2023年3月25日、梅田スカイビルでインディーゲーム展示会「ゲームパビリオンjp」が初開催されました。出展された約80ブースの中からHesoGamesの『闘う受験生 Entrance Exam』をピックアップしてお届けします。
これは……遊ばずにはいられない！
筆者の目に飛び込むやいなや、心を鷲掴みにして離さないビジュアルのゲームがありました。それは受験をテーマに作成したという弾幕シューティングゲーム『闘う受験生 Entrance Exam』です。
パースの概念を無視して描かれた建物。なぜか手書きの学校銘板や窓。全体的に漂うペイント感……。
これだよ、これ……！
ちなみに学校名のよみは「かしこいだいがく」だそうです。絶対賢くない。
制作者のヘソライダー氏に話を聞いてみると、ご自身が現役の大学生で、鳥取大学の電子計算機研究会ゲーム開発班に所属されているのだそう。制作のきっかけは「ぼくの大学受験はちょうど混乱期に巻き込まれた世代なんです。これはネタにする権利あるやろ」とのこと。なんというストロングハーツ。
※編註：既に学生時代が遠い昔の読者のために補足しておくと、昨今大きく入試制度が変化している。参考：2020年大学入試改革とは…30年ぶりの大改革 | リセマム (resemom.jp)
なぜ弾幕シューティング形式にしたのか問うと「大学受験って対戦ゲームみたいなものじゃないですか」とのこと……それ格ゲーや。めげずにつっこんで聞いてみると「東方とか弾幕好きだから」とのことでした。
ゲーム本編は「理系」「文系」ともっとも難易度の高い「国公立」の3種類から選択でき、それぞれクリアしなければならない科目ステージのボスと対戦するいわゆる”ボス戦シューティングゲーム”です。本編以外にも「模試」として各科目を選んで練習ができるモードもあります（いずれにもボス以外の敵は出てきません。）総合点は被ダメージ数やHit数、ボムの使用回数などを元に計算されていて、本編の最後はそれぞれの科目の総合点によってステージクリアもとい合格か不合格かが決まります。
科目によって弾幕の種類はそれぞれで、社会科では日本列島が防御系の硬い弾幕として飛んできやがるのですが……なんだこれは。
どの科目をプレイしようか悩んでいるとヘソライダー氏が「得意科目はなんですか？」と聞いてきてくれました。バイリンガルである筆者の得意科目は英語ですが、実際に英語のステージをプレイしてみてこんなにもアルファベットが憎らしく感じることはありませんでした。この難易度設定は氏曰く「英語は文系・理系どちらにも立ちはだかる受験のラスボスですからね。暗記だけではクリアできませんよ」とのこと。ううう、あんまりだァ……！
他にも「ほらほら、矛盾ですよ」と矛と盾に追われたり、諸行無常の鐘が襲い掛かってきたりと、各ステージに受験勉強にまつわるクレイジーな弾幕や仕掛けがたくさん。国語の授業では宮沢賢治の名著「銀河鉄道の夜」を彷彿とさせる汽車が弾幕を撒き散らしながら暴走してくる様子に、思わず「フリー素材感！」と発してしまいましたが、ヘソライダー氏曰く「フリー素材に限りなく近付けて自作したオリジナル素材」とのこと。なんでなの！
笑いで涙を流しながらファーストプレイは終了し、筆者はめでたく浪人しました。
『闘う受験生 Entrance Exam』は現在Freem!で配信中です。受験戦争を乗り越えた人も真っ只中の人も、ぜひこの世界観を体験していただきたい。
『闘う受験生 Entrance Exam』作品紹介
大学受験とは闘いである。今までの勉強の成果をぶつけて、試験科目を撃ち落とせ！
プレイヤーは受験生となり、試験科目の化身である少女たちと闘います。受験できるコースは理系・文系・国公立の3つ。練習のための模試モードもあります。受験生応援弾幕シューティングゲームです。頑張れ受験生！
