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半導体大手のIntelは、現地時間9月8日に同社が開発中であるデスクトップ向けGPU「ARC A」シリーズの仕様詳細を公開しました。
CPUの世界ではAMDと並び2強と称されるIntelですが、dGPUの世界ではNvidiaやAMDが既に確固たる地位を確立していることから、この2大勢力の牙城にIntelが挑む構図となります。
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今回公開されたのは、「ARC A」シリーズのA580/A750/A770の仕様詳細です。既にエントリーモデルであるA380の仕様は公開済みであることから、これで計4モデルの仕様が公開された形となります。
「ARC A」シリーズはAIを使用したアップスケール技術であるXeSSやレイトレーシングなど、最新の技術にも対応しており機能面に関して言えばNvidiaやAMDにも追随できる製品となっています。一方で、性能面では比較的控えめとなっており、最上位のArc A770でGeForce RTX 3060 TiとGeForce RTX 3060の中間程度、A750でGeForce RTX 3060相当である旨をIntelの関係者がインタビューで回答しています。
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しかしながら、不安材料が全く無いわけではありません。
元々CPUが主力のIntelにとって、iGPUのノウハウこそあれdGPUは未知の分野と言っても過言ではなく、かなりの悪戦苦闘を強いられているようです。
ドイツのハードウェア系情報サイトpcgameshardwareがA380を使用し行ったテストによれば、表示の異常や特定解像度でのクラッシュ、また起動不可といった互換性の問題点が指摘されているほか、公開されているドライバーのリリースノートでも更新ごとに多くの不具合が修正されると同時に、報告される既知の不具合もまた多いという状況です。
こうしたノウハウという面においてはNvidiaやAMDが先を行っている現状において、Intelが一体どこまで食らいついていけるのか、あるいは競争原理による3者の爆発的進化の起爆剤となりうるのか、今後とも注目したいところです。