気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、PUNKCAKE Delicieux開発、PC向けに5月12日にリリースされたローグライトショットガンチェス『Shotgun King: The Final Checkmate』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、チェス要素にローグライク要素、さらにはショットガン要素を加えたストラテジーゲーム。キングを動かしながら、ショットガンを敵に向かってぶっ放します。敵のキングを倒せばステージクリア。記事執筆時点では日本語未対応。より詳しい内容についてはプレイレポをご覧ください。
『Shotgun King: The Final Checkmate』は、800円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Benjamin Soulé氏(以下Benjamin)こんにちは。フランスのゲームデザイナーのBenjamin Souléです。海の近くの小さな町に住んでいます。私が一番好きなゲームは、おそらく『ワンダと巨像』ですね。以前は友達と一緒に作ったゲーム会社で働いており、その後は1人で10年ほど働いていました。今は新しく出会った友達と一緒に新しい冒険を始めています。
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
Benjamin本作はLudum Dareというゲームジャムで作られました。コンテストの開始時にアナウンスされるテーマに沿って、72時間以内にゲームを作るというものです。
この時のテーマは「避けられないものを遅らせろ」というものでした。私はなぜか、相手がゆっくりと一つ一つのコマを取っていくチェックメイトのシチュエーションを思い浮かべたのです。それから、私はもっとドラマチックにするため、キング1人が敵の軍隊に立ち向かう姿を想像しました。ショットガンが出てきたのは、このゲームのバランスを保ち、フェアな戦いにするための結果として登場しただけなのです。
――本作の特徴を教えてください。
Benjamin本作はまるでターン性ローグライクゲームを高速でプレイする、というような奇妙なアーケードゲームをプレイしているような感じを受けるかと思います。10年前に『DRL(旧称:DoomRL)』を遊んでいた時、このゲームがついにオリジナルの『Doom』の激しさを超えたのではないかと思いました。通常はリスクを取りながらも高速でプレイし、難しい状況になったら時間を止めて考える…というものです。「うーん、このモンスターは次のターンに自分を撃ってくるけど、自分は爆発するタルの近くに立っている…どうすべきだろう?」のようなリズムを本作でも作ろうとしたのです。
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――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Benjamin正直言うと、どんな人に遊んでもらいたいかと考えたことはありません。自分にとって面白そうで、自分で遊んでみたいゲームを作っただけなのです。
ゲームジャムの後、若い人から年配の方まで、多くの人がチェスに興味があることを知りました。Twitchにもたくさんのチェスチャンネルがあり、たくさんの人がチェスの試合を見ています。このような人たちは新しい形のチェスにも興味があるのではないでしょう。しかし、これも本作を作る前は知らなかったことです。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Benjamin上でも述べたように、本作のリズムは『DRL』から影響を受けています。しかしゲームジャムが始まるまで、Daniel Linssenの『Mr Moneybag』について考えていたので、これが本作のデザインのチョイスに影響を与えているかもしれません。
本作はとてもシンプルでわかりやすいルールのターン性ゲームです。プレイヤーは多くの敵を相手にしつつ、ステージを可能な限り早くクリアしなくてはいけないのです。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Benjamin日本語対応はする予定です。すでに日本人のファンの方々が作業をしてくれているようです。一番の問題は翻訳ではなく表示方法です。本作では5x3フォントを使用しており、多くのひらがなや漢字はこれでは表示できません。現在、これらの文字に対応できるよう、対応している最中です。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Benjaminほとんどありませんでした。フランスでは現在、それほど制限はありません。それにRémy、Enrique、そして私は全員が以前から自宅で作業をしていました。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Benjaminはい、もちろんです。チェスがショットガンで遊んでもらえるということをすべての人に知ってもらうためにも、できる限り多くの露出をしたいと思っています。世界中の方に本作のことを知っていただく必要がありますので、これを機会にお金を稼いでいただくというのも、私は歓迎です!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Benjamin私が16歳、20歳、30歳、32歳、そして39歳の時に、日本を訪れました。東京に新しいゲームセンターができ、そして少しずつ減っていくのも目にしています。私のような40代の人々は、ゲームがどこから来たものか知っています。100円玉をたくさん入れ、『ストリートファイターII』を練習しましたし、ヒッチハイクで日本中を旅し、素晴らしい人たちと出会いました。また日本に戻れる日が待ちきれません。
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。