気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、MegaWobble開発、PC/スイッチ向けに12月15日にリリースされたワニオープンワールドアドベンチャー『Lil Gator Game』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、島を舞台に小さなワニが冒険するオープンワールドアドベンチャー。様々な場所を探検したり、友達を作ったり、クエストを攻略したりと、好きなように島を冒険することができます。可愛らしいアクションやそのほのぼのとした雰囲気も特徴。記事執筆時点では日本語未対応です。
『Lil Gator Game』は、2,300円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Connor P Quinn氏(以下Connor)ゲーマーの皆さん、こんにちは!Connor P Quinnです。本作ではライターを担当しました。とは言え、私たちのチームMegaWobbleはわずか3人で活動していますので、他にもやることはたくさんありましたよ。
一番好きなゲーム、というのを選ぶのは難しいですね!あまり深く考えないようにすれば、ストーリーが一番好きなゲームは『Undertale』ですし、ゲームプレイが一番好きなゲームは『マインクラフト』です。どちらのゲームもすごい時間プレイしましたよ。あと、子供の頃に大好きだったゲームは『Pajama Sam』ですね!
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
ConnorプログラマーのScott Slucherが『A Short Hike』というインディーゲームに影響を受け、本作のプロトタイプを作ったのがきっかけです。本作とこのゲームは一見見た目がそっくりですが、本作のスタイルをユニークなものとするため、Scottがかなり力を入れましたよ!
――本作の特徴を教えてください。
Connorよくできたストーリーや滑らかなアクションで知られる「健全」なジャンルのゲームは多くありません。私たちはその点で特徴的だと思っています!
私が担当したストーリーに関してはとても誇りに思っています。可愛いだけでなく、会話はどれもリアルになっています。キャラクターたちはおバカですが、それぞれ個性的な仕草をし、会話も自然なものとなっています。
また、Scottが素晴らしい仕事をし、ちっちゃなワニが島中を移動するのがとても気持ち良いものとなっています。崖を登ったり、盾で滑り降りたり、他にも様々なタイプの動きをすることができるのです。ぜひご自身でプレイし、見てみてください!
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――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Connorアーティストは世界中の人に自分のアートを見てもらいたいものです!とは言え、ビジネス視点では、3つのタイプの人に気に入っていただければと思っています。
おバカな友達というキャラクターたちに馴染みがある、小さな子供
子供の頃のごっこ遊びに良い思い出がある、23歳以上の大人
小さな子供を持つ忙しい親。クエストはとてもコンパクトで、少しずつ進めることでもクリア可能。忙しい中の小休止に最適で、プレイを一旦やめる時にも笑顔になれますよ!
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Connor『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のファンの方たちは、グライダー、よじ登る、盾によるスライドなど、多くの似ている点に気がつくでしょう。私たちは『ゼルダの伝説』シリーズが大好きで(私は『ふしぎのぼうし』が好きで、Scottは『トワイライトプリンセス』が好きです)、ちっちゃいワニも大好きなのです!
本作の世界には『ヒーローの伝説』という架空のゲームシリーズがあり、ちっちゃいワニは以前このゲームの影響を受け、お姉ちゃんと一緒に冒険を始めたのです!私たちは他にも、子供の頃に見た多くの欧米のカートゥーンに影響を受けていますよ!
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Connor翻訳に関する公式の発表はありませんが、忘れないでください。アーティストは世界中の人に作品を見てもらいたいものなのです!日本の皆さん、もちろん私もその一人ですよ!
出来るだけ多くの言語に翻訳したいと思っています。有志の翻訳家と一緒に作業をしたいとも思っていますが、今後どうなるかわかりません。本件に関するニュースや発表を知りたければ、ぜひ私たちのTwitterアカウントをフォローしてください!(私がツイートを担当していますので、すべて英語で申し訳ありません!)
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Connorいくつかの点で新型コロナは本作の開発に影響を与えましたが、皆さんが予想するのとは少し違います。私の家族は新型コロナに感染したら危険な状況でしたので、2020年の終わり頃、オフィスに戻ってこいと言われた際、私は仕事をやめました。アメリカでは多くの人が新型コロナを真剣に捉えておらず、とても怖かったです。
こう言ったこともあり、友人たちのゲームを手伝う時間はたくさんありました。そして、本作は「私のゲーム」にもなったのです!
私はRobinともScottともかなり離れた場所に住んでおり(その距離は山口県から青森県ぐらいあります)、ほぼすべてのやりとりはオンラインで行われました。私たちのチームは小さかったので、すべてデジタルでやり取りが行われました。そのため、他の大きなスタジオと比べ、私たちは新型コロナによる開発への影響が少なかったのです。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Connorはい、ぜひ配信し、収益化しちゃってください!
他の人が本作を遊んでいる姿を見るのはとても楽しいです!配信スケジュールを維持することや、視聴者を楽しませるというのは大変なことです!収益を受け取る資格は十分にあるでしょう!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Connor日本の読者の皆さん、こんにちは!本インタビューを読んでいただき、ありがとうございます!私とはまったく異なる文化圏の方たちが、私の作ったものを遊んでくれるというのは、緊張とワクワクが同時にやってきます。ゲームシステムというのは他の文化でも変わりませんが、ストーリーというのは文化によってその解釈が変化し、良いゲームと悪いゲームを決める要素にもなります。
私は思うのです…異なる解釈をする際に失われるものはあるのでしょうか?私が何か一つ間違えれば、本作がプレイヤーをイライラさせるものや、退屈させるものになってしまうのではないでしょうか?いつか時間がその答えを教えてくれると思いますが、私にもわかっていることが一つあります。弟が兄と一緒に遊びたい気持ちはいつの時代も変わりません。これは世界中どの文化圏でも、理解してもらえることでしょう。
皆さんが本作を楽しんでいただけると嬉しいですし、人生において重要なものについて、私たちは何ら変わりないということを発見できると幸いです!
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。