで、すっかり行き慣れたB1Fを何度も往復します。
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その結果、なんと新展開を迎えることができました! 奥まった場所に隠し扉を見つけ、ビール所持の関門の裏をつくような形で潜入に成功。やはり冒険は、諦めないのが肝心です……と、知った風なことを言ってますが、実は盗賊が自動的に気づいてくれたという顛末でした。
隠し扉のチェックは、ダンジョンRPGにおける基本のひとつ。なのに、それをすっかり怠ってしまいました。目星をつけた「ビール」は必須アイテムではなく、カンは鈍ってるわ探索も片手落ちだわと、恥ずかしさ倍増です。
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「ビール持参」に引きずられてちょっと遠回りになりましたが、隠し扉から先の探索はスムーズに進み、鍵などのアイテムや「酢漬け男」に関する断片的な情報が集まり始めます。
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B2Fへの階段もスムーズに見つかり、探索の範囲が拡大。敵の強さが増したものの、紆余曲折なプレイのおかげでLVがしっかり上がっており、大きな苦労もなくマップが埋まっていきます。
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強くなった証拠に、爆弾を暴発させても2人しか死んでません! 大きな進歩です。そもそも爆発させるなというご意見は非常に効くのでおやめ下さい。
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ビールのミスリード(とプレイヤーのうっかり)に一杯食わされたB1F、育成が進んだお陰でサクサクと進めたB2Fと、対照的な進行を経ていよいよB3Fに突入。ここから、ダンジョンの手強さが本格的に牙を向き始めます。
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B3Fはまず、ダークゾーンに回転床と、ダンジョンRPGでお馴染みのギミックが登場。どちらも、魔術師の呪文で呼び出すマップで逐一確認すれば打破できるものの、使った分だけ呪文回数を消費してしまうのがネック。また、万が一魔術師が倒れると、帰還の難易度が跳ね上がるのも懸念すべき点です。
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さらに、隠し扉や避けられない強敵とのバトルなど、冒険者の知恵と腕前が問われる場面がグッと増えており、ますます油断がなりません。しかも、ある敵との戦いは、レベルドレインの危険性も孕んでおり、ダンジョン探索の厳しさを改めて思い知らされた場面も。
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そして、このB3Fでは物語も進展を見せます。このダンジョンの奥深くに、“G”と呼ばれる存在が待ち受けていること。この“G”が異変の元凶であり、かつてはガルヴァンの領主だった事実も判明します。
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物語の背景に触れ、手強いギミックを乗り越えた先に待っていたのは、薄暗いダンジョンに似つかわしくないほど澄んだ液体を湛えた水槽。飲んでHPが回復したり、アイテムを落としてイベントが起きるなど、RPGの定番シチュエーションが思い浮かぶところですが、本作の場合はひと味違います。
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うっかり入ると、身体が溶けてしまう大惨事! いくらシナリオのタイトルが「ガルヴァンの酢漬け男」とはいえ、これは流石に想定外ですし、インパクト大きすぎです。
もちろんこの有様なので、入ったキャラは死亡状態。蘇生こそ可能ですが、ダンジョンの奥深くでひとり死亡はいただけません。また、水槽に絡む展開について、この流れは当然不正解。正しい回答を見つけないと、B4Fには進めません。
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詳細はネタバレなので避けますが、ここの謎をクリアすることでB1Fの昇降機を作動させることができ、そこからB4Fに直通で到着。ここから敵の攻撃は更に苛烈になり、範囲系の攻撃呪文が飛び交うことも。どれほど厳しいかと言えば……。
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はい、2度目の全滅を迎えました! 気を付けていたつもりだったんですが、範囲呪文の連発を前に為す術もありません。
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1stパーティを救出すべく、2ndパーティの育成に取りかかったり、B4Fに進むキーアイテムを集め直すなど、“探索のための探索”という回り道に励むことになりました。が、これもまた、ダンジョン系RPGの味わいと言えるかもしれません。
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何度も回り道をする羽目になりましたが、その甲斐あってB4Fも終盤に。そこに待ち受けていたのは、なんと──液体で満たされた円柱に漂う男性。この彼こそがタイトルが指す「酢漬け男」でした。
果たして、この「酢漬け男」がどのような真実を語るのか。ここから先の展開については、実際にプレイし、その目で直接お確かめください。
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「ガルヴァンの酢漬け男」の冒険は、B5F以降も続き、強敵との戦いも待ち受けています。特にボスとの戦いは、このシナリオを象徴するような激戦になるので、プレイする際は十分な育成と万全の体勢を整えるのがお勧めです。
ユニークな展開あり、そして冒険にはつきものの全滅もあり。バトルもシナリオも、最後の最後まで油断出来ません。これからプレイに臨む方は、冒険心を研ぎ澄まして挑んでください!
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