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『リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends、LoL)』を手がける、Riot Games内のパブリッシングレーベルRiot Forgeによる新作タイトル『メイジシーカー:リーグ・オブ・レジェンド ストーリー』が、日本時間4月19日にPC/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ向けでリリースを迎えます。
発売に先駆け、開発のDigital SunとRiot Forgeによってメディア向けのプレゼンテーションイベントが開催されました。本稿ではイベントで発表された内容から、作品の特徴を紹介いたします。
『LoL』のユニバースから新たな作品を生み出す「Riot Forge」
本作でRiotがタッグを組むのは『Moonlighter』でも知られるスペインの開発スタジオDigital Sun。イベントにはRiot ForgeのクリエイティブディレクターのRowan Parker氏、Digital SunのCEOにして共同設立者のjavi Gimenez氏、そして本作のデザインディレクターを務めるSara Costa氏が登壇しました。
Riot Forgeとは、Riot Gamesが外部のデベロッパーとパートナーシップによって新たなゲームを生み出すパブリッシングレーベルであり、主に『リーグ・オブ・レジェンド』のキャラクター(チャンピオン)や世界設定とストーリー(ユニバース)を愛するプレイヤーに向けた、シングルプレイ完結型のゲームを世に送り出しています。
これまでにもビルジウォーター地方のチャンピオンたちの物語を描いたターン制RPGの『ルインドキング』や、爆薬のエキスパートであるヨードルのジグスが活躍するリズム&ランナーゲームの『ヘクステックメイヘム』をリリース。3作目となる『メイジシーカー』は、魔力を奪う能力を持ったサイラスが主人公のアクションRPGとなっています。
サイラスのスキルとデマーシア王国をARPGで再現
サイラスが生まれたデマーシア王国では魔法の存在は悪とみなされており、治安維持を名目に魔法を使う市民が弾圧されていました。魔力を感知できるため「魔法使い狩り(メイジシーカー)」に利用されていたサイラスは、反逆を理由に長期に渡る投獄生活を強いられていましたが、自身の「魔力を奪う」能力によって脱獄に成功。脱獄後は魔法使いを圧政から解放するため、強硬派の革命家として王国の破壊を狙っている……というのが、原作となる『LoL』でもお馴染みのストーリーです。
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『LoL』におけるサイラスは脱獄囚らしく鎖を振り回して戦うビジュアルに、高い機動力と相手のアルティメットスキルを奪うという唯一無二の能力で人気のファイター。また、舞台となるデマーシア王国もガレンやラックスなど数多くのチャンピオンの出身地として、アニメーションで何度も描かれてきました。
今回のプレゼンテーションでは、そうした『LoL』内の世界設定やユーザーが持つイメージをピクセルアートで描かれるアクションRPG『メイジシーカー』の世界へいかに落とし込むか、制作にあたって調整の過程が語られました。
アクション面では両手に繋がれた鎖を駆使した攻撃と移動や、あらゆるものから魔法を奪って使用できる設定はそのままに、魔法に設定された「属性」を活用したり既に習得している魔法を強化したりといった要素を追加することで、新たなサイラスの一面を演出しています。
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開発チームは「『LoL』ではゲームバランスを保つために極端な強さを表現することは難しいが、アクションゲームなら地形が変わってしまうほどのスキルも表現することができる」と語り、サイラスだけでなく登場するチャンピオンたちの特徴を、本作に合わせて再解釈していると紹介しました。
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強大な国家としてイメージされるデマーシア王国についても、さまざまな表現を検討しながら「これで上手く表現できるという着地点へ辿り着いた」と語られ、都市部だけでなく様々なロケーションが登場しているとのことです。
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これらのアイデアを全てゲーム内で表現するため、本作では実に88,000点以上ものピクセルアートのアセットを使用。ピクセルアート作品に強みを持つDigital Sunとのタッグだからこそ実現した、グラフィックにもこだわりが詰まった作品となっています。
2023年は『LoL』のストーリーにも注目!
これまでは「厳粛なデマーシア王国における脅威」としてヒール扱いを受けることも多かった脱獄囚サイラスですが、『メイジシーカー』では主人公として“圧政からメイジを救う革命家”の側面が強く描かれる見込みで、彼と志を同じくするメイジたちも多く登場します。アクションやグラフィックもさることながら、サイラスを巡ってこれまでとは異なる視点で描かれるストーリーに注目の作品です。
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カンファレンスの最後にはRowan Parker氏から日本語で「日本の『LoL』ファンの皆さん、長年サポートしていただきありがとうございます。『メイジシーカー』ではいつもと異なる目線・ジャンルで描かれるチャンピオンの物語を楽しんで欲しいと思います。操作はとても速いので、コントローラーで遊ぶことをおすすめいたします。発売日はもうすぐなので、楽しみにしてください!」と、コミュニティへの感謝を込めたメッセージも贈られました。
リリースから10年以上が経過しても今なお高い人気を誇り、国内でもストリーマー大会が開催されるなど再び脚光を浴びつつある『LoL』。奥深いゲーム性からプレイのハードルが高いと認識されることもありますが、キャラクターや世界設定も大きな魅力のひとつであり、Riot Forgeから生み出される作品は現役プレイヤーから未プレイ・休止勢でもその魅力を味わえるタイトルとなっています。
2023年のRiot Forgeは『メイジシーカー』を皮切りに、エコーが主人公の『コンバージェンス』と、ヌヌ&ウィルンプの物語を描く『ヌヌの唄』もリリース予定となっており、『LoL』ファンにとっては注目の一年となりそうです。