Blizzard Entertainmentから2023年6月6日に発売予定の『ディアブロ IV(Diablo IV)』。いよいよ3月18日(土)よりオープンβテストも開始され、ユーザーたちがサンクチュアリの世界に飛び込む瞬間が訪れようとしております。
そんな重要なオープンベータテストを前に、今の現状を含め開発者へのインタビューが実施されました。今回はそのインタビューの内容を皆様にお届けします。開発チームのとてつもない熱意と、レーティングのお話など貴重なお話が飛び出しています。
オリジナルの表現のためのCERO:Z
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今回インタビューに答えてくれたのは、『ディアブロ 4』ゲームディレクターのJoe Shely氏(写真上、以下Joe)『ディアブロ』フランチャイズ代表であるRod Fergusson氏(写真下、以下Rod)。お二方とも、1つ1つの質問に対して非常に詳細に語ってくれました。
ーーオープンベータテストを直前に迎えた今の心境と、本作において特に注目して欲しい点を教えて下さい。
Joe まずはもう直ぐユーザーの皆さんにプレイして頂けることを楽しみにしております。今回のテストではマーケティング用ではなくユーザーの皆さんの反応、サーバーが問題無く安定するか、ゲーム序盤のレベリングのスピード等、微調整すべき点なども見ていきたいと考えています。なので色んな人にオープンベータテストに参加して頂いて、データをチェックしたいと思っています。
Rod ユーザーの皆さんには開発陣が本作において非常に情熱と愛を注いでいるかをぜひ感じて欲しいと思います。クオリティに関しても最高のものを届けられると考えていますし、『ディアブロ』シリーズのコアファンに「これが最高の『ディアブロ』だ」と言って貰いたいと感じています。さらに本作で初めて『ディアブロ』シリーズを触る人にも楽しんで貰いたいとも考えています。
ーー『ディアブロ4』ではプレイヤーが好きなスキルを取得するスキルツリーのシステムが組み込まれていますが、本作で初めてシリーズをプレイする人にはどういった組み合わせが強力なのか、わかりづらい点もあると思います。その様な人たちに向けて、ゲーム内でおすすめのビルドを表示したりなどの仕組みは組み込まれたりしますか。
Joe まず、新しくスキルを覚えていくスピードがゆっくりな形になっています。また1個のレベルアップで1つのスキルが追加されるイメージなので、一気にスキルが増え混乱を招くようなことにはなっていないと思います。また、サブスキルのようなものが追加されるノードという仕組みもありますが、これも吟味できるようにゆっくり追加されます。
さらにスキルの振り間違いや装備品によってスキルを変えたい場合、レベル帯が低い時はリセットのコストが低く設定されているので、やり直しがしやすい仕組みになっていると思います。
本作の全クラスに言えることですが、色んなプレイスタイルが存在できるように開発しています。バーバリアンを例にすると「ワールウィンド」や「出血」などのビルドがあるとして、そのビルドに関連するスキルやノードをスキルツリー上で調べることが可能です。そういった仕組みを使うことで、初心者にありがちな変なスキル構成にはなりづらいと考えています。
Rod また、開発初期から現在に至るまでスキルツリーに関して何度も作り直したり更新が入っています。理由としてスキルの組み合わせ自体は深くしたいのですが、ユーザーが分かりづらい形になるのも問題になるため、バランスを取って何度も作り直しをしています。その結果、直感的にわかりやすい現在のスキルツリーの形になっていると思いますので、初心者の方でも理解しやすくなっていると思います。
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ーー長年の『ディアブロ』シリーズのファンを満足させる為に取り組んだことを教えて欲しいです。
Joe まず、成長の仕組みについては『ディアブロ2』に近いものになっています。『ディアブロ2』を実際にプレイしていたのであれば想像しやすいと思いますが、ゲームをクリアする際にレベルを最大まで上げる必要は全くありません。『ディアブロ4』においてはレベル40程度でゲーム終盤に差し掛かることになります。なので、本作は「ゲームをクリアしてからが本番」という形になっています。
ゲームクリア後は、まずパラゴンレベルの調整があります。さらに『ディアブロ4』の最大レベルは100までですが、レベル100に到達後「ワールドティア」というものが存在します。この「ワールドティア」を上げるためには、ボスを倒さないと上げられない仕組みになっています。また、レベル100に至るためにも、ボスを倒さないと到達できない形になっています。その様な要素を解放するといったゲームの厚さもあり、コアファンであっても十分満足できるものに仕上がっていると思います。
Rod エンドコンテンツに関しては、本作の発売直後から大量に入った状態になっています。それは先程お伝えしたパラゴンレベルやワールドティア以外にも沢山存在します。なので、コアプレイヤーも楽しんでもらえると思います。
Joe 大きな要素として本作はオープンワールドとなっているので、広大な土地を冒険しサブクエストなどをこなしていくことが1つ上げられます。
また別のエンドコンテンツとして「ヘルタイド」と呼ばれるものも存在します。本作では変化するマップを攻略することでレアアイテムなどを獲得できます。またプレイヤー自身で出現するアイテムをコントロールする要素もあるので、アイテム集めをする場合「ヘルタイド」を利用することになると思います。勿論「ヘルタイド」に出現する敵もプレイヤーに合わせて強くなっていきます。
さらに「ダンジョン」の要素もあります。ゲーム内には150のユニークなダンジョンが入っています。また紋章と呼ばれるアイテムを使うことでダンジョン自体の難易度を上げ、より豪華なアイテムを入手するチャンスを得られるので、高難度ダンジョンを攻略することもエンドコンテンツの1つとして上げることができます。
最後にエンドコンテンツとして上げるのは「PvP」です。PvPエリアに入ると他プレイヤーを攻撃できます。また、PvPエリア内には通常のモンスターも存在します。他プレイヤーを倒していくことで自身の賞金首としての名声が上がっていきます。
さらにプレイヤーを倒すことで「混沌の破片(仮名、正式名称は不明)」を獲得でき、アイテムと交換が可能です。『ディアブロ2』ではプレイヤーを倒すことで対象のプレイヤーの耳を入手できましたが、『ディアブロ4』でも同様の仕組みが実装されています。
最後に、『ディアブロ4』はライブサービスを提供していく形で運営していくので、リリース後もエンドコンテンツが追加されていく予定です。
ーー『ディアブロ4』では各クラスごとにコアスキルやノードなどが沢山あり、それらを組み合わせることでビルドが形成されると思いますが、開発陣はどれくらいのビルド数を想定しているでしょうか。
Joe 現状、1つのクラスに対しておおよそ4つから5つのベースになる設計ビルドがあります。ただ、ベースビルドが同じだとしても全く同じものになるとは限りません。理由として、ノードが違っていたり装備しているものが違ったりするからです。個人のカスタマイズによって細かな仕上がりは千差万別になると思います。
また、本作は100以上のレジェンダリーアイテムがゲーム内に存在します。これらを組み合わせることで、開発側が考えつかなかったユーザー独自のビルドも発見されていくと思います。
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ーー『ディアブロ』シリーズも25年以上続いていることもあり、開発陣の中でも理想としている『ディアブロ』像というのが異なってくると思います。その為、現場で意見の食い違いなどが発生すると思いますが、その際はどの様なプロセスを経てゲームに落とし込んでいますか。
Joe 『ディアブロ』シリーズに関わらず全てのゲーム開発現場において同じだと思いますが、基本デザイナー全てが100パーセント同意するということはまずあり得ません。むしろ皆それぞれの意見を持っているので、意見が対立することは多発します。
しかし本作の開発においては、色んな『ディアブロ』像があることで返って良い開発環境になっていると感じています。理由として、違う年齢層の理想像を開発内で吸い上げることが可能だからです。
本作の開発に携わっている人は皆『ディアブロ』シリーズに情熱を傾けている人たちなので、そういった人たち同士で意見を突き詰めたり対立すること自体がよい形ですし、そういった意見を吸い上げていきたいと思っています。
Rod 初期の段階から本作のビジョン、『ディアブロ4』はどういったものかということをチーム内で共有して開発しています。チーム内でよく使っているフレーズとして「闇への帰還」というものがあります。このフレーズを基準として、各ナンバリングの『ディアブロ』の理想像を聞いて吸い上げています。
『ディアブロ1』から続いている闇のトーンを吸い上げ、『ディアブロ2』からはスキルツリーや成長要素に関してピックアップ。そして『ディアブロ3』からはコンバートの気持ちよさや爽快感を吸い上げ、『ディアブロ4』ではそれらに加えオープンワールドの要素を選択し追加しました。
また「闇への帰還」というフレーズにもあるように、ダークファンタジーのトーンを大事にしているので、日本での発売においてCERO Zで発売することが決まっています。CERO Zで発売することでダークファンタジーの要素、オリジナル版と同じ雰囲気を可能な限り日本のユーザーにも届けられるようにすることが1つの目的だったので、実現できることを嬉しく思っています。
ーー『ディアブロ4』の仕上がりの手応えをお聞きしたいです。
Joe かなり自信があります。開発陣は今もなお頑張ってゲームを仕上げています。また、今回のオープンベータテスト版を出すことも大きなマイルストーンの1つでした。勿論、ただテスト版を出すだけではなく、これでしっかりテストを行うことができると考えているので、今回のテストで得られるユーザーの反応や意見を吸い上げて、製品版に引き上げていきたいと考えています。
Rod 特に自分が面白いと感じたのは本作の作り方です。本作は開発初期段階で一部箇所はテクスチャが無かったり棒人間だったりしましたが、最初から最後まで通しでプレイできる状態になっていました。その後「スープテスト」と言って、スープを作る過程のごとく「このシーンには追加のキャラを入れよう」「このシステムに新しい要素を入れよう」など、新しい要素を次々と入れていく形で開発していきました。これは他のゲーム開発とは大きく異なっている点だと思います。
また、コロナの影響により開発メンバーそれぞれが自宅で開発ビルドを持ち帰ってプレイすることになった為、結果として「スープテスト」がより磨かれていく形になったと思っています。
ーー『ディアブロ4』は今までのシリーズとは異なりMMOライクな遊び方もできると思っています。一方、Blizzardさんと言えば有名なMMOとして『World of Warcraft(ワールド オブウォークラフト)』があると思いますが、それらの魅力やノウハウが『ディアブロ4』でどの様に活かされているのか教えて下さい。
Joe 『ワールド オブウォークラフト』を運営していくことで、問題解決のノウハウが自分自身についてきました。そのノウハウを『ディアブロ4』の開発に役立てました。
またMMOに近いと質問内容にはありましたが、『ディアブロ4』はARPGとして制作しています。勿論他のユーザーと出会うということはありますが、『ディアブロ』というシリーズは一人で遊ぶものという点を重視しているので、ソロで楽しめる要素に重点をおいて制作しています。
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ーー『ディアブロ2』では友達とアイテムを交換する遊び方が生まれました。『ディアブロ3』ではパラゴンレベルを上げ続けるマラソンプレイが生まれました。『ディアブロ4』においてこれらに変わる新しい遊び方や、ユーザーがいつまでも遊び続けられる仕組みについてお聞きしたいです。
Joe これは特に『ディアブロ3』のプレイヤーからなのですが、装備もレベルも最上級になったとしてもそれらの強さを試す場所が存在しないという不満がありました。しかし『ディアブロ4』ではワールドボス(ティアボス)と呼ばれる強力なボスが存在するので、そこで試せると考えています。強い装備を集めティアボスを撃破し新しいティアに到達、これを繰り返すことでトップティアへと到達するというのは、強さを試す1つのコンテンツとして楽しめると思います。
また、ダンジョンでも紋章を手に入れることで高難度のダンジョンに挑戦できますが、最終的にはプレイヤーが到達するレベルや強さよりも、ダンジョン自体のレベルや強さの方が高くなる想定です。そういったダンジョンをクリアするには可能な限り装備を強化するのは勿論、プレイヤー自身のプレイスキルも磨く必要があり、それでもクリアできるかは開発陣からも言えないというものになっているので、最終的には色んな遊び方ができると考えています。
Rod 『ディアブロ4』はライブサービス(運営型)のゲームですので、シーズンが重なることで要素が追加されたり変更されたりする可能性があります。その為、詳しくは言えませんが発売直後のエンドコンテンツと、数シーズンを経た状態でのエンドコンテンツは違うものになっている可能性もまた存在します。その為、プレイヤーが飽きるということはほぼ無いと考えています。
ーー最後に、日本のユーザーに向けて一言お願いします。
Rod 日本の皆さんをまたサンクチュアリに呼び戻せることが楽しみです。また、日本のユーザーがどの様な反応をしてくれるのかも同様に楽しみです。先程も申し上げましたが、本作をCERO Zで販売できるということが開発陣にとっても嬉しく思っているので、ぜひ「生」の『ディアブロ4』を日本の皆様にも楽しんで欲しいと思います。
Joe 『ディアブロ4』には沢山の悪魔を詰め込みましたので、悪魔を倒すお手伝いをぜひ日本の皆さんにもお願いしたいです(笑)皆さんがプレイできるのを楽しみにしています。
Rod また本国ではタトゥーショップとコラボしており、タトゥーを入れることで『ディアブロ』のアイテムを渡すという企画をやっているのですが、私はネクロマンサーが大好きなので本作のネクロマンサーのアイコンを彫って貰いました。
なので現状最も強く、強力なアイテムを持っているのはネクロマンサーです。そうでなかったらジョーの腕を引き千切ろうと思っているので、ぜひ皆さんネクロマンサーで遊んで下さい。冗談ですけど(笑)
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今回のインタビューを受けて感じたのは、開発陣は『ディアブロ4』が今までのシリーズの中でも最高傑作であるという自信でした。それほどまでに各コンテンツにおいて熱量を感じましたし、最高傑作を作るための今回のテストで「ユーザーの意見を全て汲み取る」という言葉もインタビュー中に伝えられました。
そう言った点も含め、『ディアブロ4』は新たなハクスラの王になるポテンシャルを十二分に秘めている。そう思わせるに十分な熱を筆者は感じました。3月23日からのオープンベータテストは全てのユーザーが遊べるので、ぜひその深淵を覗いてみてはいかがでしょうか。
¥8,018
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
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