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ゲームなんて「習うより慣れろ」だと思うんですよね。
なので僕は、説明書を読まず、チュートリアルも省略してぶっつけ本番で挑んでいます!……というのはタテマエで、本音は「チュートリアルとか面倒なんでとっとと操作させて!」と思っているからです。まあそれがゲームオーバーになる原因なんですけど。
そんな僕でも動物が主人公のゲームは慎重にならざるを得ません。
おっさんが主人公のゲームは、何度死のうが気にしないどころか、死にパターンを全て見るためにわざと死ぬことさえあります。でも動物の死だけは……僕の場合、おっさん<動物なんですよ。
今回は、THQ Nordicから発売された『エンドリング - エクスティンクション イズ フォーエバー』のニンテンドースイッチ版。本作は、人類によって自然破壊と環境汚染が進んだ世界を舞台に、キツネの親子の過酷な旅を描くアドベンチャーゲームです。
プレイヤーは母ギツネとなり、子ギツネたちのために食べ物を探し、木登りや穴掘りなどのスキルを教えながら、襲いかかる危険から身を守ることになります。
つまり僕は、母ギツネだけではなく、子ギツネちゃんたちの命も握っているってことです。これはいよいよ軽々に死ぬわけにはいかなくなったな!
地球上で“最後”のキツネの物語が描かれる
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主人公のキツネは何かを探すように、炎が燃え盛る森の中を駆けていた。
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道を塞いでいる倒木や、行き止まりにある木といったインタラクト可能な場所では、ボタンの長押しや連打をすることで、穴を掘って潜り込んだり木登りをしたりできる。
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色んな障害を乗り越え、小さな穴蔵へたどり着いたキツネはそのまま倒れ伏してしまう。そして、最後の力を振り絞るかのように、立ち上がって震え始める。
やめてくれ、動物が死ぬシーンは僕に効く……!
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って、怪我でもしているのかと思ったけど、子ギツネを身ごもっていたのか!
安全に産める場所を探していたんだな。それにしても4匹とも色んな毛色で可愛いな~。
おっ、毛色が変更できるぞ!
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毛色にちなんで、左からピンク太郎、コゲ次郎、青三郎、茶四郎と呼ぶことに決めた。
いや、システム的に名付けられるわけじゃないんだけど、あまりにも子ギツネちゃんたちが可愛すぎたので、思わず名前をつけちゃった。
子ギツネちゃんたちに幸あれかし!
子ギツネちゃんたちのためにご飯を探せ!
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母ギツネの1日は、子ギツネちゃんたちのご飯探しから始まる。
画面左下のゲージが、子ギツネちゃんたちの空腹度を表している。
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母ギツネは、獲物のにおいが可視化されるアクションで獲物のいる場所を探すことになる。
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ステルスモードにすると移動速度が落ち、獲物に気づかれにくくなる。
ソロリソロリと近付き……襲撃!
ゲットした獲物を巣穴に持ち帰り、子ギツネたちの空腹も満たされた。何事もなく1日が終わるはずだった。
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皆が寝静まったころ、巣穴に1匹のカエルが投げ込まれた。カエルには紐がついており、明らかに罠なんだけど、好奇心旺盛なコゲ次郎はついていってしまった。
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コゲ次郎が居ないことに気付く母ギツネだが、これからどうすれば……!?(ハラハラ)
さらわれた子ギツネを追跡する鍵は“におい”!
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この日から母ギツネは、子ギツネの世話を焼きながら居なくなったコゲ次郎の捜索をしなければならない
子ギツネの捜索は、獲物の追跡と同じでにおいを辿っていくことになる。
ん?あそこに落ちているのは、コゲ次郎を連れ去ったカエルの罠じゃないか!
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においの元にたどり着くと……紫色のおっさん!?
母ギツネは、残留したにおいから犯人の情報を得たようだ!しかも犯人像を視覚化してる!もはやサイコメトリーじゃん!
……って、何気にすごいな。子を思うあまり、サイコメトラーになっちゃったのかな……。
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その後、新たな形跡を発見するも、においはここで途切れていた。
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本作は、外を出歩いていると時間が経過する。夜に出発したのにもうすぐ朝になりそうだ。
行動可能時間は夜から朝の間だけ。今日の捜索はここまでだ。
一日中ウロウロしていたので、子ギツネたちも空腹のようだ。帰りの道すがら、ご飯を探さなきゃな。
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子ギツネのご飯は、草むらに生っている木の実や、ウサギや鳥などの野生動物だ。
しかし、それらはどこにでもあるわけではなく、時にはゴミを漁って食べられる物を探す必要がある。
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ただ、ゴミを漁っているとゴミ袋が頭に被さってしまうことがあるんだよね。
くっ……人間どもめ(自業自得)
罠や悪い人間たち……フィールドには危険がいっぱい
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キツネにとっての脅威はゴミ袋以外にもある。フィールドのあちこちに仕掛けられている罠にも注意が必要だ。
ジャンプをするだけで回避できるんだけど、ダッシュで駆け回っていると、うっかり踏み抜いちゃうこともしばしば……。
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子ギツネは、さまざまなスキルを習得させることができる。
スキルを取得することで、ジャンプのほかに、木登りや狭い場所へのすり抜けなどができるようになり、探索の幅が広がる。
お母さん、ピンク太郎たちの成長をみるのが嬉しいわ~。お母さんは失敗しちゃったけど、君たちは「ジャンプ」を覚えてしっかり飛び越えてね。
子ギツネたちも順調に成長してきたし、ちょっと遠出してみようかな!
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これまでは巣穴の周辺をうろちょろしていただけだったけど、実はフィールドは結構広い。森以外にも工場地帯や民家など様々な建物が存在する。
ストーリーの進行にあわせて、巣穴やショートカットできるポイントが増えるので、フィールドへの移動が便利になるぞ。
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新しいエリアに踏み入れるときは緊張感がある。今回だと、ピンク太郎がジャンプに失敗してはぐれてしまうハプニングがあった。
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人間は危険な存在だ。人間に見つかって捕まると殺されてしまう。
ただ、捕まってもボタン連打で逃げられる場合がある。一方で銃で撃たれて一発でゲームオーバーになることも……。
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母ギツネが死んでしまえば、子ギツネたちだけでは生きてはいけない。
基本的に人間を見かけたら敵と思ったほうがいいだろう。
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人間不信をこじらせまくって、悪の黒幕みたいなことを言い出すおじさん。
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しかし人間との心温まる出会いもあった。切り株の上で弾き語りをしている人間は、子ギツネたちに木の実をくれた。
くっ……木の実くらいじゃ手懐けられないぞ!
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とある民家の少女は、キツネたちを受け入れてナデナデしてくれた。
まあちょっとナデナデされたくらいで、簡単に心を許したりなんか……
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こんなんほだされるに決まってるわ。
僕は、母ギツネが死にそうになるたびにリセットするほど、キツネたちに感情移入してしまいました。
ゲーム中は世界観や状況を説明するテキストがないので、さまざまな場所を探索し、さまざまな人間と出会いながら「こういう世界なのかな」と想像するのが楽しかったです。
あとは何といっても母ギツネと子ギツネのモーションが素晴らしく、コテンと転げる子ギツネを見ているだけでほっこりしてしまいます!
動物好きの方にはぜひプレイしてもらいたい1本です。
『エンドリング - エクスティンクション イズ フォーエバー』は、PS4/Xbox One/ニンテンドースイッチ/PCを対象に、2022年7月19日発売予定です。
吉田輝和のプロフィール:自画像の絵日記を20年以上書き続けている謎のおじさん。近年、「先輩がうざい後輩の話(一迅社)」や「吸血鬼すぐ死ぬ(秋田書店)」、「からかい上手の高木さん(小学館)」などの人気漫画のモブキャラとして登場している。何故こんなに漫画に登場しているのか、描いた漫画家も吉田本人もよくわからないらしい。吉田輝和個人のTwitterはこちら。