角川ゲームスのPS5/PS4向けシミュレーションRPG『Relayer(リレイヤー)』。本作は宇宙に進出した人類と「リレイヤー」と呼ばれる謎の地球外生命体との戦いを描くタイトルで、高い評価を獲得した同ジャンル作品 『GOD WARS』開発チームが、PS5の開発環境で手掛けていることも特徴です。
Game*SparkではTGS2021と最速体験会で、複数回ゲームの体験レポートをお送りしてきました。今回は本日2月25日より配信された『リレイヤー』体験版を基に、さらに詳しいゲーム内容をお届けしていきます。そこから体験出来たのは、丁寧に作られた「良作感」でした。
※なお、掲載する画像はPCでの開発ビルドを使用しています。
ノベルゲーム形式で展開されるイベントパート
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ゲームを開始すると、イベントパートから始まります。イベントパートは基本的にノベルゲーム形式で進行していきます。メインストーリー部分は、いわゆるモブキャラに至るまでフルボイスとなっており、オートモードで「流し聞き」することも可能です。
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オートモード時にはR1 ボタンでテキスト送りの速度を3段階で変更できます。ノベルゲームをオートモードでプレイしていると不満に思うことも多い、セリフごとの間隔が調整できるのは嬉しい点です。
ただし、テキスト送り速度を最高速にするとセリフを全て読み上げる前に進んでしまうので、フルボイスの場面ではテキスト送り速度は2段階目がちょうど良いように感じました。もちろん、早送りやバックログといった、ノベルゲームにおける基本的な機能も搭載。加えて、イベントパートのシーンごとにスキップする機能もありました。
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ストーリーに関しては序盤をプレイした範囲での感想になってしまいますが、SFらしく細かな設定が多く、組織や登場人物数、関係性も込み入っているため、複雑な物語を期待しているプレイヤーには嬉しいところです。
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また、「SFや科学が好きな人が作っているのだろうなぁ」と思わせる細かなネタも盛りだくさん。例えば南極に隕石が落ちた、という話の流れでさらっと「ヴィンソン・マシフ隕石」という単語が出てきますが、これは南極に実在する最高峰の山塊「ヴィンソン・マシフ」が基になっていると思われます。SF好きとしては、こうした世界観の解像度を上げる小ネタを挟まれると「お、分かってるねぇ」となります。
個性的な機体・ユニットとカスタマイズ
イベントが終わるとバトルパートになるのですが、実際に戦闘を開始する前に機体やスキルの変更ができます。基本的な機体の説明も兼ねて、ユニットカスタマイズについて簡単にご紹介しましょう。
ユニットは4種類のメカタイプに分類されており、それぞれ戦い方や専用装備が異なります。
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アサルトは接近戦が得意で、両手剣を専用装備としています。スナイプは遠距離戦が得意で、命中率や回避が高い機体。ライフルが専用装備です。アタッカーとしてはこの2種が中核となっているようでした。
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もう2種は少し特殊な機体です。タンクは高い防御力を誇り、戦闘では後述するヘイト値を上げ、囮として敵からの攻撃を引き受けていきます。専用装備はシールド。スカウトはデコイや範囲内の味方の能力を上げるスキルで援護する機体で、専用装備はビットです。
以上4種の機体を活かすには武器の選択も欠かせません。上述した4種の専用装備の他、全機種が装備できる片手剣とマシンガンがあり、全部で6種の武器を使用していきます。さらに、これら武器には物理属性と重力属性があり、相手の武器と違う属性の武器で攻撃することで大ダメージを狙いやすくなります。
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また、機体の能力を上げる装甲やチップの要素も欠かせません。いずれも、ストーリーを進めるとショップで買えるようになるようです。
バトルパート
バトルパートについては以前のプレイレポートからお伝えした通りですが、少し整理して紹介していきましょう。
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戦闘の行動順は敵味方関係なく、AGIが高いユニット順に行動していく方式。『XCOM: Chimera Squad』と同様の形式です。
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本作の戦闘で特徴的なのはヘイト値の要素。敵ユニットは攻撃可能なユニットが複数いる場合、基本的にはヘイト値が高いユニットを優先して攻撃します。ヘイト値は敵にダメージを与えたり、味方を回復したりといった行動で上がり。逆にダメージを受けたり、味方から回復を受けたりすると下がる。このヘイト値を上手くマネジメントすることで、タンクが敵からの攻撃を引き受けつつ、アタッカーがダメージを受けることなく敵を攻撃し、スカウトが味方機体にバフを掛ける。といった戦略をたてることが出来そうです。
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本作は攻撃時に使う武器の射程が敵と同じで、攻撃後も敵が生存していた場合、反撃を受けます。異なる射程の武器で攻撃していくのが攻略のカギになりそうです。
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近接武器を所持した機体で敵を挟み、攻撃すると反対側にいる味方ユニットが追撃を行う、バックスタブというシステムもあり、味方と連携しつつの攻撃が火力の面で重要に感じました。
各キャラクターを成長させていくと習得できるスキルの要素も欠かせません。SPを消費してスキルを発動すると回復や攻撃、味方機への能力バフなどができ、アイテムの使用や状態異常といった要素もあるようです。
今までのプレイレポで紹介した通り、カットシーンの細かな設定もあります。
母艦アステリズム
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バトルパートが終わったら母艦であるアステリズムに戻り、次の攻略に向けた準備に取り掛かりましょう。
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母艦では育成ツリーをジョブポイント(JP)にて解放し、盤を進めてスキルを解放していく「スターキューブ」による育成やショップでの装備カスタマイズの他、艦内のパイロットやクルーに注目した会話イベントを見ることができます。
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また本作はSFということもあり世界観や用語が少し複雑なのですが、様々な情報を閲覧できる「宇宙科学資料室」で頭の整理ができそうです。
40~50時間ほどのプレイに数十時間におよぶエンドコンテンツという大ボリュームを備えた本作。SF好きを唸らせる練り上げられた世界観やヘイトシステムを組み込んだ戦闘など、じっくりと腰を据えて遊ぶシミュレーションRPGに相応しい一本となっています。発売までまだ一ヶ月ほどあるので、まずはこの体験版でその魅力の一端に触れてみてはいかがでしょうか?
『Relayer(リレイヤー)』は2022年3月24日よりPS5/PS4向けに発売予定。価格は通常版が7,980円(税込)、限定版「リレイヤー デラックスエディション」が9,980円(税込)です。なお、PS4版はPS5版への無償アップグレードに対応しています。