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2023年2月にピーエムオフィスエーより発売された、タイトーのSTG『ダライアス』の主人公機シルバーホークを題材にしたプラモデル1/144「シルバーホーク 3F-1B SPACE FIGHTER」(以下、シルバーホーク)のゲーム系プラモデルレビューをお届けします。
ピーエムオフィスエーでは、過去に『ダライアスバースト』の機体をキット化した1/60「レジェンドシルバーホークバースト」と「バーストパーツ」がリリースされていました(2023年5月にリニューアル再販される予定)。
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今回のシルバーホークは、部位ごとの取り外しと組立が行いやすいシャフトクリックジョイント方式を採用したモデルです。スケールも1/144と、同PLUMの『グラディウス』シリーズのキットと並べやすい大きさとなっています。
読みやすい組説―塗装を意識した部位の後ハメ構造
組立前に組説やランナーを眺めてみましょう。ランナーは付属のスタンドを含めて8枚で、カラーガイドはサイドビューとフロントビューの2視点。また付属資料の文字フォントサイズも太く、図も大きくて読みやすい仕上がりです。
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組立は、胴体からスタートし、クリアパーツを仕込みつつ機首先端から機体上部までを積み重ねます。機体の色分けはパッケージ側面に掲載された設定画と照らし合わせてみてもほぼ完璧です。
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ジャイアントカッターを含めた胴体を組み上げたら、左右に広がるレーザーキャノンを組立ます。レーザーキャノンには、目立ちにくい大きさですがクリアパーツが2種類使用されており、遠目でみると白パーツを際立たせる良いアクセントとして機能しています。
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左右のレーザーキャノンへの接続パーツはシャフトクリックジョイント方式で構成されており、上下のパーツを合わせてから左右を接続します。全てのパーツを接続したら完成です。
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素組みの1/144 シルバーホークを眺める
完成した1/144 シルバーホークを眺めてみましょう。1/100 「R-9A」や1/144 「ビックバイパー」のように機外武装がないために、かなり外観はシンプルです。外観のフォルムはゲーム内でみるものと見劣りしませんし、特定のアングルによる破綻もありません。
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真後ろでの寂しさは、オリジナルのデザインがそうなっているために致し方ないところですね。ただし、微妙に角度が付いた視点だとビームキャノンを含めた突起が、刺々しい印象を与える一方でとても画面映えします。
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次は細部のディテールを見てみましょう。シルバーホークで一番気になる細部と言えば、各パーツを繋ぐパーツの造形ではないかと思います。ビームキャノンまでの隙間に見える内部メカ造形はもちろんのこと、ジャイアントカッターを繋ぐパーツも含め、パイプやケーブル類のディテールが作られており、中身が詰まっているような雰囲気を出せているのが好印象です。
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最後に、これまでに制作した1/100「R-9A Ver.R-TYPE FINAL 2」と1/144「ビックバイパーver.グラディウスV」を並べて見ましょう。横からみると、一発で判別出来るほどシルエットがそれぞれ異なっており、カラーリングも含めて同化していません。
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一方で、機体前方からみるとシルバーホークは飛行機型のビックバイパーと宇宙船型のR-9Aに対して、宇宙船と飛行機の中間に位置するようなデザインであることに気付きます。
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続いては、いよいよシルバーホークの塗装に挑戦しましょう。
シルバーホークは何色なのか?―銀と白の両面から色を探る
次は塗装に入ります。ここで気になったのは「シルバーホークは何色か?」ということ。ゲームクリエイターの桜井政博氏が投稿した同キットの作例では銀色に塗っており、組説のカラーガイドと異なっていたからです。この違いが気になったことでシルバーホークの立体化の歴史を調べてみると、タカラトミーから販売されたガチャの「シューティングゲームヒストリカ」にて立体化された際には、白部分が銀色で塗装されていました。
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また、アーケードやMD版の『ダライアスII』における、シルバーホークとデザインがほぼ同じマザーホークのドット絵を見てみると銀色のような光沢表現がされています。これらの表現からシルバーホークは銀一択のように思えてしまいますが、ダライアス公式サイトで見られる過去作のポスターでは、銀色というより白色で彩色されているように見えるものもあるため、色に一つの正解があるように思えません。
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筆者個人としては、ポスターで描かれた白色が印象強いのですが(単純に紅白色がカッコいいのもある)、銀色に塗られたシルバーホークのメタリックな光沢も捨てがたいために、設定画寄りのシルバーで塗装することに決めました(『ダライアスバースト クロニクルセイバース』における「オリジンシルバーホーク」も考慮した)。またシルバー塗装に合わせて、赤部分もメタリック塗装へ変更します。
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まずは、目立つ合わせ目消しからです。今回のシルバーホークは、ほぼ合わせ目が出ない構造となっていますが、唯一目立つのがレーザーキャノンの部分です。パーツの左右を接着剤で合わせたあとに、ラッカーパテで上下を埋め合わせて段差と隙間を埋めて、スポンジヤスリを用いて削ります(150番目で粗方削った後、600番目で仕上げ)。
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塗装の順番は、赤とグレー部分を先に塗装し、最後に白部分を塗装する段取りで挑みました。グレー部分は、サーフェイサーブラック1500(以下、黒サフ)→ガンメタサフの順番で塗装。赤部分はキャンディ塗装をするために、黒サフ→Ex-07 Ex-シルバー→ガイアカラーの041クリアーレッドの順番で塗っています。またキャンディ塗装表現と赤みを追求するため二度の重ね塗りを行いました。なおガイアカラーのクリアレッドを選んだのは、より黒く深みのある赤だったからです(クレオスのクリアレッドは明るい)。
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白(シルバー)部分は、グレーサーフェイサー1500(以下、灰サフ)で光の透過防止をした後に、黒サフでシャドウ吹き→ニュートラルグレーIIIで下地を作る→最後にパールシルバーという順序で塗装。最後に各部のパネルラインなどをスミ入れブラックで強調します。また、レーザーキャノンのセンサー部分は見える範囲が小さいためマスキングが難しいことから、左右のクリアパーツ部分に完全塗装後にアクリジョンのN14オレンジを、下面のクリアパーツ部分をN5のブルーで塗りました。
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最後に、塗装したパーツを再度組み立てて完成です。
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銀の鷹と呼ぶに相応しいシルバーホーク―ついに集う横スクロールSTG御三家自機
全ての塗装を終えたシルバーホークを見てみましょう。シルバーパールで塗装したことで、ゲーム内のシルバーホークのイメージに近くなったようにも思えます。
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1/144のスケールとはいえメタリックで塗装すると、光沢感によってどの角度から見てもリッチさが溢れています。今回はパイプ類を塗り分けしませんでしたが、メタリックのゴールドやブルーなどで塗り分けるとよりメカらしさを感じられるかもしれません。
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改めて、『ダライアス』と『グラディウスV』、『R-TYPE FINAL 2』の横スクロールSTG御三家プラモデルを並べてみましょう。ビックバイパーT301とR-9Aが白の塗装に対し、シルバーホークが銀色であるために、一味違う印象を受けます。また、R-9Aにはフォースとビットが、ビックバイパーにはオプションが付くために、シルバーホークは何も付かず自機のパワーアップのみに留まるのを強く実感します。
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シンプルでカッコいい、デザインの良さを感じられる1/144「シルバーホーク」
ピーエムオフィスエーの1/144 「シルバーホーク」は、どの角度から見てもシルエットが破綻しない造形かつ、シャフトクリックジョイント方式で塗装と組立が考慮された素晴らしい設計のキットです。完成すると立派なフォルムに惚れ惚れしますが、外部装備の類が原作の時点から存在していないので少し寂しさを覚えます。
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シャフトクリックジョイント方式は特に良かったです。胴体からレーザーキャノンまでを繋ぐ部位を簡単に取り外せることで、組立が複雑になりません。加えて、塗装時にも赤と白パーツに分けられるため、マスキングの手間を省けたからでした。
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一方で本キットに問題点があるとすれば、エンジンノズル付近のパーツとレーザーキャノン部分の保持力についてです。元のデザインそのままに立体化できているのですが、小さいパーツを複数使って支えているため、その分保持力を犠牲にしてしまったように思えます(迂闊に触れると取れてしまう)。そのため、レーザーキャノンの接続は接着してしまった方がいいのかもしれません。
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1/144「シルバーホーク 3F-1B SPACE FIGHTER」はビームキャノンなど一部パーツの保持力に不安があるものの、本体自体の造形は非常に良くできているために、『ダライアス』ファンなら是非手にとって欲しいと言えるキットです。
・どの角度から見ても破綻無く眺められる造形
・図が大きく読みやすい組説とパッケージ側面の設定画
・後ハメしやすいシャフトクリックジョイント方式
・1/144スケールながらも満足出来る大きさ
悪い点
・強度/保持力に不安を覚える一部パーツ
¥4,956
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
¥4,000
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