3月31日、品川にてSIE主催のもとFirst Contact Entertainment開発のPS VR2向けシューター『Firewall Ultra』メディア体験会が行なわれました。本イベントでは試遊に加えて、開発チームへのメディア合同インタビューも実施。本記事ではその模様をお届けします。
『Firewall Ultra』は『Firewall Zero Hour』の続編となる一作で、「アイトラッキング(視線トラッキング)」機能などをフルにゲームシステムに落とし込んだタイトル。先んじて、筆者が本イベントを体験した感想をざっくりいうなら“PS VR2ならでは”新たなシステムだからこそ機能したVRゲームと言えるでしょう。
“視線トラッキング”がキモ!快適であるがゆえに、反射神経が試されるリアルなVRシューター
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本イベントはメディア向けの先行プレイからスタート。まずは実際のプレイから感じた本作の特徴をお伝えしていきます。
さて、今回プレイしたのは4人一組のPvP。VR作品ならではのインターフェイスが近未来感を出しますが、筆者が感じた限りでは、本作は「至ってリアルな戦場」。Unreal Engine 5およびPS VR2によって、ディティールが光ります。
開始前のロビーは、いかにも「傭兵の詰め所」といったVR空間。あたりにはオブジェクトとして弾薬・地図・謎の木箱などが積み重ねられていました。応対してくれる開発スタッフの方々と、そして(取材のため)キョロキョロあたりを見回すメディア陣の対比が、まさに歴戦の傭兵がひよっこ新兵を迎える姿さながらです。
さて、本作の特徴を上げるなら“現実でプレイヤーがとった動作が、多くゲーム内に反映されること”。筆者もいくつかVRゲームをやってきたつもりではありますが、「PS VR2」の指検知センサー・視線トラッキング機能などをフルに活用したその没入感はピカイチ。VRならではの「身体的動作での意思疎通」が非常に快適でした。
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これはゲーム中の指示出しにも反映されてきます。ジェスチャーで射撃場まで案内してくれるところから始まり、ゲーム中はストップの意で腕を広げて静止。良いプレイをするとスタッフの方がサムズアップで褒めてくれる……まさに「モーション要らず」な意思疎通にテンションが上がります。
さて、この“身体的動作の反映度”は「軍人になったらこういう動作をしたい!」といった“ロールプレイにおける没入感”にまでおよび、意味もなくナイフを回転させるといったモーションまで用意されていました。
傭兵になったらナイフを舐めながら「うぇ~ひひ……っ!」と呟きたい欲求を持つ筆者が、ナイフをひたすらいじって机に傷をつけていると、同行した編集者に「初めてナイフを持った中学生じゃん……」とVRゴーグルの向こう側から声をかけられるほどに没入感が高いのです!
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そして本作最大の特徴は「視線トラッキング」によるエイムでしょう。銃を構えてエイムする際には、なんと「プレイヤーが見ている位置周辺」に照準が定まります。敵を視野におさめた時には、視線の動きとともに相手を狙うことができます。
従来のVRゲームにおいては視認とエイムの間に僅かなタイムラグがありましたが、本作はそれらを完全に無くすことに成功し、現実に近い撃ち合いへと近づけています。グレネードを投げる際も「視線が向いてる位置に投擲」となっており、従来のFPS体験より早くバトルが進行するといった印象を受けます。
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少なくとも今までのVRゲームでは、頭ごとそちらを向かなければならないといった動作が発生していましたが、視線で完結する本作はそれが不要です。
そしてこの視線を重視するスタイルは便利なばかりではなく、『Firewall Ultra』はそこに落とし穴を用意しています。それがライト・フラッシュグレネードの存在。銃に付属するライトを敵・味方の顔に当てると、そのまぶしさに視界が白一色に染まってしまいます。
フラッシュグレネードが転がってきたから「なんか来たぞ?」とじっと見つめてしまうと一気に窮地。自分ひとりだけおろおろとしているうちに集中砲火をくらってしまいます。
ちなみに、銃弾によるダメージは仲間によって蘇生可能なのですが、グレネードの爆破をもろに食らうと一気に蘇生不可でダウンしてしまいます。ですので状況を見て即反応・行動とこなしていかなければ、強い立ち回りができません。
逆に言えば、上手く相手の混乱を誘えた時はひとりでも戦局をリカバーすることが可能です。見事にプレイングがハマった際の高揚感は筆舌に尽くしがたい物がありました。「アイトラッキング(視線トラッキング)」により高速化した、リアルでシビアな戦場を『Firewall Ultra』で満喫できるでしょう。
「First Contact Entertainment」メディア合同インタビュー
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続いて行われた合同インタビューでは、First Contact Entertainmentのストラテジックコミュニケーションマネージャーであるデビッド・ジャグノー氏が登場。Game*Sparkを含めた複数メディアからの質問にお答えいただきました。
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――前作から約5年ぶりの新作となりますが前作ファンの要望などは多かったのでしょうか?
デビッド・ジャグノー氏(以下、デビッド): ファンからの期待はとても多かったです。オンラインでも多くの声をいただきました。前回の作品で良かった点を今回に活かし、次世代機ならではのポイントを活かした制作ができたと思っています。
今回は「Unreal Engine 5」を使用しているので、ゲームがもっと没入感あるものとなっていると感じています。たとえば、ライティングのビジュアル。ダイナミックライトを採用しているのですが、懐中電灯の灯りだったり、逆に暗いところは暗く表現できているのが特徴でしょう。
――「PS VR2」に開発が移行して最も変わった点を教えていただけたらと思います。
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デビッド: まず大きく言えるのは「視線トラッキング」機能ですね。これを使い、目を閉じるとプレイヤーにフラッシュの影響が届かなくなるといった機能も実装されています。
そしてエイムしている時に片眼を瞑ると、エイム精度がより高くなるシステムも導入しています。倒された際でも監視カメラから敵を目で追うことで赤くマーキングし、それを味方に伝えられるという効果も実装されています。
また、大きく変わった点として「指検知センサー」が存在していますね。トリガーを引いたときにそれぞれ銃ごとでフィードバックが違う仕組みがあります。
――本作を開発するにあたって前作のシステム・コンセプトを踏襲するべきもの、逆に変えなくてはならないもの……あえて残した点・あえて削った点があれば教えていただきたいです。
デビッド: 今回はシングルマッチではなく3マッチ戦を採用しているという点が挙げられますね。そしてPvEモードも実装していて、ソロから4人までのメンバーで挑戦することが可能です。是非楽しんでいただければと思います。
もちろんPS5もPS VR2も色んな進化を遂げているハードウェアですが、それにあわせてゲームも変わっています。コントラクター・武器・マップまで進化していて、新しく感じられると思います。
――武器やカスタマイズなどの面で進化している点を教えていただきたいです。
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デビッド: たとえば銃やコントラクターが新規追加されているように、全てが新しくなっています。ゲーム中でも前作から5年経過しています。ゲーム世界も当然変わっているわけでして、前作マップにも時間経過が見て取れます。
――VRでの快適なゲームプレイに関して、特に留意されている点はありますか?
デビッド: これはいつも大変難しいポイントです。VRの感じ方には個人差があるからです。我々にできることと言えば、安定したフレームレートでプレイできるよう、「Unreal Engine 5」やPS5の機能を使い実現しようとしています。
「スムースターン」や「スナップターン」の切り替えが出来るようにしているほか、VR酔いがそれでも収まらない場合は「ビネットモード」にて視界を閉じてくれるというシステムがありますので、それを使用してください。
――試合中にロードアウトを変更することは可能ですか? また、武器カスタマイズの可否や、オススメ武器などがあれば教えてください。
デビッド: 試合が始まっても武器のロールアウトを変更することが出来ます。2つまで準備して挑むことが可能です。
カスタマイズも出来るようになっていますので、マガジンやカモフラージュペイントなどのカスタマイズを銃・コントラクターに施せるようになっています。
個人的なオススメ武器はサブマシンガンです。とりまわしのスピードが早いため、不意打ちに早く反応できるので好きですね。
カスタマイズについて補足しますと、マッチ後にクリプトというゲーム内通貨を稼ぐことができ、それによってカスタマイズが出来るということも付け加えておきます。
――すこし気が早いのですが、リリース後に追加コンテンツや新シーズンなどを想定していらっしゃるでしょうか?
デビッド: 新シーズンに関する情報はまだ開示できないのですが、我々は「オペレーション」と呼称していまして、リリース後も「オペレーション」を出してアップデートしていきたいと思います。その中には有償・無償アイテムのリリースもありますし、たとえば銃やコントラクター・マップのアップデートもしていきたいです。また、セーフハウスのアップデートも予定していますね。
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――現在の開発状況を教えていただいてもよろしいでしょうか?
デビッド: リリースタイミングは「まもなく」と考えていますので、少しお待ちいただければと思います。
――PS VR2において、開発者の視点から「新しいデバイスだ」と驚かれた点はどこでしょうか。
デビッド: VRの業界に2015年から携わっているのですが、視線トラッキングがここまでうまく機能しているというのは初めてなんじゃないかと感じています。そしてこれが、ただ飾りのようにあるのではなくゲームプレイを楽しくするために組み込まれている。これによってさらに没入感が高まるゲームに仕上げられたのではと思っています。
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――『Firewall Ultra』において、エンジョイ・ハードコアゲーマーなど、届けたいと想定しているユーザー層について教えてください。
デビッド: シンプルな答えなのですが「両方」だと思っています。VRに触れたことのない方も簡単に遊べるようにしています。リロードもボタンひとつででき、複雑な動作が無いように心がけています。
それから同時に、このゲームはプレイ中、チームコミュニケーションや警戒を怠ってはいけません。そういった点を踏まえて前作のようにコミュニティが発展していけば、と考えています。
――待ち望んでいるファンに向けてコメントがあればお願いします。
デビッド: PvPモードで友達と遊ぶこともできますし、オンラインで新しいユーザーと出会うことも可能です。もちろんPvEモードもありますし、トレーニングモードもあります。どんなユーザーも楽しめるゲームとなっているのではと思いますね。
『Firewall Ultra』はPS VR2向けに、2023年のリリース予定です。