Game*Sparkで日々紹介される採れたての注目Steamインディーゲームたち。
その中で、このゲームあのゲームの内容が知りたい、そう思う方は少なくないのではないでしょうか？そこで、そんなゲームの中から1本をピックアップして紹介するのがこの企画「しぼりたて！特選Steamプレイレポ」。実際の内容をスッキリスピーディにお届けしたいと思います。こってりなプレイレポ類が見たいなら爆速プレイレポもお忘れなく。
今回取り上げるのは、「悪夢のようなグロテスクワールド」「世界観に落とし込まれたパズル要素」などが魅力の『Scorn』です。
『Scorn』とは？
本作は「世界に突然投げ出されたら」をコンセプトに開発されたホラーゲーム。プレイヤーは緻密に作られた悪夢のような世界を舞台に、複雑かつ相互に繋がったさまざまなエリアを探索しながらアイテムや武器を集め、恐るべき存在やパズルに挑んでいきます。
2014年に開発を発表した本作ですが、1回目のKickstarterキャンペーンの失敗や数度の発売延期など紆余曲折しながら、約8年の年月を経てようやくリリースに至りました。
2022年10月14日に配信開始した本作ですが、すでに4,000件以上のレビューを集めており、長年待ち続けていたプレイヤーからの注目度の高さがうかがえます。そんな注目作である『Scorn』はいったい何が魅力的なのか、さっそく紹介していきましょう！
ステキポインツその1！「悪夢のようなグロテスクワールド」
本作の最も魅力的なポイントであり、最大の特徴がそのグロテスクで陰鬱とした世界観でしょう。芸術家であるH・R・ギーガーやズジスワフ・ベクシンスキーの描く世界を彷彿とさせ、まるで悪夢を見ているような不気味な現象を全身で体験できます。
プレイヤーはそんな不気味な世界で目を覚ました謎の人型生命体として、道を進んでいきます。各エリアにはテーマが存在し、バックストーリーを感じさせるような構造物やキャラクターなどが緻密に配置されています。
また、本作には丁寧なチュートリアルは存在しません。主人公同様にプレイヤーも「世界に突然投げ出されたら」を体感でき、マップも存在しない迷路のような世界を理解し、受け入れ、旅を続けなければなりません。
ステキポインツその2！「世界観に落とし込まれたパズル要素」
陰鬱としたこの世界を進むには各エリアごとに用意されたパズルをクリアする必要があります。パズルはステージ背景に綺麗に落とし込まれており、ひとつひとつが存在する理由を考察できるような仕組みとなっています。
パズルの数自体はそれほど多くありませんが、中には難解なものもあり、それらをヒントなしで解く必要があります。もちろん、パズルをどれから攻略すればいいかも明らかにされていません。
また、ゲームを進めると敵対する謎の生命体も登場し、戦闘を余儀なくされる場合があります。登場するクリーチャーや武器は世界観にマッチした秀逸なデザイン。弾薬や回復アイテムの所持数はシビアな設定になっているので、注意が必要です。シューターのような敵をなぎ倒していく爽快感はありませんが、“肉を撃つ”という感覚はひしひしと感じ取れます。
『Scorn』は開発者の長年の愛と苦労が積もった素晴らしい芸術作品です。細部までこだわり抜かれた構造物は長期間の開発の賜物であり、他の追随を許さない出来といっても過言はないでしょう。
しかし、「面白いゲーム」として遊ぼうとすると期待を裏切られるかもしれません。敵を倒したり、パズルを解いた時の爽快感はなく、ストーリーを理解させようというつもりもこのゲームにはほとんどありません。手探りでのゲームプレイや考察好きなプレイヤーにはそれも魅力的に思えるかもしれませんが、本作の世界と同様に、終始すっきりしない体験が待ち構えています。
何を目的に遊ぶのかで本作の評価は大きく分かれるでしょう。それでも、世界観は徹底的に作りこまれており、歩きながら眺めているだけでも満足感は高いです。しかし、それだけで約4,000円の価値があるかはプレイヤー次第です。Deluxe Editionでは本作のサウンドトラックとアートブックも付いてくるので世界観に惹かれた方はこちらも購入を検討してみてはいかがでしょうか。
対応機種：PC（Steam/Epic Gamesストア/GOG.com/Windows）/Xbox Series X|S/Game Pass
発売日：2022年10月14日
記事執筆時の著者プレイ時間：2.5時間
価格：4,180円
日本語：あり
