気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Auroch Digital開発、PC向けに9月29日にリリースされた本格ビール造りシミュレーション『Brewmaster: Beer Brewing Simulator』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、自分だけのオリジナルクラフトビールを醸造できるビール造りシミュレーター。ウィートエール、ブロンドエール、スタウト、IPAなど様々なビールを開発し、醸造家としての腕を磨きます。記事執筆時点では日本語未対応。
『Brewmaster: Beer Brewing Simulator』は、1,840円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Mattこんにちは、本作のリードデザイナーのMattです。この質問への答えはほぼ毎週変化してしまうのですが、最近は『Disco Elysium』と『Inscryption』がお気に入りです。あと、『Wildermyth』もですね。あ、もちろん『Elden Ring』もです!もし歴代一番のお気に入りということでしたら、『Mass Effect』三部作を越えるものを見つけるのは難しいですね。
Peter本作のリードプロデューサーのPeterです。私が一番好きなゲームはおそらく『サイレントヒル2』で、初めてプレイした時からまさに取り憑かれてしまいました。しかし他にも『メタルギア』『アウトラン2』『Skate』なんかも好きで、とにかくたくさんありすぎます。残りの質問もこんなに難しいんでしょうか!?(笑)
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
Peter私たちは趣味をテーマとした、奥深く、リアルで、ゲームと学びを両立できるような、ハイクオリティなシミュレーションゲームを作りたいと思っていました。『Mars Horizon』のようなゲームを長いこと作っていますからね。また、私たちは(主に)ここイギリス・ブリストルの食べ物や飲み物が大好きなのです。
――本作の特徴を教えてください。
Matt私としては、キャンペーンモードがとにかく面白いと思います。プレイヤーはストーリーを楽しみながら、醸造をしたりコンテストに参加したり、地元のブルワリーと一緒に作業をしたりします。重要な点は、どのように作業を完了させるかがプレイヤーにかかっているということです。本作の自由度は高く、作業の必須条件をどのように達成するかはプレイヤーに任されており、これによってクリエイティブな考え方が刺激されると同時に、高い満足感を得られるのです。ゲームが進むと、醸造技術を披露する機会もたくさん出てきます。キャンペーンモードをプレイしたくない人にはフリープレイモードもあり、ゲーム内のすべてのアイテムを使って自由に様々な実験をすることができますよ。
PeterMoor Beer、Untappd、Hop Culture、そしてBeerAdvocateとのコラボレーションも、本作が目指した本格的な出来に磨きをかけていると思います。
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――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Matt本作を作る上で一番大きな挑戦だったのは、家でビールを作る知識がある人とまったく何も知らない人、両方を楽しませるゲームにするということでした。ターゲットとしているプレイヤー層は、ビールの醸造をしてみたい人や、何か新しい趣味を始めてみたいと思っているすべての人です。家ですでに醸造している人にとって、本作はコストや時間を気にせず自由に様々な実験ができるものとなっています。そして醸造をしたことがない人にとって、本作はビールとその醸造について学ぶことができる入門ゲームとなっているでしょう。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Matt高いクオリティ、という点で参考にした素晴らしいシミュレーションゲームは数多くあります。しかし影響を受けた、という意味では、本物のビール醸造そのものからでしょう。ビール醸造というのは、良いゲームにすることができる様々な要素を持った趣味ですね。基本的な部分において、ビール醸造というのはとても単純なものです。しかしそこから先はまさに無限の複雑さを有しているのです。クリエイティブで、リラックスでき、豊かな歴史や情熱的なコミュニティを持つ趣味とも言えます。本作において、私たちはこれをうまく表現したいと思いました。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Peter喜んで対応したいです。ぜひ日本のゲーマーの皆さんから、対応して欲しいかどうかをお聞きしたいです!すいませんが、私たちは有志翻訳は受け付けていないんです。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Peter当初、本作の開発はチームで顔を合わせながらやっていました。パンデミックによりしばらくリモートにしなければなりませんでしたが、私たちはこれがとても気に入ってしまったので、もう元に戻ることはないでしょうね。
MattPeterが言うように、私たちチームはリモートワークにすぐ馴染むことができました。もちろんデメリットもありますが、リモートによる柔軟性とより良いワークライフバランスを考えれば、些細なことだと思います。もう通勤はしたくないですしね!
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Peterもちろんです!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Peter昔ながらのサッポロビールから常陸野ネストビールのようなクラフトビールまで、皆さんの国には素晴らしいビールの多様性があります。日本のゲーマーの皆さんには、本作で自分だけのレシピを作る良い参考になるでしょうね。
Matt私たちのゲームに興味を持っていただき、ありがとうございます!
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。