『メトロ』シリーズで知られるウクライナのゲーム開発スタジオ4A Gamesで『メトロ エクソダス』にアニメーターとして参加したスタッフが、ロシアのウクライナ侵攻による戦闘にて戦死したことが明らかになりました。
これは、以前4A Gamesで当該スタッフと交流があり、Remedy Entertainmentにゲームプレイデザイナーとして所属しているLeonid Stepanov氏のツイートで明らかになったもの。ツイートによると、同作にアニメーターとして参加したAndrii Korzinkin氏は、ロシアによるウクライナ侵攻の中で起きた、ウクライナの独立、主権、領土保全のための戦闘任務中に死亡したとのことです。
Metro Exodus - Animation Reel from Andrii Korzinkin on Vimeo.
Stepanov氏はツイートの中で、「才能のあるアニメーターで素晴らしい人物であり、真の英雄でした」と述べています。また、同氏が担当した『メトロ エクソダス』のキャラクターアニメーションの一部をまとめた動画も共有しました。
Stepanov氏は共通の友人により、LinkedInへの投稿で同氏が亡くなったことを知ったといいます。最初は信じられず、この情報を共有するときも全てが間違っていることを願いましたが、残念ながら他の人物からも情報が共有され、同氏が亡くなったことが真実であることが明らかになりました。侵攻を受けてウクライナ軍に入隊したスタッフは少なくとも8人は存在し、侵攻開始の日から最前線で戦う人物もいるとのことです。
他にも、4A Gamesの現・元開発者もSNSでKorzinkin氏に賛辞を送っています。同氏と共に『メトロ エクソダス』で仕事をしたアニメーター・Serhii Krystiev氏は「プロとして常にお手本としていたい人です」とコメント。リードテクニカルデザイナーのVitalii Keda氏は「協力的で、信じられないほど責任感の強い献身的な人でした。彼はいつも辛口なユーモアと卓越した努力で際立った存在でした」と述べています。
元4A GamesスタッフのDenys Mischchenko氏は「良い人、良いアーティスト、良い同僚。『メトロ エクソダス』の制作ではたくさんの良い思い出があります」と言いました。なお、本記事執筆時点で4A Games自体は本件に関するコメントを発表していません。
開始からおよそ7ヶ月、プーチン氏が一方的にウクライナ東部と南部の4州を一方的に合併することを宣言するなど、いまだ落ち着きを見せないこの軍事侵攻。ウクライナのゲームスタジオへの影響も以前より見られていましたが、今回のスタッフの戦死によってそれがより明確なものとなりました。
¥3,869
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)