2022年8月7日から8月8日に行われた「BitSummit」は、10周年を迎え古都京都での恒例のゲーム展示会となりました。ビジネスデイと一般開放日の二日間にわたって行われた本展示会から気になった作品を、本誌ライターがピックアップしてお届け致します。
本記事では展示作品の中でも既存の作品と一線を画したサバイバルローグADV『ハテナの塔 -The Tower of Children』を紹介します。
同ジャンルでは『Slay the Spire』を皮切りに既に多種多様な作品が既に出ています。集英社がバックアップを行うSHUEISHA GAMESからパブリッシング予定の本作品ですが、既存作品と何が違うのかを中心に探りながらデモをプレイしてみることにしました。
リアルタイムで進行する戦闘と手探りで思考する本来の楽しみ
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本作品は世界の果てにあるというハテナの塔の上に住む子供たちが食料と塔の謎を求め、内部を下っていく内容となっています。子どもたちは謎の声に導かれるままに塔を進んでいき、戦闘や探索を行いながら地上を目指すことになります。
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塔の内部を進むことになる子どもたちはデモでは5人おり、その中から二人を選び塔の内部へと進むことになります。子供には固定のカードデッキが決められており、選んだ二人のカードの組み合わせで探索を行っていきます。製品版では更に選択できる子供も増える予定で、デモでは難易度的にもわかりやすい5人に絞ったとのこと。
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戦闘はリアルタイムで進行し、敵の行動タイミングも常にわかるようになっており、攻撃に合わせてジャストで防御すると何かが起きるなど、若干アクション要素も含んだ内容になっています。リアルタイムであるため前述の組み合わせでのデッキが限定的になっていることに加え、デッキ内のカードは常にシャッフルして使用することが可能になっているのが本作品の大きな特徴といえるでしょう。
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本作品のプロデューサーにお話を聞いた所、前作でプロデュースしていた格闘ゲームに着想を得ており、アクション要素、リアルタイムバトルを前提としたデザインを設ける事で既存の作品と大きく差別化されているとのことです。
また、進行においてもチュートリアルが最近は手厚くなっており、手取り足取り誘導するよりも、旧来の作品のようにあえてヒントを示しすぎず、手探りで様々な結果を探ってほしいとの思いから最低限のチュートリアルに留めているとのこと。ですが、難易度を上げすぎるのではなくストーリーがまず楽しめるようにバランスは調整しているとのことでした。
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展示されていたデモは約10分間で本作品の世界観とシステムが伝わる内容に仕上がっており、二日間を通して試遊させていただいた作品の中でも一番キレイにまとまっていたという印象です。
ストーリーが膨らんだことでバランス調整が今一番大変だとおっしゃっていましたが、会場でのユーザーの反応も良いこともかなり励みになったとのことで、デバッグがうまく行けば2022年冬に発売予定だそうです。プロデューサー的にも体験版は出したいとのことで製品の発売前に「出せれば良いなぁ」とのことでした。
プレイ中にも「ハテナ」という言葉が強調されていることも目立ったことも気になりましたが、単語自体にも大きな意味が含まれているとのこと。実に「ハテナ」な部分も多く気になりますが、ゆっくりと発売を待ちたいと思います。