最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回は、2022年7月8日にIzanagiGamesからリリースされた『冤罪執行遊戯ユルキル』Steam版(PS5/PS4/ニンテンドースイッチ版は2022年5⽉26⽇発売)について、生の内容をお届けしたいと思います。
『冤罪執行遊戯ユルキル』とは
脱出アドベンチャーとシューティングゲーム要素を組み合わせた「冤罪脱出ADV&弾幕STG」というジャンルの作品。実刑判決を受けた囚人たちが、その無罪を勝ち取るため、パートナーと狂気の「ユルキルゲーム」へと挑みます。
登場するキャラクターたちは、無実の罪で10年投獄されている「春秋千石」や、影のある美少女「莇リナ」、ストーカーの殺人罪で逮捕されたアイドル「一凛花華」など、個性豊かなメンバーばかり。パートナーの関係性の変化など、見どころが満載です。
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原作に漫画「賭ケグルイ」の河本ほむら氏、シナリオに武野光氏、キャラクターデザインに清原紘氏を起用するなど豪華なスタッフが集結。また、シューティングゲームパートは『旋光の輪舞』『星霜鋼機ストラニア』などを手がけたグレフが担当しています。
ゲームは謎解きパートとシューティングパートを交互に繰り返す形式で、事件の手がかりを元に推理するクイズなどの要素も用意されています。
『冤罪執行遊戯ユルキル』の実内容に迫る!
第1章のメインキャラクターは、殺人罪で懲役999年の判決を受け、刑務所に投獄されている「春秋千石」。ある日、目が覚めた千石は、自分が刑務所ではなく見知らぬ牢獄に閉じ込められていることに気づきます。どうやら、この監獄の中には他にも何名か閉じ込められているようです。
混乱する千石たちの元へ、狐面を付けた謎の女性「びん子」が登場。この牢獄にいる人はすべて実刑判決を受けた犯罪者であること、これから行われる「ユルキルゲーム」で優勝することで、冤罪を晴らすチャンスがあることが告げられます。
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そして、ゲームに参加するため、千石たちは“執行者”と呼ばれる相手とパートナーを組むことになります。参加者は力を合わせてアトラクションに挑まなければならないのです。ルールは非常にシンプル。囚人と執行者は舞台となる「ユルキルランド」のゲームの勝利を目指すこと。そして、執行者はいつでも囚人を殺すことができることです。
ユルキルランドに到着後、このゲームに参加するすべてのメンバーが登場。それぞれ「大量殺人」「双子殺人」「謀略殺人」「ストーカー殺人」「覗き魔」とチーム名が付けられ、双子を含む6人の囚人と5人の執行者で構成されています。
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千石のパートナー「莇リナ」は、どこか影のある美少女。千石は少しでもチームの仲を良くしようとコミュニケーションを取ろうとしますが、リナからは強い敵意を向けられてしまいます。実はこのゲームに参加する各チーム、パートナー同士が「事件の加害者と被害者」という関係があるのです。
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本作の目的はゲームに勝って冤罪を証明するだけでなく「執行人にいかに赦されるか」というもの。つまり、タイトルの『ユルキル』は「ユル(赦ス) or キル(殺ス)」なのです。
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謎解きパートはヒントもあり遊びやすい!
「ユルキルゲーム」では、まずアトラクションごとに謎解きへと挑まなければなりません。本作の謎解きパートは比較的オーソドックスな脱出アドベンチャー形式で、怪しい場所を調べてヒントを集め、パズルを解いて進んでいきます。
千石とリナが挑む最初のステージ「ファイアハウス」では、火事で燃えているマンションが舞台。ステージは3つに分かれていて、それぞれのステージで扉を守るゲートキーパーがリクエストするアイテムを探し出し、渡さなければ先に進むことができません。
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パズルや謎解きは基本的にそこまで難しいものではありません。例えば特定の順番にアイテムを並び替えたり、暗号を元にパスワードを見つけ出すと言った内容で、間違えることへのペナルティはありません。また、どうしてもわからない時には3段階のヒントも用意されているため、謎解きが苦手な人でも詰まることはないと思います。
そして、謎解きパートでは、ゲームの参加者にまつわる「それぞれの秘密」が少しずつ明かされていくのです。(たとえ冤罪であっても)加害者と被害者という関係が、秘密が明かされていくことで変化していく姿も見どころです。執行者からの質問で対応を間違えると即死する「マジキルタイム」と呼ばれるイベントも存在しています。
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ちなみに本作は謎解きパートの会話でも選択肢が表示されますが、謎解きではない部分に関しては、どれを選んでも問題ありません。アドベンチャーパートでは、気軽にストーリーと謎解きを楽しみましょう。
技量に合わせて楽しめるシューティングパート!
無事に謎解きを終了したら、次は本作のもうひとつのメインであるシューティグパートです。ユルキルランドでは、株式会社ユルキルが開発した最先端技術BR(ブレイン・リアリティ)を使用したSFな仮想空間で、囚人と執行人が対決する「ユルキルジャッジメント」を行います。
ユルキルジャッジメントは縦スクロールシューティングゲームで、道中の敵を倒しながらパワーアップして進み、ステージ最後のボスを倒すことが目的。プレイヤーは通常攻撃のほか、敵を倒して貯めたゲージを使用して敵の弾を防ぐ特殊攻撃「アウトバーストショット」「アウトバーストボム」も使用可能です。
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敵の攻撃はそれなりに激しく、シューティングゲームに慣れてないプレイヤーはなれるまで苦労するかも知れません。幸いゲームスタート時にイージー、ノーマル、ヘルの3つの難易度選択が可能で、難しいと思ったらいつでも難易度を下げることが可能です(上げることは不可能)。ノーマル以下の難易度では、ゲージがあれば被弾時にオートボムを撃ってくれます。
そして、本作のシューティングゲームパートでは、事件内容を整理する「高速クイズ」、執行人の脳内の偏見を破壊する「ヘンケンシナプス」、事件の真相に迫る「ココロメイズ」など、独特の要素が存在。高速クイズは正解数によって時機数が増えるため、謎解きをしっかりと遊べばチャレンジ回数が増えてクリアが簡単になるのも嬉しい部分です。
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謎解きとシューティングをクリアすることで、1つの章が完了します。本作では章ごとに別のキャラクターを操作することになり、さまざまな事件の側面やキャラクターの内面、ユルキルゲームの謎などが徐々に明らかになっていくのです。
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物語を支えるキャラクターが非常に魅力的!
いろいろな要素が含まれている本作ですが、やはり注目したいのは個性豊かな登場キャラクターたちの魅力。ゲームの参加者は、無実の罪で投獄された千石をはじめ、それぞれがさまざまな事情を抱え、章ごとの主役として非常に輝いています。
個人的には「ストーカー殺人」チームの囚人・一凛花華の物語はかなりパワーがあり、読んでいくごとに引き込まれていきました。作品の案内役であり、謎めいた存在の「びん子」も、何とも不思議な魅力を秘めています。江口拓也さんや早見沙織さん、杉田智和さんなど豪華声優陣のボイスも、本作を楽しませてくれる部分です。
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なお、主役が変わるとシューティングゲームパートでの使用機体は変わり、性能や攻撃スタイルも大きく異なります。ステージごとに敵のギミックやボスも異なるので、章ごとに新鮮な気持ちでプレイできるのも嬉しい部分です。
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クリアしたステージは「スコアアタックモード」で使用機体を変えて挑戦可能。スコアはオンラインランキングに登録することもできるため、シューティングゲームをたっぷり遊びたい人はこちらのやりこみもおすすめです。現在公式サイトではスコアアタックキャラバンを開催していて、グレフの社長が直々にテクニックを紹介しています。
キャラクターたちが織りなす物語が楽しめるアドベンチャーと、本質に迫るための設定としてのシューティング要素は、それぞれがゲームの楽しさを支えています。ただ、作品のジャンルや雰囲気などは、それなりに異色の組み合わせではあるため、人によって評価は分かれてしまうかも知れません。
ここまで紹介してきた『冤罪執行遊戯ユルキル』。ユルキルゲームという舞台に用意された物語は非常に魅力的です。特にキャラクターはプレイしていくごとに愛着が湧き、クリア後にもう少し彼らの会話や活躍を見たかったな……と思わせてくれます。ただ、謎解きの難易度は高くないため、じっくり楽しむアドベンチャーゲームというタイプの作品ではありません。
筆者はシューティングがわりと苦手なのですが、それでも難易度ノーマルならば、楽しみながら手応えのあるゲーム内容を堪能できました。謎解きパートを経て自機が増えるシステムなど、遊びやすくなっている仕様や工夫も評価したい部分です。さらに本編とは別にスコアアタックなどやりこみ要素もあり、アドベンチャーゲームだけでなく、老舗の作るシューティングゲームとして十分楽しめるのではないかと思います。
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2つの要素を融合させた意欲作『冤罪執行遊戯ユルキル』は、PS5/PS4/ニンテンドースイッチ/PC(Steam)向けに発売中。本作の第1章が遊べる体験版も各ストアで配信中です。
タイトル:冤罪執行遊戯ユルキル
対応機種:PS5/PS4/ニンテンドースイッチ/PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:Steam
発売日:PS5/PS4/ニンテンドースイッチ:2022年5⽉26⽇/Steam:2022年7月8日
価格:PS5/PS4/ニンテンドースイッチ:税込7,678円 Steam:6,600円