2016年2月に発売され、格ゲーファンを魅了してきた『ストリートファイターV』。すでに発売から丸6年が経過しており、昨年には最後の追加キャラクター「ルーク」が参戦しました。
その後、『ストリートファイター6』の制作が発表されたこともあり、『ストV』は3月29日に行われる大型調整でバランスを整えて終わっていくと思ったプレイヤーも多いのではないでしょうか。
しかし、2022年3月18日、ストリートファイター公式Twitterにて投下されたプロモーションビデオはそんなプレイヤーの期待を良い意味で裏切りました。それはもう、いつも自分たちが遊んでいる『ストV』とまったく違う光景だったからです。
■ダウン状態を拾ってコンボ!?見たことない連携が目白押し
映像が始まるやいなや、次々に繰り広げられる様々なコンボ。しかしそのどれもが、見たことのないコンボ、見たことのない派生、見たことのない性能の技ばかりだったのです。
分かりやすいのはローズやメナトでしょうか。Vトリガー発動中、ローズが相手を投げたと思ったら、しゃがみ小キックで追撃してそのままコンボに移行します。
前提として『ストV』では、通常投げ後に追撃はほぼできません。例外として、ユリアンの「エイジスリフレクター」を使う連携が有名ですが、逆に言うとそれぐらいしか見る機会がないでしょう。
しかしローズは今回のアップデートにて、Vトリガー2「ソウルイリュージョン」発動時に、分身の攻撃がダウン状態の相手にヒットするようになりました。これまでは、「大人しく投げられとけば安く済む」と割り切った相手に大きなリターンが得にくいトリガーでしたが、しっかりとそれに対抗できるようになったのです。
そして、メナトが見せてくれたのは設置した水晶を破裂させる「ソウルスパーク」EX版を使ったコンボ。本来破裂したら手元に戻ってくるはずの水晶がその場にとどまり、メナト自身の攻撃とソウルスパークによる水晶の破裂で相手をお手玉していきます。
格闘ゲームの調整といえば、60分の数秒ほど技の隙が増えたり減ったりするだけで一喜一憂するほど、バランス調整が繊細です。それなのに、最終シーズンでまさかの新技追加。もはやこれは、劇的なアップデートと言って良いでしょう。
■ユリアンやベガといった“強キャラ”にも新たな技が!
さらに驚かされたのは、“強キャラ”と言われているユリアンやベガにも新たな動きが追加されたことです。一般的に格闘ゲームのバランス調整において、強すぎるキャラの性能は抑えられる傾向にあり、ユリアンやベガは弱体化が予想されていました。しかし、そんな彼らにも新しい戦い方があると明らかに!その衝撃はプレイヤーの心を掻き立てました。
とはいえ3月28日に具体的な調整内容が発表されると、ベガは主力となる弱ダブルニープレス後の状況が一部悪くなっていたり、ユリアンはEXデンジャラスヘッドバッドの完全無敵が削除されたりと、予想されていた弱体も行われはしましたが。それでも、使い手にとって新たな動きの可能性はモチベーションに繋がるものです。
『ストV』には全45体もの魅力的なファイターがいます。その全てで具体例を挙げるのはここでは避けますが、その調整内容は上位キャラを単純にナーフするようなものではなく、全キャラになにかしらのアッパー調整を施してバランスを取ろうとするような意思を感じるのです。
■オメガエディションの再来か!?
3月18日に初めて調整内容のプロモーションビデオが公開された際、一部のプレイヤーからは、「オメガエディションの再来か」という感想も流れてきました。
オメガエディションとは、『ウルトラストリートファイターIV』に追加された新モード。システム面での変更に加えて、「ケンが足から波動拳を放つ」「ブランカが地面に潜って攻撃する」といった、大胆な新技や性能の調整が行われました。
オメガエディションは本当にゲームがガラッと変わりましたが、ランクマッチや公式大会などでは使用できず、どこか“お祭りモード”的な雰囲気に留まっていたと記憶しています。
今回のアップデートは今後の『ストV』における公式大会にも適用されるため、オメガエディションと呼ぶのは誇張が過ぎるかもしれません。しかし、稼働7年目にも関わらずこうした大胆な変更で、ユーザーを楽しませようとする姿勢を歓迎する声は多い模様。
少しの不安と、大きな期待をもって、アップデートが行われる3月29日を待ちたいと思います。現役プレイヤーはもちろんのこと、最近遊んでなかったという人も、ぜひこの機会にライバルと拳を交えてみましょう。