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2023年4月30日、コナミデジタルエンタテインメント主催によるインディーゲームの展示・即売会『Indie Game Connect 2023』が開催されました。本稿では、プレイアブル出展されていた『路地裏漂流記』の試遊レポートをお届けします。
不思議な街からの脱出…ではなく散策を楽しむアドベンチャー
本作は初代PlayStaionを彷彿とさせるレトロなグラフィックが目を引く3D探索アドベンチャーゲームで、Steamのストアページも公開されています。
突然「路地裏街」に迷い込んでしまった女子高生の佐伯すみれが、友人の前田桜子とともに脱出路を探して懐かしくも奇妙な街並みをさまよいます。
路地裏街には人ではない異形の住人たちもいますが戦闘などになることはなく、あくまでコミュニケーションの対象。
佐伯と前田が10代の女の子らしく、不思議な街に迷い込んでも割とあっけらかんとしていることもあり、のんびりと散策・探索を楽しむゲームになるようです。おしゃれをしたり、喫茶店でひと息ついたりする要素もあるとのことです。
3Dの街はきちんと作られているのでカメラ(視点)は固定ではなく任意に回転させることができ、佐伯たちの顔も、カメラが寄ってもかわいらしさはそのまま。グラフィックのテイストは初代PlayStation風味ながら、こうしたところは今風になっています。
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散策時はちょっとした段差を乗り越えられなかったりもするのですが、"ちょっと不自由な要素"は意図的に残している面もあるのだそう。そうした部分にあるコンテクストを読み取れるか(初代PS時代のゲームを知っているかorその時代を模したゲームに触れようという気持ちがあるか etc.)で、感じ方が変わるゲームかもしれません。筆者はそういうのが分かってしまうので、楽しく試遊できました。
発想の原点は『クーロンズ・ゲート』にあり!
試遊がてら、個人で本作を制作されている化け猫零々さんに話をうかがいました。
――初代PlayStationを彷彿とさせるレトロな雰囲気が魅力的ですね。
レトロですかね?…いえ、レトロですね。ずっと制作しているのでこれが普通になってしまい、何がレトロ調なグラフィックなのか分からなくなってきました(笑)。
――ご自身が路地裏に迷い込んでるかのようですね!本作の発想の原点はどんなところにあるのでしょう?
初代PSで『KOWLOON'S GATE クーロンズ・ゲート-九龍風水傳-』を初めて遊んだ時の衝撃がずっと忘れられずにいまして。本作のビジュアルは、それが発売された初代PS末期頃の作品の雰囲気を想定しています。
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――シブいタイトルが出てきた…。「路地裏」というタイトルの通り、入り組んだ細い路地を探索するゲームですが、これも現実の九龍城砦跡地などに見られる雑多な雰囲気を汲んでのことなのでしょうか?
いえ、それは私が元々路地裏めぐりをするのが好きだからです。本作の路地裏街は、PS2『トロと休日』の舞台となった神奈川県三浦市の街並みの雰囲気も少し入っているかもしれません。これも"聖地巡礼"をしたくらい好きなゲームなんです。
――ご自身の趣味と深く印象に残っているタイトルを組み合わせたゲームなんですね。発売はいつ頃でしょうか?
2023年7月にSteamでアーリーアクセスの実施を予定しています。なかなかバグを取り切れず苦戦していますが、がんばります!
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