マイクロソフトゲーム部門CEO兼Xbox責任者であるフィル・スペンサー氏が、1月17日に開催された「第12回 New York Game Awards」で行った受賞スピーチの内容について、海外メディアのKotakuは“異例の発言”として取り上げています。
Andrew Yoon Legend Awardの受賞スピーチでスペンサー氏は「ゲームという“世界を創り出す”側には、プレイヤーの愉しさを呼び起こし感動を与えるという責任があります。現代の批判とキャンセルカルチャーによりそれらは難しくなる一方ですが、そんな時代でも勇気をもって意図的にビジョンを世に送り出すクリエイターたちがいて、我々(企業)は彼らを守り、育成していく姿勢が求められています」とクリエイターを賞賛。同時に「今日では“愉しさ”を求めることは、反逆的行為とすら感じます」と述べました。
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この発言は、一部のプレイヤーやコンテンツ制作者の間で繰り広げられている『ホグワーツ・レガシー』にまつわる話題に、そのまま当てはめられるとKotakuは報じています。
原作小説の著者であるJ.K.ローリング氏はトランスジェンダーへの差別発言が過去に議論の的となりました。ローリング氏はゲームに全く関与していないにもかかわらずライセンス料を受け取るため、“トランスジェンダーの権利を支持しながら『ホグワーツ・レガシー』を購入できるかどうか?”という議論が起きています。そこには、ローリング氏の考えを到底支持できないという理由で、ゲームを絶対に買わないというキャンセルカルチャーも発生しうるわけです。
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またKotakuは、今回の発言意図が「ゲームクリエイターが時として問題の連帯責任として、ファンから批判にさらされ嫌がらせの対象となること」を想定したのか否かは不明だが、開発者やプレイヤーもゲーム会社に対して政治的見解や倫理観といった責任を求め、期待している現代社会においてスペンサー氏の「批判とキャンセルカルチャー」発言は異例であり、人種やジェンダー、格差といった問題に気づき認識し始めた世代・人々への反論とも受け止められかねない、とも報じています。
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