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MSIは2月15日、新世代ゲーミングノートPCシリーズ「アルティメットノート EVOLUTION」を発表しました。
これは該当全機種にNVIDIA GeForce RTX 40シリーズ Laptop GPUが搭載された最先端ラインナップで、最上位機からビギナー機まで、様々な価格帯に対応する布陣として今後の販売が期待されます。
この記事では記者発表会の様子と共に、シリーズの中から筆者・澤田真一の独断と決断でMSI「アルティメットノート EVOLUTION」の注目機種を取り上げていきたいと思います!
映画監督と映像スタジオ
PCゲームをする上で、GPUが搭載されたPCは欠かすことができません。
たとえば、あるところに映画監督がいたとします。この監督がCG映像盛りだくさんの新作映画を制作することになりました。一応、監督はCG作成のイロハを知ってはいますが、ここはやはり専門職の映像スタジオに外注したほうが手っ取り早く、作品のレベルも監督が手掛ける以上のものが見込めます。
映画監督をCPU、映像スタジオをGPUと言えば、例えとしてはまぁ間違っていないはず。
現状、店頭やネット通販で売られているゲーミングノートPCのGPUはRTX 30シリーズが大多数。今回はそれらの後継機種と言うべきRTX 40シリーズの製品群を、この手で触れてみましょう。
ええ、そのために筆者は静岡から上京したんですよ!
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展示棚の右端から左に行くにつれ、上位機種になる並び順です。しかし上述の通り、『アルティメットノート EVOLUTION』はいずれもRTX 40シリーズを採用。発表会直後に配信されたプレスリリースでは「NVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャで構築され、AI を活用したDLSS 3により性能が飛躍的に向上し、フルレイトレーシングでリアルなバーチャル世界を実現」と説明されています。既に到達している4Kゲーミング時代、デカい画面を高フレームレートで動かせるGPUがノートPCにも欠かせません。
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一方で、消費電力を抑える意味でも上述のDLSS 3は大活躍。これで我が家の電気代も大幅に安く……という意味合いの省電力ではなく、ゲーミングPCというものはあまり消費電力が大きいと頭に血が上った星一徹のように(例えが古い)熱く燃え上がっちまいます。すると敢えてパフォーマンスを低下させる機能が作動し、結果としてPC自体のスペックがガタ落ちしてしまいます。
つまり、RTX40シリーズは「高パフォーマンス」と「パフォーマンスの持続性」の両方が考慮されたGPUというわけです。
「最大144Hz」の謎
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「アルティメットノート EVOLUTION」のフラッグシップモデル「Titan GT77 HX 13V」のスペック概要を見て、筆者は愕然としました。
17.3インチのディスプレイのリフレッシュレートは144Hzとあります。今現在のゲーミングノートPCのディスプレイは最低でも144Hzは確保されているべきと言われていますが、フラッグシップモデルなのにギリギリ及第点のスペック……?
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ところがこの時の筆者は、「Titan GT77 HX 13V」が4K対応製品であることを完全に見落としていました。これなら話は違ってくるぞ! フルHDと4Kとでは、十両筆頭と大関くらいの格差。4Kで144Hzを出せるゲーミングノートPCって、文字通り怪物ですよ!?
CPUはIntel Core i9-13980HX、GPUはNVIDIA GeForce RTX 4090 Laptop、そしてメモリは128GBまで増設可能の完全ガチ仕様。価格は「オープン価格」となっていますが、MSI担当者に聞いたところでは「販売想定価格は90万円を少し下回る程度になるだろう」とのこと。きゅっ、きゅうじゅうまんえん!? 買ったら身代潰しちまいそうな代物だよなぁ……。ちなみに、 筆者が乗り回しているスズキSV400S(98年式・購入時の走行距離7万3,000km)は20万円で購入したもの。バイクと言わず、クルマも買えるぞこの価格!
エントリー機種は20万円以下で購入可能か
澤田真一38歳、PCどころか穴の空いた靴下すら満足に買い換えられない貧乏人です。さすがに90万円のノートPCは荷が重い!
というわけで、棚に並んでいる中で一番安い製品を見てみましょう。
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「Thin GF63 12V」は、今回発表された中で最もお手頃な「エントリー機種」。とはいっても、これを「ロースぺ機種」と言ってはいけません。CPUは12世代Core i7-12650H or i5-12450H(つまり前世代のCore)ですが、GPUはRTX 4050 Laptop。メモリは最大16GB、15.6インチのフルHD対応ディスプレイのリフレッシュレートは144Hzです。
そしてこの製品、重量は僅か1.86kg。持ち運びも苦ではないはずです。さらにHDMIとUSB-Cケーブルで複数の外付けモニターに接続することも可能!
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MSI担当者曰く、「暫定的な販売想定価格はi7版が19万円台、i5版が17万円台」とのこと。うん、17万円ならまだ手が届きそうだ! そもそも、趣味としてのゲームプレイなら12世代Core i5とRTX 3050でも十分過ぎるのですが、そこに最新ナンバーのRTX40シリーズが入ると「趣味から一歩踏み出した使い方」もできるかもしれません。
「アルティメットノート EVOLUTION」は上記2機種の他にもハイエンドクラス、ミドルレンジクラスを豊富に取り揃えています。
日本はPCゲーミングの普及度に関しては各国の後塵を拝していると言われていますが、それは言い換えれば今後の伸びしろが期待できるということ。より快適なゲーミングを実現するRTX 40シリーズが、日本のPCゲーム市場に巨大なインパクトを与えてしまう可能性も十分にあります。
「アルティメットノート EVOLUTION」の諸製品は、2月下旬から順次発売される予定です。詳細は公式サイトよりチェックしてみてください。
¥19,800
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)