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ピクセルは、同社が作曲家・古川もとあき氏を提訴しているシューティングゲーム『スチームパイロッツ』に関するクラウドファンディングについての「お詫びとご報告」を公開しました。
『スチームパイロッツ』は、過去にコナミに所属していた作曲家・古川もとあき氏を発起人とするゲームプロジェクト。本プロジェクトは2019年に企画が始まり、ピクセルは古川氏から連絡を受けゲーム制作を担当、古川氏がすぐに開発費を準備できないとの理由から「ゲームの販売により得られた利益を折半すること」という合意を当初得ていたようです。
その後、開発規模の拡大で不足した開発費を捻出するために古川氏がクラウドファンディングを開始。当初は2020年9月に完成する予定だったのですが、新型コロナウイルスを起因とする開発の遅れに対応するために発生した開発費などを考慮し、作品を完成させるために第2回のクラウドファンディングを行い、両キャンペーンで合計11,022,700円の支援を獲得しています。
開発を担当していたピクセルは、そのクラウドファンディングで獲得した資金から一切の支払いが行われなかったことを報告。2022年1月には同社および代表がすべての担当から降板したことを明らかにし、3月には古川氏への訴訟を提起したことを公式サイト上にて報告していました。
訴訟提起の報告によると、開発費の未払いにくわえ、当初合意していた「ゲームの販売により得られた利益を折半すること」に関する説明も一切行われなかったとのこと。また、2022年11月に古川氏へと送付した報酬請求への、代理人からの返答内容によって話し合いが困難であると判断したとしています。
2023年1月18日に公式サイトおよび公式Twitterに掲載された「お詫びとご報告」によると、提訴している請負代金請求の訴訟において、古川氏代理人より以下の回答が得られたとして、原文ママの回答が掲載されています(下記引用文)。
本件ゲーム制作の一部を外部に発注する等、本件ゲーム完成に向けて契約当事者が負担すべき経費に備え、その経費負担のリスクを回避するためにクラウドファンディングは実施された
原告(当社)に本件ゲーム制作費を支払うために実施したものではない
クラウドファンディングで資金を集める当初の目的の中には、本件契約当事者に少しでも制作費を支払うという目的はなかった
この回答に対してピクセル側は、クラウドファンディングページで開発費と明言されていることで、同社に開発費が支払われるものと錯誤し、2019年12月から2020年3月の期間中に資金調達への協力や開発の継続を行っていたということです。
なお、本プロジェクトにキャラクターデザイン/美術全般で参加していたShuzilow.HA氏は、自身のTwitterでこの件に関するコメントを投稿。この裁判は開発費不払いに関するものであり、開発差し止めや開発続行不可能になるものでないことを強調しています。また、Shuzilow.HA氏は「シュウジロウは既にクビの様です」と、すでにプロジェクトから外されていることを報告しています。
この裁判に関して、古川もとあき氏は2022年11月にプロジェクト進捗に関するお知らせ内で反応していますが、2023年に入ってからはマネージャー・雨宮天気氏を含めコメントは行っていません。
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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
UPDATE(2023/1/20 16:15):ピクセル側のツイート削除に伴い、一部本文を修正しました。