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『太閤立志伝』シリーズ30周年に、あのシリーズ最高傑作『太閤立志伝V』がHD化されたということで界隈騒然の昨今、コエテク歴史SLGファンの皆さん息吹き返していますかああああ!
なにせこれまでHD化されてきたのは『信長の野望・天翔記』『大航海時代IV』といずれも「まあシリーズ続いてるしそういうご褒美もあるか」といった感想だったんですが、『太閤立志伝』は途絶えて久しいシリーズ。これはあれもこれもワンチャンあるんちゃうんか!?と思っても不思議ではない。いやみんなそう思ったはず。俺の『維新の嵐』が!いや僕の『源平合戦』が!いやいや儂の『提督の決断』が!うん、『提督』は……うん。
そんなわけでこの2月25日(wiki調べ)にたぶん生誕23周年を迎える『チンギスハーン・蒼き狼と白き牝鹿IV』(以下『チンギスハーンIV』)のHD化を応援するべく筆を取った塩梅。本記事ではその魅力を存分にお伝えしようと思います。え、そもそも『蒼き狼と白き牝鹿』シリーズも『太閤立志伝』のような30周年に期待できないかって?
ハハハ。シリーズ30周年は一昨年何事もなく終わったわ!
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みなさんは“光栄歴史三部作”という名称に聞き覚えはあるでしょうか。『信長の野望』、『三國志』、そして『蒼き狼と白き牝鹿』!戦国時代、三国時代ときて次は激動のユーラシア。「光栄ゲーム用語辞典(シブサワ・コウ編)」から説明を引用すると「十二~十三世紀を舞台に歴史上最大の侵略者であるジンギスカンの生涯を再現する(中略)まさに歴史シリーズ中最もスケールの大きい作品」なのです!いやあ日本中国だけでは我慢できず、世界を舞台にしたSLGを生み出しちゃうとかさすがシブサワ・コウ。さすシブ。
そのシリーズなかでも傑作と名高いのが『チンギスハーンIV』なのです。どんなゲームかと一言で表すと、“源義経が象にまたがって獅子心王らのキリスト教国連合とコンスタンティノープルで激突する”くらいの世界史英雄大戦。
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いやあ昨今の海外グランドストラテジーと比較すると外連味が本当にすごい。だが、それがいいのだ! みんな好きじゃん? 本宮ひろし「夢幻の如く」、山田風太郎「魔界転生」とかそういう同時代の英雄決戦のノリ。あと『FGO』とか「ドリフターズ」とか「終末のワルキューレ」とか「サタノファニ」とか。
なにせ登場するのは12世紀~13世紀のユーラシアの英雄てんこもり。日本で言うと源頼朝、源義経、そして大河ドラマ主人公にもなっている北条義時たち鎌倉メンバーから足利尊氏、楠木正成時代を経て最終的には足利義満や新右衛門さんまでが登場しちゃうのです。中国で言うと南宋2代皇帝高宗から明の朱元璋や永楽帝まで。欧州では第3回十字軍の獅子心王リチャード1世や尊厳王フィリップ2世の時代から、百年戦争初期の黒太子エドワードや快傑デュ・ゲクランまで。
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例えば鎌倉幕府でスタートしたなら、奥州藤原氏を滅ぼし日本を統一したあと、日本の武士たちが李氏朝鮮や南宋を破って大陸進出→モンゴル高原でテムジンら諸部族を従え→サラディンたちイスラム諸国と砂漠で戦い→コンスタンティノープルを抜けて最終的に欧州連合との決戦へ!というロマンあふれる展開が待っているわけなのです。
いやさ、『信長の野望』や『三國志』で天下/大陸を統一したあと「このメンバーで世界進出してみてえなあ~」とみなさん一度は思ったことがあるはず。その野望をかなえられるのが『蒼き狼と白き牝鹿』シリーズなんですよもう!
あ、ちなみに史実武将は400人くらい。昨今の『信長の野望』が2000人、『三國志』が1000人級ということを考えると、実際問題として武将数はだいぶ少ないのが難点ではあります。世代をまたいで数十年ほどプレイすると全国が架空武将だらけ、は本作あるあるのひとつです。HD化の際には是非、武将数を10倍くらいに増やしていただきたい。
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