4月25日、ウラジーミル・プーチン大統領は同国のジャーナリスト・ウラジーミル・ソロヴィヨフ氏を狙ったテロリストが暗殺に失敗したと発表しました。ロシア連邦保安庁(FSB)がおとり捜査の末、ネオナチのメンバー6人を逮捕したといいます。
しかし、RIAノーボスチ通信社が公開した映像を見ると、押収されたテロリストの所有物にはPMピストルといった武器に加え、何故かゲームの『The Sims 3』が3本存在。この不自然な所有物をきっかけに、ネット上では本事件に対し、“とある疑惑”が生じているようです。
ロシア側のニュースによると、テロリスト達は「ウクライナ保安局の指示で動いているロシア人だった」とFSBは主張しています。一方で、ロシアなどを対象とする調査メディア、ベリングキャット創設者のエリオット・ヒギンズ氏は、「私は純粋に“SIM(カード)を3枚”入手するように言われた間抜けなFSB職員の仕業だと思う」と指摘しました。
さらに、所有物には他にも「署名判読不能」と書き込まれた謎の書物もありますが、ロシア当局に批判的なジャーナリスト、ドミトリー・コレゼフ氏は「(本来は)本に判読不能な署名を残すように指示されていたのではないか」と推察。これに関しては実際にネット右翼組織が使っているサインであると指摘する声もあります。
しかしながら、2019年に同じくロシア当局に批判的な記者、イワン・ゴルノフ氏を麻薬容疑で逮捕したものの、後に証拠が一切見つからずに解放されるなど、ロシアでは「特定の人物の排除や実績づくりを目的とした薬物事件の捏造が横行している」という報道もあり、ネット上では今回も同様にFSBが証拠を偽造したのではないかという疑惑が浮上しています。