Triple.B.Titlesが開発、Yogscast Gamesが販売を予定しているポーカー型ローグライトデッキ構築RPG『Aces & Adventures』。本ゲームは2023年1月10日より1週間限定のプレイテストが行われています。本記事では、実際にプレイテストに参加してのプレイレポートをお届けします。
見知らぬ土地のテーブル上で繰り広げられるカードの冒険
見知らぬ森の中で目覚めたプレイヤー。目の前には3つのテーブルがあり、響く声の導きに従って真ん中のテーブルへと進みます。
そこは「苗」と書かれた箱と、5枚のキャラクターカードが置かれていました。唯一表向きになっている一番左の「マグナー」を選択すると、ゲームが始まります。
ゲームが始まると右上の山札からカードが引かれ、そのカードにはストーリーが描かれており英語で読み上げられます。どうやらプレイヤーは記憶喪失で、先に進むには運命のデッキからカードを引いていく事が必要なようです。
道なりに進んでいくと放浪者に出会いました。彼は突然の遭遇に驚いたのか、こちらに向かって攻撃を仕掛けてきます。
ポーカー役とスキルカードを駆使して戦闘に勝利せよ
本作の特色となるのがトランプを使った戦闘システムです。プレイヤーには5枚のトランプのカードが配られ、この5枚の手札からポーカーの役を作って攻撃することになります。出した手札が1枚（ハイカード）の場合は敵に1ダメージ、2枚のペアなら敵に2ダメージ、手札3枚のスリーカードなら敵に3ダメージ……と、出来た役が強力なほど敵に大ダメージを与えることができます。
但し敵も黙って攻撃を受けるわけではなく、やはりトランプを使った防御判定を仕掛けてきます。敵の防御判定は「敵の防御力-自分の攻撃力」の枚数だけトランプを引き、そのカードで自分の出したカードより強い役ができれば防御成功、反撃で逆にダメージを受けてしまう……という仕組みになっています。今回はプレイヤーの攻撃力が1、敵の防御力が2なので敵は1枚しかカードが引けず、ペアの攻撃を食い止めることはできませんでしたが、ゲームが先に進むと大きな防御力を持つ敵も現れるため、うかつに弱い役で攻撃を仕掛けると多くのカードでさらに強い役を作られて手痛い反撃をもらうことになります。
敵のターンでは敵は「敵の攻撃力-自分の防御力」の枚数だけトランプを引いて、それで出来た最強の役で攻撃を仕掛けてきます。それに対してこちらは5枚の手札から相手の出したカードの枚数に等しいカードを出し、相手と同じ役の強さなら攻撃を無効化、相手より強い手を出せば反撃ができます。今回はキング1枚同士なので、敵の攻撃は失敗に終わりこちらの反撃もありませんでした。
さらに戦闘に深さを与えるのが「スキルカード」の存在。これはトランプのカードとは別にキャラクターごとに組んだ30枚のスキルカードデッキから毎ターン1枚引けるカードで、「特定のHP未満の敵を倒す」「能力値を一時的に上昇させる」「トランプのカードの数値を変化させる」「敵に直接ダメージを与える」「敵の選択カードを変更する」など、戦況を変えうる様々な効果を持ったカードになります。これらのカードを駆使して、運命のデッキで描かれるストーリーの中で現れる敵に立ち向かうことになります。
冒険の中では分岐を強いられることも。選んだ道によって、物語の展開が変わってきます。
こうしていくつかのイベントや戦闘をこなし、見事プレイヤーが生き残った状態で運命のデッキをすべてめくるとステージクリアとなります。
ステージをクリアするとその成績によってマナ（本ゲームでは経験値のようなもの）が溜まり、マナが一定まで溜まると新たなスキルカードを入手できます。
またステージクリアにより新たな運命のデッキ「炎の子宮」が出現し、2人目のプレイヤーキャラクター「SHAELINN」も解放されます。
一旦中央のテーブルを離れて左側のテーブルに移動すると、集めたスキルカードで30枚のスキルデッキを構築することができます。新しいカードを手に入れたらこの画面からデッキに入れて、実戦で試してみるのがよいでしょう。
右側のテーブルでは集めたマナを捧げることによりプレイヤーキャラクターのレベルアップが可能。レベルアップすることで様々なパッシブスキルが付く、能力値が強化されるなどメリットが大きいので積極的にレベルアップをしていきましょう。
こうしたスキルデッキ・キャラクターの強化、そして新たに出現した運命のデッキに挑む……という流れを繰り返すことでゲームは進行していきます。
現在のプレイテストバージョンでは運命のデッキは「苗」「炎の子宮」「エボン砂漠」「タイタンズのはしご」という4ステージがプレイ可能であり、またプレイアブルキャラクターは攻守のバランスに優れた戦士「マグナー」、攻撃に特化した性能を持つ悪党「SHAELINN」、攻撃力防御力ともに0だが直接ダメージを与えるスキルカードの扱いに長けた魔法使い「ナジム」の3人となっています。
もう1つのローグライク型ゲームモード「手続き型モード」
本作には運命のデッキとして描かれるストーリーモードとは別に、「手続き型モード（原文ママ）」と呼ばれるモードが実装されています。
こちらはマップ上に「敵との戦闘」「アイテム入手」「回復ポイント」「ボス戦闘」などが配置され、1マスずつ選んで進んでいく……という、ちょうど『Slay the Spire』のようなローグライト型のゲームモードになっています。
こちらのゲームモードでしか出てこない敵やアイテムなどもかなり多く、例えば「ハートのカードの数値を±1の範囲の値として扱うことができる」というアイテムを得ると、例えばスペードの7とハートの6といったような数値が1違いのカードをペアとして扱えるようになります。ペアで攻撃する機会がふえ、こちらの攻撃の安定性が一気に増すでしょう。
敵は概してメインモードより強力ですが、こちらも能力値のプラス修正や強力なアイテムを得る機会は多いため、遊び甲斐は十分にあります。ローグライト系ゲームとしては、むしろこちらがメインモードとすら言えるかもしれません。
Steamにポーカーを題材としたゲームは数あれど、ローグライトと融合したゲームは珍しいです。正直に言ってポーカーの要素はかなり薄いのですが（ワンペア、スリーカードといった基本的な役を知っているだけで充分に遊べます）、ポーカーに関わる確率（5枚のカードを引いてワンペア以上ができる確率はおよそ50％など）を知っていると有利に戦闘を運べる場面もあるかもしれません。
しかし、現状では日本語訳が全体的にかなり怪しいクオリティなのが否めません。本ゲームの公式Discordチャンネル内では翻訳ボランティアの呼びかけが行われているため、我こそはという方は志願してみるのも良いかもしれません。現状の翻訳を除けばゲームシステムも独自性が高く、プレイ感覚はかなり面白いです。将来的な完成が楽しみな1本です。
『Aces & Adventures』のプレイテストは2023年1月17日まで、リリースは2023年第1四半期の予定です。
