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先日Game*Sparkでは、ロシアのプーチン大統領の表明を皮切りに同国のウクライナ侵攻が本格化したことに加え、現地のゲーム関係者の近況や声明についてお伝えしました。一連の侵攻について、戦禍に直接晒されていない国外企業、スタジオ、個人も影響を受けていることをSNSなどで公表しています。
世界的に評価されている反戦ゲーム『This War of Mine』開発の11 bit studiosは、ロシアの侵攻に反対する意思を表明。同社CEOシュミズロウ・マーザル氏は、戦争の代償を払うことになのは「一般市民や普通の人々だ」とロシアを非難しており、今後1週間に得られた同ゲーム関連の利益を全てウクライナ赤十字社に寄付することを発表しました。
ウクライナの隣国・ポーランドに拠点を置いている本スタジオは、「言葉だけでは無意味」と考えて今回の決定を下したそうです。この件に関して、ゲーム販売プラットフォームGOG.comも公式に協力していることを明かしています。
また、カナダ・モントリオールのLudeon Studiosは『RimWorld』について、今回の侵攻の影響を受けていることをアナウンスしました。Valveの「Steam Deck」では、現状ゲームごとにサポート状況が異なっています。同スタジオは『RimWorld』がデバイスで動作するものの、UIに問題がある点を指摘。しかし、この件に取り組んでいた開発者がウクライナに住んでいる為、対応が遅れる可能性を示唆しました。
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アメリカにおいては、『Hello Neighbor』のパブリッシャー・tinyBuildのCEOであるアレックス・ニキポーチク氏も本侵攻を受け、数週間前に現地社員とパートナーをウクライナから避難させる手伝いをしたことを報告。同じくアメリカに拠点を置いているLove in Spaceは、同社の3DアーティストDmytro氏の安否を確認したことをツイートしています。
さらに現在はロシアでも侵攻に反対する抗議活動が行われており、『The Long Dark』開発Hinterland Studioのラファエル・ヴァン・リーロップ氏はロシアのプレイヤー達に同情する旨を述べ、「あなた達は指導者ではないことを覚えていてくれ」と自分を責めなくてもよいことを伝えました。
なお、過去に本メディアで取り上げている『ファイナルファンタジーXIV(FFXIV)』配信者のZeplaさんですが、無事にペットと共にポーランドにたどり着いたとのことです。
今回利益の寄付が発表された『This War of Mine』はPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com/Humble Bundle)/Xbox One/Xbox Series X|S/モバイル(App Store/Google Playストア)向けに、海外では加えてPS4/ニンテンドースイッチ向けに発売中。ウクライナ赤十字社公式ページやウクライナ中央銀行に直接寄付することも可能です。
※UPDATE(2022/3/2 15:55):11 bit studiosは3月1日、ウクライナ赤十字社に寄付するという『This War of Mine』関連の収益が71.5万ドル(約8,200万円)を突破したことを報告しました。同作の購入による支援は3月4日まで、ストア・プラットフォームに関係なく行われます。続報の詳細については下記リンクよりご確認ください。
『This War of Mine』のウクライナ寄付額が8,000万円を突破―購入による支援はまだまだ受付中