最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。私もプレイするまで正体が掴み切れず泣いています。そこで“なるべく早く”をモットーに、ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」。
今回はPlayWayがパブリッシャーを、Crazy Rocksがデベロッパーを担当し、2023年3月8日にSteamにてWindows PC向けにリリースした、国境警備ゲーム『Contraband Police』について生の内容をお届けしたいと思います。
『Contraband Police』とは?
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本作は、架空の80年代共産主義国を舞台に、プレイヤーは国境警備の検査官として日々職務を全うすることになります。
入国希望者が持参する書類に不備が無いか?持ち込みの荷物にも禁輸品が紛れていないか?……こういった水際取り締まりから、違反物/ 囚人の移動、必要物資の買い出し、敵対勢力による襲撃への対応や別部署への応援などなど、仕事の内容は多岐にわたります。
そんな様々な要素はゲームシナリオによって高い水準でまとまっており、さらに取捨選択が迫られる重要なイベントが添えられることによって、全体的になかなかの没入感を得られるプレイ体験でした。個人的には一人称視点というスタイルもそういった体験に一役買っているものだと感じます。
ともあれさっそくやってまいりましょう。
操作・設定・言語
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本作はキーボード・マウスによる操作で、移動はWASD、視点はマウスといった具合でオーソドックス。もちろんキーバインドで設定変更もできるのでそこはお好みで。将来的にはコントローラへの対応も検討中とのことですが、記事執筆時点では、「100%確約できるものではない」と開発チームは語ります。
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その他設定についても、音声およびグラフィックともに一般的な項目が並び特に不便はありません。ただ、個人的に非常にありがたかったのは、FOV(視野)の調整項目が用意されていたこと。3D酔いに強くないゲーマーとして大いに助かります。
なお言語は日本語にもばっちり対応済み。カタコトになる箇所がちらほらありますが、理解に時間を要するような破綻ということはなく、プレイ中に不便を感じることはありませんでした。
本編開始
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花粉症がひどい今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。筆者も、ハナノアのCMに登場する今川耕司さんのような状態で執筆しています。
そんな中で始まる今回の『Contraband Police』プレイレポ。私はいま、架空の国家「アカーリスト人民共和国」の国境を守らんとする現場検査官として同僚が操る車に揺られています。
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周囲を見渡すと、この共産主義国は緑豊かな自然に囲まれ、花粉の地獄みてぇな景色になっていますが、無慈悲なイベントシーンに阻まれ私はここから逃げられない。ゲームは有無を言わさず私を国境ゲートへと運び、目の前にある物々しいフェンスが「簡単には突破できないかんね」と無言の圧を放ちます。
丁寧なチュートリアル
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幸運の言葉の代わりにナザール「スプレー」をくれんか。そんな私の懇願を黙殺するかのように、今度はチュートリアルが私をオフィスへといざないます。
ここからはチャプター1「トレーニング」ということで、総監アンドレーエフ閣下の指示によって、国境警備という責任ある仕事のイロハを学んでいくことになります。
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画像からもわかる通り、本作のチュートリアルは非常にわかりやすいです。閣下の音声は字幕表示され、さらに目標物などには目立つ位置に矢印まで添えられるため、行動に迷うことはほぼないでしょう。
検査してみよう
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検査には「任務フォルダ」を使います。このフォルダはゲーム内において、いわゆる情報端末的な役割を担います。
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入国希望者から受け取った書類などがここに表示され、我々検査官は国の規則と比較ながら、目を皿にして項目を一つずつ確認して最終判断を下します。問題がなければ入国を「承認」するスタンプを、不備などがあれば「拒否」を押し、密輸などを企てる不届きな連中は牢へぶちこみます。
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実際にやってみましょう。検査場に入国希望者の車両を招き入れたらまずは書類を預かります。そこから各項目を確認していくのですが……いちいち大変ですし時間もかかります。そこで本作では書類の当該項目をクリックすることで他書類と比較する便利機能の出番。
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ここらへんは『Papers, Please』を遊んだことのあるプレイヤーにとってはなじみ深いものではないでしょうか。ただし使用のたびに「知覚」ゲージが消費されその分時間もかかるようになるので注意です。
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今回は問題無かったので無事入国を承認しました。
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自分の下した判断については、すみやかに結果が表示されます。このように各項目を正しく確認をすれば 、賃金は弾みますし閣下のおぼえめでたく昇進の道も早まります。
水際の取り締まりは隅々まで行うことが鉄則
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おっとこちらの男性は書類不備がありますね。入国拒否。
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ついでに禁輸品を持ち込んでないかチェック。「ここまでする?」という味わい深い顔を向けられますが、お帰りいただきます。
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禁輸品が持ち込まれる場合、目視では発見できない車両のシート内側などに隠されると厄介です。しかし画像のように特殊なライトで照らすと、密輸業者が符牒として使用するマークが浮かび上がるので、適切な道具で中身をあらためます。
今回の場合ですとナイフですね。こういった道具はほかにも斧やバール、さらには銃器といったものがあり、装備ホイールに6つまでストック可能。ただし取り扱いには注意が必要です。もし周囲に人がいたら怪我をさせてしまいますからね(させてしまった……)。
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本作はゲーム内で24時間サイクルで時間が進んでおり、ミッション途中、諸事情によりゲームオーバーとなった際は、最後のチェックポイントまたは1日をはじめからやり直すことが可能です。
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禁輸品は、他にもタイヤの中や、積んである貨物にも紛れ込んでいることがあり、それらは地面に下してひとつずつ確認していきます。
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こういった動物も検査の対象です。『Goat Simulator』のあいつだったらこちらの命が危ない。
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また隠し場所としては車のエンジンルームやトランクも人気スポットなので、よくよく注意しなければなりません。
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違反者を逮捕し、牢屋へぶち込みました。一部不祥事はありましたが、この国の水際取り締まりとして誉れのある仕事ができたと思います。
周辺施設を見て回ろう
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検査で使用する道具にはそれぞれ耐久値というパラメータが設定されており、使用のたびに消耗し、値が0になると壊れて使えなくなってしまいます。誤った道具を使うとより早く消耗が進んでしまうので、木箱には斧など適切なものを選択しましょう。
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ともあれ新しい道具の補充は道具屋へ行き、労働で得た資金で購入します。本作の基本的な流れとしては、メインとなる国境警備の仕事で得た資金をもとに、道具や装備を充実させ、時にはマンパワーを雇って全体をマネジメントすることになります。
しかも設備の維持費や車両整備費など細々した出費も自腹で、支払えないとクビを言い渡されてしまいます。とんだ楽園ですなアカーリスト人民共和k(閣下に連れていかれる音)
そのため、とにもかくにも入国検査が重要な収入源。道具など適宜補充をするのは大切ですが、そもそもの話として検査を行う際、無駄な操作や間違いをいかに少なくできるかという意識は大切ですね。
襲撃に注意
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道具屋しかり、囚人の移送しかり国境付近の施設へは自分たちで車両を運転する必要があります。ステアリングの感覚はそこまでピーキーではないのですが、一人称視点の運転というのはどうにも苦手です。特に今回は囚人を後ろに乗せているのであちこちぶつけて運転してしまうと怪我をさせてしm……
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とかいっている傍から武装勢力の襲撃にあってしまいました。こちらは私一人に対して向こうは何人もいる多勢に無勢。こういう時は応戦せずに一目散に逃げるのが最善でありましょう。
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ああ…………!
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ちなみにこういった襲撃は国境警備中にも発生したりします。スピーカーから閣下の怒声が響き渡ったと思えば、うじゃうじゃと敵さんが銃を撃ちながら近づいてくるではありませんか。
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最後の一人を倒すと挟まる演出のワンシーン。意外とこういったアクション強めなイベントが、良い具合にゲームの流れに対するアクセントになっていますね。
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なお、その後も国境突破したツワモノとのカーチェイスのハズが事故で爆発、密輸品を保管所に引き渡しす際うっかり同僚をバックで轢いてゲームオーバーなどが続いたので、私は国境警備所に引きこもることにしました。
おわりに
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今回の執筆時点ではまだ序盤ではありますが、すでに共産主義国にまつわるあれこれな人間ドラマがストーリーにしっかり絡んできます。毎日国境警備して小銭を稼ぐだけという気楽な構えでいた筆者ですが、上記の襲撃などメイン以外のイベントも充実しており、いつの間にか深い没入感に包まれていると気づきました。
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入国希望者へ下す判断とは全く別、自分の人生にかかわる選択肢を突き付けられたとき、ゲームとはいえ私は判断にとても悩んでいたのです。
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まあそのあと資金繰りに失敗してクビになったのですが……。
対応機種:PC(Windows)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2023年3月8日
記事執筆時の著者プレイ時間:3.5間
価格:通常価格: 2,300円、セール価格:2,024円(23年3月24日まで)