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米連邦取引委員会(FTC)はAIに関連するマーケティングについて注意を促す声明を発表しました。
声明は「AI」という言葉がある種のマーケティング用語であると定義するとことから始まり、それが現在流行しつつある売り文句となっていることに言及しました。そしてそういった言葉の常として一部の広告主によって乱用される傾向にあると注意喚起しています。
FTCは約2年前の2021年4月19日にも偏見や差別的影響を与えうるAIツールの使用を避けるよう企業に対して警告していましたが、今回の注意喚起ではそもそも広告の通りにツールが機能しないことも増えてきたと述べ、そういった誇大広告や虚偽または根拠のない主張が取り締まりの対象となると示し、以下の様に規制の対象となりうる広告の内容を列挙しました。
AI製品ができることを誇張していませんか?
現在のAIや自動化技術のキャパシティを超えるほどのパフォーマンスを主張していませんか?私たちはまだ、人間の行動についてコンピューターが信頼できる予測を行うことができるというSFの世界に生きていません。科学的裏付けがない場合や、特殊なユーザー、条件下にのみ適用されるパフォーマンスの主張は詐欺に当たります。AI製品が非AI製品よりも優れていると約束していませんか?
広告主が、高価格の正当化や、労働者の決断へ影響を与えるため、最新のテクノロジーによって製品が改善されたと言うのは珍しいことではありません。この種の比較主張にも適切な根拠が必要であり、それが得られない場合はその主張を取りやめてください。リスクを認識していますか?
AI製品を市場に出す前に、合理的に予見可能なリスクとAI製品の与える影響について認識している必要があります。失敗や、偏った結果を得た場合などの理由で何か問題が発生した場合 、そのテクノロジーのサードパーティ開発者を責めることはできません。そしてテクノロジーがテスト方法の確立されない「ブラックボックス」である、理解できないものだったという主張で責任を免れることはできません。製品は実際にAIを使用していますか?
製品がAI対応だという主張に根拠がなく、必要でないものと判断できるならその広告方法を考え直してください。FTCによる調査では、FTCの技術者やその他の者がシステム内部を調べ、他の資料と照らし合わせて主張と一致するかどうかを確認できます。開発プロセスで単にAIツールを使用することはAIを搭載した製品と同じではないことにも注意してください。
FTCは今回の注意喚起が決して新しいものでは無いとも述べ、以前にも述べたように公平で公正なAIの利用にも引き続き注意を払ってほしいとしています。できることもできないこともAIを語る上で欠かせない物であり、「AIについての主張が認可できないものであった場合にFTCが何をするかを予測する機械は必要ない」とユーモアたっぷりに締めくくっています。